今年のお買い物を振り返る「2025年ベストバイ」。2人目は、ショップ「アメリヴィンテージ(Ameri VINTAGE)」やウィメンズブランド「アメリ(Ameri)」を手掛ける黒石奈央子B STONE社長です。ベストバイに登場いただくのは2022年以来2度目。この3年の間に、結婚や出産といった人生の一大イベントも経験されました。令和のリアルクローズマーケットを代表する女性経営者の豪快な“買いっぷり”には、夢が詰まっています。6点を紹介してもらいました。
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Chrome Hearts デニムジャケット

FASHIONSNAP(以下、F):1点目は「クロムハーツ(Chrome Hearts)」のデニムジャケットです。黒石社長はワンピースなどフェミニンなアイテムのイメージが強いので、これは結構意外でした。
黒石奈央子(以下、黒石):ずっと欲しくて手に入らなかったので、「やっと手元に来た」という感じ。今年一番嬉しかった買い物ですね。銀座の路面店の担当(販売員)さんが、私の誕生日に用意してくれました。主人が元々クロムハーツ好きで、(人気過ぎて品薄で)買えないけど見に行くというのをこの1〜2年一緒に続けている中で、私もブランドについて知っていきました。もともとヴィンテージは大好きなので、「リーバイス(Levi’s®)」のヴィンテージをクロムハーツがカスタムしているというところがたまらない。色も好みドンピシャです。激しいのはボタンのデザインだけなので、意外と着こなしやすいんですよ。デニム・オン・デニムのスタイリングで着ることが多いです。
F:パートナーがきっかけで取り入れたブランドやアイテムは他にもありますか?
黒石:私、相手の好みに合わせるタイプじゃないので、昔からファッションにおいて人の影響を受けないんですよ。むしろギラギラファッションだった主人の方が、私と出会ってからシンプルなスタイルに変わりました。そんな私が唯一影響を受けたのがクロムハーツですね。担当さんの提案力も大きいです。女性なんですけど、めちゃくちゃセンスがいい。ちょうどいい具合に私っぽいアイテムを用意してくれるので、「これは着れそう」「可愛い!」って、ちょくちょく買っています。最近はシルバージュエリーをよく身に着けています。







クロムハーツのジュエリーも愛用中
F:まさに今日のピアスやネックレスもクロムハーツです。
黒石:クロムハーツのシルバーっていぶされているので、「他のブランドと合わせづらい」と言ったら、担当さんがいぶされていないシルバーリングを用意してくれました。それがきっかけでしたけど、今はいぶされているシルバーも身に着けています。あとはミニサイズのバッグもお気に入りです。
F:クロムハーツは近年値上がりが激しい印象です。
黒石:クロムハーツをずっと追っている主人も、「ここ数年でめちゃくちゃ上がってる」って言います。このジャケットは110万円くらいでした。ただ、私は最近買い始めたばかりで過去を知らないので、「そんなものかな」と受け止めています。
ROLEX デイデイト オニキス文字盤

F:2点目は、「ロレックス(ROLEX)」のデイデイト。金無垢にオニキスの黒い文字盤の組み合わせがまぶしい!
黒石:金額としてはこれが年間で一番大きな買い物でした。400万円くらいです。文字盤に数字が無いところがお気に入りポイントで、一生身に着けたい時計の1つ。金無垢はギラギラしていてハードルが高いと思われるかもしれませんが、文字盤がシンプルだからおしゃれに着けられるし、シルバージュエリーと合わせてもハマるんですよ。時計も、現行品よりヴィンテージが好きです。時計はオークションで買ったこともあります。ブランド買取の「なんぼや」を運営する嵜本晋輔バリュエンスホールディングス社長夫妻と親しくさせていただいているんですが、同社の「アリュー(ALLU)」のオークションに招待され、買うつもりがなかったのに一目惚れして落札しちゃったんですよね。
F:オークションは足を踏み入れたことがないという人の方が多いと思いますが、何かコツはありますか?
黒石:アメリで扱うヴィンテージのブランドバッグの買い付けのために何度か行ったことがあったので、オークションには結構慣れていると思います。自分の中で相場をもとに価格の上限を設定して、それ以下だったら買うという感じ。買う気がないオークションでも、事前に相場だけは調べて行ってます。

