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クリエイティブディレクターとファッションデザイナーの違い

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「ファッションデザイナー」という職業は、知らない人がいないほど有名なお仕事です。しかし「洋服をデザインする」という認知はあっても、その具体的な業務までは詳しく知られていない側面もあるのではないでしょうか。
特に最近は、ラグジュアリーブランドを中心に「クリエイティブディレクター」という職業があり、デザイナーと混同されている部分も。
そこで今回は「ファッションデザイナー」という職業についておさらいすると共に、これからのデザイナーに求められる人材像についてもご紹介します。

◆ファッションデザイナーってどんな仕事?

「ファッションデザイナー」とは、ブランドが向かうべき方針を踏まえつつ、市場の流れを考慮しながら洋服をデザインする仕事です。

基本的な業務のイメージとしては、下記のような流れが一般的です。

時流にアンテナを張りながら、市場やトレンド、競合ブランドなどの情報を収集。

ビジュアルイメージやデザインのインスピレーションをまとめたポートフォリオ(イメージマップ)をシーズンごとに作成。

ポートフォリオを基に、具体的なアイテムを決定。デザイン画を制作。

各アイテムの色展開や素材などを決め、テキスタイルの買い付け、デザイン画を立体パターンに起こしてサンプルの制作などを行い、展示会やファッションショーで発表。

世界的に活躍する著名な日本人デザイナーとして、『コムデギャルソン』の川久保玲さん、『イッセイミヤケ』の三宅一生さん、『ヨウジヤマモト』の山本耀司さん、『サカイ』の阿部千登勢さん、『トーガ』の古田泰子さんなどがいます。

新作発表のタイミングはブランドの性格によりさまざまで、コレクションに出展するようなブランドであれば、9月~10月末に春夏の、2月~3月末に秋冬の新作を発表します。ファストファッションの場合は、より実売シーズンに引き付けたサイクルで新作を発表する傾向があります。

小さなブランドだと、ひとりでデザインから縫製まですべてを手がけるデザイナーもいますが、多くの場合はチームで洋服を制作します。その場合、密に関わるのはデザイン画を立体的な型紙に起こすパタンナー。そして販売計画を立てるMDです。企業によっては、ブランドの方向性や素材の選定までMDが行い、デザイナーはその販売計画に沿ったデザインを形にする、というプロセスで洋服を作るケースもあります。

◆ファッションデザイナーのキャリアイメージ

美術系の大学や服飾の専門学校でデザインを学び、キャリアをスタートするのが一般的です。というのもデザイナーには洋服を形にするまでの流れを熟知していることが求められ、そこには素材知識やデザイン画の修練、パターンの技術など多岐にわたる項目があるからです。

しかし最近は、絵型やスワッチを元にイメージを伝え、具体的なデザインはOEMに外注するようなケースも増えてきました。新卒や未経験の人材にとってデザイナーへの道は狭き門であることに変わりはありませんが、専門の勉強をしていなくても、企業に入ってから企画部に所属するなどして必要な経験と知識を増やしデザイナーを目指す、という道も開かれています。

どんな企業に勤めるかによって、その仕事内容は異なることも頭に入れておきましょう。

・アパレルブランドのデザイナー
冒頭で紹介した、一般的な流れを最も踏襲しているのがアパレルブランドのデザイナーです。社内のデザインチームや企画部に所属し、経験とキャリアを積んでチーフデザイナーを目指すことが多いようです。企業に所属し、さまざまな部署と協働することになるため、他者にイメージを具体的に伝えるためのデザイン画力やポートフォリオ制作能力は必須となります。

また、デザインを立体化するトワルチェックの際に、パタンナーに的確な指示が出せるスキルと経験も大切。MDや生産管理、営業など多岐にわたる部署とのやり取りも発生するため、デザインのことだけでなく、企業全体が向かうべき方向を見極め、判断する視野の広さが求められます。

