繊研新聞社が服飾系専門学校の学生を対象に行った「ファッション意識調査」（回答数1384人）で今回、新たに「フォローしているインフルエンサー」について聞いたところ、ユーチューバーでアーティストのあさぎーにょさんが1位になった。尊敬するデザイナーを聞く設問に比べて回答率が低く票は分散した。自らブランドや店舗を手掛けるファッション業界人のほか、インスタグラムのフォロワーが多いタレント、ファッション系ユーチューバーらの名前が挙がり、学生の興味関心の多様さを示す結果となった。

上位にユーチューバー

　1位のあさぎーにょさんは、SNSの総フォロワー数が300万人を超えると言われる人気ユーチューバー。ポップで温かい世界を表現するアパレルブランド「ポピー」を20年に発売。昨春、東京・原宿に開設したポピーの世界を体感できる予約制の店舗も好評で、服飾専門学校生にもファンが多いようだ。

　2位のミチさんはモデルで、弟のよしあきさんと2人で動画を配信するユーチューブチャンネルなどで人気。ファッションセンスの良い仲良し姉弟として同世代からの支持が強く、上位に入った。

　3位は、各社のインスタフォロワー数ランキングで1位のタレント、渡辺直美さん。同じくインスタのフォロワー数で、常に上位に入るモデルのローラさんが8位。ファッション業界人では、EC発レディスブランド「アメリ」を運営するビーストーンの黒石奈央子CEO（最高経営責任者）が4位にランクイン。流行をとらえ、画面上に映える凝ったデザインの服が支持され、黒石さんのインスタグラムと20年に開設したビーストーンの公式ユーチューブチャンネルで、専門学校生を含む多くのフォロワーを獲得している。デザイナーでは唯一、8位にコシノジュンコさんが入った。

　5位の在原みゆ紀さんはインスタが人気のモデル、そわんわんさんはメイクやコーディネート動画を配信する友達感覚のユーチューバー。7位ふーりー（古澤りさ）さん、10位きりまる（丸尾紀里子）さんもファッションやメイク、購入商品紹介などの動画が10代から人気のユーチューバー。同じく10位の北風明日香さんは、レディスの独自ブランドを主にECサイトで販売する美容系ユーチューバーで、SNSを通じてより身近な憧れの存在から影響を受けている学生が多いことが分かった。

雑誌の影響力低下

「ファッション商品の購入やスタイリングの参考にするSNS、情報源」についても初めて聞いたところ、「インスタグラム」と答えた人が回答者の86％に上り、断トツの1位。昨年までの「参考にする媒体、情報源」を聞く設問でも、インスタグラムは18～21年の4年連続で1位ながら、80％台後半の回答率は過去最高。昨年まで常に40％以上が参考にする媒体と答えていた「雑誌」は2位で26％。ほぼ同率で3位には画像共有サイト「ピンタレスト」が入り、4人に1人が参考にすると答えた。

　4位は「ティックトック」、わずかの差で5位は「ユーチューブ」で、ほぼ5人に1人が動画もよく見ると回答。6位「店舗やブランドのホームページやブログ」は18％で、昨年までの参考にする媒体・情報源の問いでは3割前後いた利用者が減少。7位のコーディネートアプリ「ウェア」は7％の回答にとどまった。

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