アウトドアウェアブランド「マーモット(Marmot)」が、「ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)」監修で新展開をみせた。従来の大文字と小文字を組み合わせたブランド名から、全角英語表記の「マーモット キャピタル(MARMOT)」として2023年秋冬コレクションからデビュー。立ち上げに際し、ファーストシーズンとなる2023年の秋冬コレクションのプレスプレビューを開催した。なぜ、マーモットはユナイテッドアローズをタッグを組み、新たな展開に至ったのか。
マーモットキャピタルは、2021年からユナイテッドアローズが運営している法人向けコンサルティングサービス「PRODUCED by UNITED ARROWS」の第1弾としてローンチ。約1年半前に企画が立ち上がり、今回のデビューに至った。なお、同社がアウトドアブランドを自社展開するのは初めての試みであり、デサントジャパンが、昨年12月末にマーモットとのライセンス契約を終了し、同ブランドの取り扱いを終了して以来、初の日本国内再展開となる。ユナイテッドアローズの広報担当は、伊藤忠商事から今回のプロジェクトを提案されたことを明かし、アウトドアブランドとしての側面だけではなく、タウンユースもできるアイテムを展開したいという要望を受け、今回のコレクションを製作したと説明した。
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デザインは、「パープルシングス(PURPLE THINGS)」のデザイナー菊乃(KIKUNO)を中心に、ユナイテッドアローズの各部署から適任者をピックアップした複数人で構成されたチームで手掛けており、リアルクローズ、リアルプライスに重点を置いたアイテムをユニセックスで展開。デビューコレクションでは、ダウンジャケットやフリースプルオーバーなどのアウター類をはじめ、オーバーオールやシェルパンツ、保湿性と通気性に優れたフリーススカート、リサイクルポリエステルを採用したフリースキャップなど全23型を用意する。価格帯は小物が5000〜7000円、ウェアが1万3000〜6万8000円(いずれも税込)。デイリーユースを意識し、シェルジャケットやダウンジャケットの素材には近年新たに誕生したプロダクトで、白いラベルが特徴的な「GORE-TEX INFINIUM」を採用。軽い雨を弾く防水、暴風、透湿性を保ちつつ、オーバースペックにならないよう過多に機能性素材を使用しないことで、コストカットを実現した。また、使用されている素材に合わせて、全てのアパレルアイテムに防寒性を1〜6までのレベルで段階分けしたタグが付けられている。
デザイン面では、ドローストリングを多用することで、シルエットを自由に調整できるほか、クロップド丈のパッカブルジャケットや、アッシュグレー、ピンク、ブルーをカラーパレットにしたアイテムなど、アウトドアブランドには珍しいデザインも数多く用意。同ブランドのディレクションを務めた菊乃は、デザインの特徴について、2000年代のテックウェアに影響を受けたと話し、フリースの厚さにもこだわったと説明した。
「テックっぽい要素やギミックを効かせたデザインを意識しました。個人的には2000年代のアウトドアウェアが好きでよく着るのですが、やっぱり街で着るとなると不便なことも多くて。なので今回は、もし自分が着るならこんなデザインだったらいいな、という要素をできる限り詰め込んだつもりです」(菊乃)。
先に行われたバイヤー向けの展示会では、GORE-TEX INFINIUMが採用されたロング丈シェルジャケットや、裾にドローストリングスを用いることでユニークなシルエットを生み出すダウンパンツ、1988年代のアーカイブアイテムをベースにしたフリースプルオーバーなどが人気だったという。
クロップド丈のジャケット
同プロジェクトのリーダーで、R&Dセンター プランニングディレクターの池谷啓介氏は「アウトドアブランドにない要素を菊乃さんにジョインしてもらったことで実現できたファーストコレクションになったと思う」と振り返り、将来的には、海外展開も見据えていると今後の展望を語った。
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