シルバージュエリーとのミックスコーデも好相性
F:他にはどんな腕時計をお持ちですか?
黒石:「パテック フィリップ(PATEK PHILIPPE)」やグリーンの文字盤のロレックスとかですね。私、時計に全然興味無かったんですけど、30代になって「いい時計が欲しいな」と思って、初めてロレックスのデイトジャストを買ったんです。そこから目覚めました。ただ、そのデイトジャストは文字盤が小さくてすごく女性的なデザインだったので、「なんだかちょっと自分の求める雰囲気と違うな」と思って手放しました。そこから徐々に、メンズライクな時計がかっこいいという意識になっていきました。
F:自動巻きの腕時計は、毎日身に着けていないと止まってしまいます。子育てもあって忙しい中だと、ちょっとハードルが高そうですが。
黒石:その通りで、めっちゃ面倒臭い。正直、時刻を見るために着けているわけではないですね。このロレックスも今も止まってますし、着ける時にわざわざ時間を合わせることはしません。ズレた時刻のままです。時間を確認するのはスマホで十分。腕時計はアクセサリーです。

左がパテック フィリップ、右2つがロレックス
F:クロムハーツも腕時計も、黒石社長は買い物の嗜好が結構硬派ですね。車もお好きですか?
黒石:車はまだ1台しか買ったことがないんですが、ボルドーカラーの「ポルシェ(Porsche)」のマカンに4〜5年乗り続けています。将来は、「ベントレー(Bentley)」のベンテイガに乗るのが目標。今39歳なんですけど、まだ早いなと思っていて、40代で似合う自分になって、ベンテイガを買いたい。運転自体が得意というわけではないんです。先日も、マカンでちょっとこすっちゃいました。
SHIHARA ルームディフューザー

F:続いては、ジュエリーブランド「シハラ(SHIHARA)」が手掛けるルームディフューザーとフレグランスオイルです。
黒石:目黒にあるインテリアショップのリヒトで見付けました。入店した瞬間からすごくいい香りで、聞いたらこのディフューザーを使っていると。私、香りフェチなのでディフューザーやキャンドルは結構買っています。香りの系統としては、フローラルより森系や水系などの香りが好きです。
F:黒石社長の3年前のベストバイにも、インテリアアイテムは多数登場していました。インテリアもすごくお好きなんですね。
黒石:特に何かを探していない時も、普段からフラッとインテリアショップに行きますね。自宅やオフィスの家具や照明にも、リヒトで買ったものがいくつかあります。ただ、昨年子どもを生んで、今は子ども優先だからあまりインテリアに凝ることができないんです。実は今、家を建てる計画を立てていて、そちらではしっかりインテリアにも凝りたいと思っています。

ボウルにキャンドルをセットし、天板にオイルを垂らす構造
F:おお!ベストバイ企画で家を取材する日は近いですね!!
黒石:これから2年ぐらいかけて作っていこうと思っています。今まで何回も引越してきましたが、やっぱり賃貸だと100%自分が好きな感じにはならない。ヴィンテージマンションを買ってリノベーションしようかとも思いましたが、天井の高さとか、全部を自分好みにしたいなら土地から探して建てた方がいいという結論に至りました。家を建てる時、一番大事なのはデザイナーさんですけど、頼みたいデザイナーさんも見付かったんです。その人がいるから、安い買い物ではないですけど勇気を持って建てられる。その人と土地も一緒に探しました。目黒でカフェやギャラリー、オフィス、ヘアサロンを併設した施設「PIX」を手掛けている、コラムという事務所の方です。
F:黒石社長はセルフメイドの女性経営者として、今の時代のファッションドリームの体現者の一人ですね。日本はまだまだ、叩き上げの女性経営者はそう多くありません。
黒石:ありがとうございます。これからも頑張ります。
RAWROW キャリーケース

