紳士服の企画・開発を手がけるAOKIは7月上旬、傘下の「ORIHICA(オリヒカ)」ブランドも含めた今秋冬商品の展示会を都内で開催した。
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春先から緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が解除された今年度について、同社ではビジネスウェアの「グラデーション化」を一つのキーワードに挙げており、対面のビジネス活動の再開を受けた従来型のスーツスタイルの復調に対応。また、継続されるテレワーク用途のカジュアル向けへの対応や、その中間スタイルの提案も踏まえて、幅広いグラデーションのような商品展開で、細分化したニーズに対応していく方針。
まず、2020年秋に発売し、今年6月末時点で15万着を突破した「パジャマスーツ」については、今秋冬は従来からある襟なしだけでなく、襟付きを強化していく。もともとはテレワーク向けにカジュアル性の高さで認知されていた商品だったが、働き方が以前の形に戻りつつある中で、出社時にも対応した”きちんと感”もあるスタイルとして提案。また、従来のミラノリブ素材、プリントジャージー素材、メランジジャージー素材に加えて、新規でスポンジジャージー素材も追加している。関連して、発売開始約1カ月で約1万2000枚が完売した「スーツ屋の仕立てたTシャツ」も、パジャマスーツなどのジャケットのインナー用として、この秋冬も販売していく予定。
また、定番のビジネススタイル商品では、「洗える」や「ストレッチ」といった機能性が人気のキーワードとなっている。自宅の洗濯機で洗えるストレッチスーツの「LES MUES(レミュー)」については、引き続き、高い需要が見込まれるため、機能性を保ちながら拡販していく。
そのほか、ブライダルや式典イベントの回帰も見据え、ハイクオリティのストレッチスーツを強化する。これまでも展開していたパリコレデザイナーの島田順子氏が手がける「JUNKO SHIMADA JS homme」について、今秋冬はグレー系のカラー展開を拡大していく。
レディースECも好調
とりわけ、ECではサイズ分けがシンプルで、採寸や補正作業などが必要とならない商品群がヒットしている。一例として、「らくQパンツ」は、裾の内部に芯を貼ることで、顧客自身が折り曲げて長さを調整することが可能なため、ECでの人気が高い。
また、オリヒカにおいて、昨年からEC限定で販売して売り上げを伸ばしているのが「アクティブワークスーツ」だ。S、M、Lの分かりやすいサイズ展開に絞っているためネットからも買いやすいということに加え、上下セットで5000円程度という価格もEC向けとなっているようだ。生地や仕様のバージョンはその都度アップデートしながら展開しており、現在は第9弾まで発売している。
そのほか、近年のAOKIではレディース商品にも注力。以前は限られた展開数だったが、今では実店舗でも3割程度がレディースの売り場となっている。売り上げについても全体の2割程度(実店舗・EC合計)の比率に高まっているようだ。
レディースについてはメンズのスーツほどサイズ分けが細かくなく、また、オンラインでの買い物に慣れている女性が多いことから、ECでの売上比率が上昇。ECではブラウスやシャツのようなインナー商品が好調となっている。
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