フランスのアーティスト JRによる個展「CONTRETEMPS」が、ペロタン東京にて11月20日（土）まで完全予約制で開催中。

他では語られることのない秘められた人生を送る人々を題材とした、大スケールの写真肖像の展示などで知られるJR。

建築との関係性においても、立ち入ることのできない空間や、写真に頻繁に収められる有名な場所に対して新たな言語を見出してきた。

今展では、パンデミック下において彼の故郷パリにて制作された新作と、「Unframed」シリーズからの未公開作品を紹介。

Willy Ronisの写真作品「The Lovers of the Bastille（バスティーユの恋人）」にインスピレーションを受け、JR独自のレンズを通して再解釈した新作シリーズは、オペラ・バスティーユの屋上から撮影されたもの。

今や一般市民は見ることのできない景色の中、建物の屋根に穏やかに佇むバレリーナは、空間の記号論を想起させる。

JRが見つけた記録写真を原寸以上に拡大し、さまざまな建造物に貼りつけていく進行中のシリーズ「Unframed」からは、日本全国を旅した際に、報道写真家の渡部雄吉が撮影した写真に触発され制作した作品を展示。

立ち入り困難で今後何年もの間手つかずのままであろうゴーストタウンという新たな場所に報道写真を配置し、両者を交差させることで、その重みのある歴史や独自の物語の存在を確かめながらも、新たな物語を創り出すことを目指している。

建造物を再分脈化することで切り拓かれる、過去と現在の対話。

公共と個人の空間の中、積み重なった歴史に思索を巡らせて。

PERROTIN TOKYO
03-6721-0687

【JR “CONTRETEMPS”】
DATE：11月20日（土）まで開催中
TIME：12:00pm～6:00pm
PLACE：ペロタン東京
ADDRESS：東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル1階
ADMISSION FREE
WEBSITE：leaflet.perrotin.com/view/120/contretemps