F:お次は韓国発のブランド「ローロー(RAWROW)」のキャリーケース、容量は108リットル。
黒石:キャリーケースって、みんな「リモワ(RIMOWA)」を選びがちですよね。みんなとは違うものが欲しいなと思っていたのと、このボックス型の形に惹かれました。これ、中に入れた荷物の重量が計測できるので、飛行機の預け入れ荷物で重量超過することもありません。あと、ボックス型なので、旅先で広げてもあまり場所を取らない。よくあるキャリーケースって、左右に広げてしまうとホテルでかなりの面積を占めてしまいますよね。



スイッチを入れると、液晶に荷物の重量が表示される
F:旅行もよくされていますが、今までの旅先で印象的だった場所はどこですか?
黒石:旅は大好きで、なかでも観光地過ぎない場所が好みですね。子どもを生む前に絶対に行っておきたいと思って、昨年はアフリカを訪れました。ケニアやタンザニアです。あとはトルコやスリランカも良かった。子どもが生まれてからは、上海やオーストラリア、韓国などに行きました。この11月には家族でハワイに行ってきたんですけど、子ども中心で旅するのも、それはそれで楽しいです。
HERMÈS バーキン ルージュアッシュ

F:5点目は、泣く子も黙る「エルメス(HERMÈS)」のバーキンです。取材日の直前に手に入れたとのことで、急遽追加いただきました。これは黒石社長にとって何個目のバーキンですか?
黒石:ケリーと合わせて多分6個目ぐらい。黒などのベーシックカラーは既に持っていたんですが、ルージュアッシュと呼ばれるこのボルドーカラーを2年ほどリクエストしていて、やっと手に入れました。くすんだ赤が元々好きなので、ずっと欲しかったんです。



サイズは小ぶりな25
F:巷には、「バーキンを買うためにはこうしなければならない」という真偽不明な言説が溢れていますが。
黒石:私はこれまでエルメスで服はそんなに買っておらず、靴や子ども用の小物、ジュエリーなどを担当の方からちょくちょく買っていました。時々、コートなどの大物も買ったり。何百万円、何千万円と使わないとバーキンは紹介してもらえない、なんてことはないですよ。それよりも、継続して通って、買ったら大事に使うことがカギなのかなと私は思っています。ただ、バーキンやケリーなどのバッグは、1人の客が1年に買えるのは合計2つまでと決まっているみたいです。私は今年はルージュアッシュの前にエトゥープ(グレージュ)のバーキンも買ったので、これでおしまい。また来年になれば2個を上限に買えるということです。
F:迫力マダムや“港区女子”にはならない、おしゃれなバーキンコーデの秘訣を教えてください。
黒石:バーキンを持つ時のスタイルは自分の中で決まっているんです。ワンピースなどに合わせると、コンサバな華やかさになってしまうので、デニムスタイルなどのカジュアルな時にしか持たない。雨の日でも気にせず持ちます。天気予報を見ずにコーディネートを決めて、バーキンを持って外に出たら雨だった、という感じ。先日も雨の中でバーキンを持ってエルメスに行ったら、店員さんにちょっと驚かれました。本当は綺麗に使いたいんですけど、私そういうところが結構雑なんですよ。でも、シボのある革だから雨染みにも比較的なりづらいし、大丈夫だと思う。

2025年はエトゥープカラーのバーキンも購入
F:ボルドーを手に入れて、これでバーキンは自分の中でコンプリートですか?
黒石:もう1個だけ欲しいモデルがあります。仕事でお会いした40代後半のアートディレクターの女性が、結構大きめサイズの黒の革にゴールド金具のバーキンを持っていて。その持ち方がすごくかっこいいなと思って、それには憧れますね。「20年前くらいに買って、使い倒している」とおっしゃっていたんですけど、その人の生き方自体もかっこいいんですよ。自分もいつか手に入れてあんな風に持ちたいなと思っています。バーキンはかっこいい持ち方をしている人は本当にかっこいい。自分で頑張って手に入れて、それを使い慣らしているというところに生き様を感じます。
Ameri 万能トラベルバッグ

