8. 万(よろず)「白磁宝賓」



F:これは持ち手がないですが、お茶を淹れる急須でしょうか。
山口:こういう形を宝瓶(ほうひん)というそうなんです。僕は渋谷の茶葉店「幻幻庵」の丸若さんと仲良くさせてもらっているんですが、一緒にプロジェクトをする中で福岡の「万(よろず)」というお茶屋さんを知って、福岡に行く時にはお伺いさせていただいています。これはその万の「白磁宝賓」です。

F:大きさは小さめで、手の平サイズ。
山口:そう、ちょうど良いサイズ感なんですよね。ずっと使っていた急須が壊れてしまったので新しいものを探したんですが、普通の急須って一人だと少し大きいと感じていて。でもこれだと、ちょっと飲みたい時に一杯だけ淹れられるなと思って、オンラインで手に入れました。
F:フォルムに無駄がなくて、洗練されています。

山口:こうやって片手で淹れるんですけど、お茶ってこの所作がいいんですよね。茶器や伝統工芸などは人が過ごす時間に合わせて作られているものなので、興味を持つ人も増えているんじゃないかなと思います。あとここ最近、家での時間が増えたりみんなの生活が変わっていく中で、自分の音楽はお茶のようにそれぞれの時間に入り込めるかということを考えます。
F:自然と安らぎを求めたり、心豊かな時間を求めていると感じますね。ちなみに山口さんは、お茶かコーヒーだとお茶派なんですか?
山口:両方飲みます。父が昔、喫茶店をやってたんですけど、このコロナ禍で暇になったみたいで自分でコーヒーの生豆を仕入れて焙煎して送ってきてくれるんです。感想を聴かせろって。どんどん違う豆を送ってくるから、たまに混ぜてみたりして、親父焙煎の一郎ブレンドを作ったりしてます(笑)。
F:飲んでみたいです(笑)。
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