・OEMのデザイナー
ブランドやショップから受け取った要望を具体的なデザインに落とし込むのがOEMのデザイナーの仕事です。まだ見ぬトレンドをいち早くキャッチして世に出す、ということよりも、今の気分を反映した実売に近いデザインが求められるため、市場をつかむマーケティング力が必須となります。

また、ブランドやショップの意向を聞きながら、生産元である工場とのやり取りをするパイプ役になる必要もあるため、対話の中からニーズを引き出す営業力や、パタンナーや縫製工場に的確な指示を出す生産知識も必要となります。また、最近では中国など海外の工場に生産を依頼するケースも多いため、進行管理のスキルがあると歓迎されます。

・ショップのオリジナル商品を制作するデザイナー
セレクトショップなどのオリジナル商品を手掛けるデザイナーを目指す場合は、必ずしも専門知識を必要としないケースも多いものです。というのも、自社で生産までを行うことは稀で、多くがOEMメーカーやアパレルブランドにデザインを渡し、制作を依頼するからです。デザインアイデアも、実際にデザイン画を描くというより、ウェブや雑誌から似よりのアイテムを見つけて、それをもとにイメージを伝えていく、という手法もよく取られています。

求められるのは専門知識よりも、店頭にどんな商品が並ぶのか、他社のアイテムも含めたバランスを踏まえて洋服をデザインする目線。またこれから時流がどう移り変わるか、そこで自社のお客様が何を求めるか、を感じられること。そのため、バイヤーやショップ店長からデザイン担当になるキャリアパスも珍しくありません。

洋服だけでなく、帽子やバッグなどの小物も幅広く手掛ける場合が多いので、インテリアや映画、音楽などカルチャー全般に目配りできるアンテナが求められます。

◆「クリエイティブディレクター」とどこが違うの?

洋服とそれに合わせる服飾雑貨をデザインするのがファッションデザイナーの主な仕事ですが、ブランドの価値が向上するに従って、香水や時計、アクセサリーなどのライセンスビジネスが発生。それらのクリエイティブを行うために、専門のデザイナーが置かれるようになります。そうやって多岐にわたり広がっていくブランドのイメージをひとつにまとめ、ビジネスとしてデザインの可能性を高める方向を指し示すのが「クリエイティブディレクター」の仕事です。

特にラグジュアリーブランドのように、世界的に多店舗を展開するブランドではクリエイティブディレクターの重要度が高く、どのような市場にどういう商品分類でブランドを展開していくか、というマーケティングやプロモーション戦略、どういうテーマでアイテムを見せていくかなどのショップデザインも含めた企画ディレクションを手掛けています。

『ルイ・ヴィトン』や『ディオール』『グッチ』『セリーヌ』などをはじめとする、名だたるハイブランドが、ブランドの成長につながる新たなイメージを築くため、クリエイティブディレクターという職種を採用しています。

◆これからのアパレル業界に求められる、ファッションデザイナーとは

アパレル業界ではいまだ不振が続いています。これからの時代に新たな突破口を開くファッションデザイナーとはどのような存在なのでしょうか。

近年の見逃せない動きとして、ITテクノロジーの進化が挙げられます。ファッションの世界もその例外ではなく、3Dデータを解析したパターンの生成やプリンターの進化による小ロットのテキスタイル制作など、さまざまな分野でその影響が表れています。これからのアパレル業界は、デザイン画を描くのが手描きからPCになった、という単なるツールの変化を受け入れるだけでは立ち遅れていく可能性が濃厚です。

情報がものすごい速さで行き来する現状を踏まえて、素材や加工などの最新テクノロジーに対するアンテナを張り、サスティナビリティに配慮した生産背景を確保するなどして、ニーズの多様化が進む社会背景に配慮する。つまり服作りの出発から、それが販売され、いつか不要になるプロセスまでをも広い目線で見つめ、「なぜこの服を作るのか」というストーリーまで総合的にデザインできる人材が求められているのではないでしょうか。

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