1つとして同じものはない「氷結過程」
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写真家・高木由利子の写真展「chaoscosmos vol.1 -icing process- カオスコスモス 壱 - 氷結過程 -」が、表参道・GYRE内のGYRE GALLERYで開催。2022年10月7日(金)〜11月28日(月)まで。
高木由利子は、独自の視点から衣服や人体を通して 「人の存在」を撮り続けてきた。近年は自然現象の不可思議にも深い興味を持ち「chaoscosmos」というプロジェクトに取り組む。映像を含め、新たなアプローチに挑戦し続けている写真家だ。
高木は自然現象をレンズを通して捉えていくうちに、カオス(混沌)とコスモス(秩序=宇宙)は同時多発的に共存しているのではないか、ということに気づき始めたそうだ。宇宙の摂理は、私たちが日常的に漠然と受け止めているよりも、遥かに複雑で綿密で意外性に富んでいて、その現象は時としてレンズを通して視覚的に現れたという。そして、肉眼では見えない“ささやかなメッセージ”を受け取るようになった高木は それらのメッセージを「chaoscosmos」と名付けた。
本展ではそんなプロジェクトの第一弾、『chaoscosmos vol.1』として「氷結過程(icing process)」を発表。水が氷へと変化していく過程を写真に収めた作品を展示する。これらの作品は、寒冷地に移住した際、氷点下の夜に小さな容器に水を張って氷を作ることを試みたところ、ある朝、ひょんなことから、水が氷に変貌する過程を目撃したことに端を発する。それは、雲母よりも薄い透明の結晶が引きしめ合いながら成長する過程だったという。
それ以降も氷の観測と撮影を行うが、同じ条件のもとでも、1つとして同じ形状は現れない。高木は宇宙の多様性の縮図のようなこれらの氷結過程を、氷点下の夜に行われる“密儀”と形容している。それらの“密議”の経過発表の場としつつ、他分野の職人と協力し、写真表現の根源にも迫るセッションを行った作品を展示しているのもポイントだ。
肌寒くなってきた表参道の街で、冬の季節に似合う繊細でミステリアスな「氷結過程(icing process)」の展示。写真を通じて“ささやかなメッセージ”を受け取って。
■概要
高木由利子 写真展「chaoscosmos vol.1 -icing process- カオスコスモス 壱 - 氷結過程 -」
開催日:2022年10月7日(金)〜11月28日(月)時間:11:00-20:00
場所:GYRE GALLERY
※お出かけの際はマスク着用の上、こまめな手洗い・手指消毒を行い、混雑する時間帯、日程を避けるなどコロナウィルス感染症対策を十分に行いましょう。
>>EDITOR’S VOICE
お腹が空いたら、GYRE GALLERYから歩いて約7分、TRUNK(HOTEL)内にある「TRUNK(KUSHI)」へどうぞ。平日ランチタイム限定の「焼鶏丼」はオモハラスタッフもイチオシのメニュー! そのほかにも思わず通いたくなる美味しいメニューが揃っているので、ぜひチェックしてみて。
※敬称略
Text:miwo tsuji
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