ヤシゲユウトとビアンカサユリが手掛ける「テンダーパーソン(TENDER PERSON)」が、「Rakuten Fashion Week TOKYO 2023 A/W」で2023年秋冬コレクションを発表した。
テンダーパーソンは、当時文化服装学院に在学していたヤシゲとビアンカが2014年に設立。2016年秋冬コレクションから本格展開を開始し、2022年には、ファッションアワード「第8回 TOKYO FASHION AWARD」を受賞した。「自由に常に追求し表現し続けること」をコンセプトに掲げ、ファッションというフィルターを通して、自分らしさを表現できるアイテムを展開している。
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ショー会場は、渋谷ヒカリエのホールA。会場の中央には、フラワーブランド「GANON FLORIST」のフラワーアーティスト Hikaru Seinoが提供した約3000本のフラワーロスのカーネーションが植えられ、すぐ横の光に照らされたランウェイをモデルが歩いた。花の演出をメインで手掛けたビアンカは「幸せな夢の中で辺り一面に広がる、天国のような白い花畑をイメージして演出を考えた」と語った。
2023年秋冬コレクションのテーマは、「Dreaming of me」。これまでは嬉しい気持ちや楽しい気持ちなど、ポジティブな感情を服作りに活かしてきたが、同コレクションでは現実世界を悪夢と捉え、喪失感や不安などのネガティブな感情から着想を得て服作りを行った。ビアンカは、「昨年アワードを受賞してすごく嬉しかった反面、これまでにないプレッシャーを感じた。自分の中の葛藤をインスピレーションにして服を作った」とコメント。ヤシゲは、「これまでのデザイナー経験だけでも色々な壁に当たってきて、自分たちのデザインができなくなるのではないかと不安になったりもした。そういったマイナスの感情を活力に変えようと思った」とコレクションテーマを設定した経緯を説明した。
Image by: FASHIONSNAP
コレクションでは、ブランドの代名詞とも言えるファイヤーモチーフのカーディガンやコート、バッグ、シューズなどのほか、ビアンカの祖母による手作りの服などからインスピレーションを得て製作したスカラップを取り入れたシャツなどを展開。メキシコの映画監督ギレルモ・デル・トロ(Guillermo del Toro)が描いた架空の人物や、ヴィンテージポスターのグラフィックなどを用いたアイテムも登場した。
Image by: FASHIONSNAP
「TOKYO FASHION AWARD」を受賞したことで、パリのショールームに出展した同ブランドだが、現地のバイヤーたちと話してビアンカは手応えを感じたという。「細かい技法やオリジナルの素材を直接見てもらい、アイテムのクオリティを褒めてもらったことで自信につながった。中国などに卸先も広がったので、今後も『着る服の活力になる服』を多くの人に届けていきたい」と話した。
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