F:最後はご自身のブランド、アメリのトラベルバッグです。
黒石:アメリで万能バッグをずっと作りたいという思いはあって、その思いを全て注ぎ込んでデザインしたのがこちらです。ママバッグではなく、トラベルバッグ。友人との共同出資でベビー服ブランドをスタートするので、ママバッグはそちらで作ろうかなと思っています。このトラベルバッグはポケットがいっぱいあって、それぞれティッシュケース、カフェラテなどを挿せるボトルホルダー、スリッパケースなどに分かれている点がポイント。底の部分にはゴミ入れまであります。機能性の高いバッグをこれまであまり持っていなかったんですが、これは旅行の際の機内持ち込みに最適。サイズも小さ過ぎず、大き過ぎず、助かっています。サンプルが5月に出来上がって、それ以来使い倒しています。
F:ママになって、服やバッグの選び方はこれまでと変わった部分もありますか?
黒石:それがあまり変わっていないんですよ。これまでのワードローブに不便を感じていません。まだ息子が1歳だから、これから外遊びが激しくなっていくと色々と制限が出てくるのかもしれないですけど。元々の自分の性格として、汚れてもあまり気にしないというのもあると思います。これからも気にせず汚していきます。



5月にサンプルが出来上がって以来愛用
F:ベビー服ブランドは2026年春のローンチを目指していますね。
黒石:具体的な発売日はまだ決まっていません。先にママになった友人たちから、「ベビー服を作って」とよく言われてきたんですが、その度に作らないって言い張っていました。子どもはすぐに大きくなるので、服にはあまりお金をかけたくないなとも生む前は思っていたんですよね。でも、いざ生まれると子どももベビー服もかわいいから、たくさん買っちゃう。「ジギー ザザ(ZIGGY ZAZA)」をはじめ、オーストラリアのベビー服がストリートテイストで可愛いものが多くて、片っ端からインスタをフォローしています。日本にはなんでこういう可愛いベビー服が少ないんだろうと思って、だったら自分で作ってみようかなと。久々に、自分でブランドの立ち上げをガッツリやりたいなという思いもあって、ローンチを決めました。
今年を振り返って

F:2025年のお買い物の振り返りをお願いします。
黒石:母親になって、自分のものより子どものアイテムを中心に見るようになったんですけど、その中でもピンポイントで買うべきモノは買った年でしたね。昔は好きなモノをとにかく買う、という感じだったんですが、30代後半以降、年々資産価値みたいなものを考えて買い物をするようになっています。とはいっても、単に値崩れしなければいいというのではなくて、自分に似合う価値のあるモノを選ぶようにしています。
F:この1〜2年は、結婚、妊娠、出産と人生のビッグイベントが続きました。
黒石:プライベートの変化も多かったですし、2024年はアメリの設立10周年という節目の年でもありました。それまでがむしゃらにやってきましたが、少し肩の荷が降りたというか。産休中に任せられることはスタッフに任せるようにして、復帰後もその仕事は引き続き任せています。仕事量としては産休に入る前よりも減らしていて、その余白でベビー服ブランドをはじめ、新しいことを考える時間にしています。忙しいと思考が止まってしまって、新しいことが考えられなくなってしまうので。
F:最後に、2026年の抱負を聞かせてください。
黒石:ベビー服ブランドも立ち上げますが、軸足のアメリを、外部も含めて色んな人に手伝ってもらいながらさらに成長させていきたいと思っています。今までは全部自分たちの力で、手探りでやってきたんですけど、我々だけの力では及ばない部分、例えばマーケティングなどは専門家の知見も取り入れていきたい。素人集団ががむしゃらに試行錯誤してここまで成長してきました。自分たちだけの力で会社を伸ばすということには一定の満足はした。いつも客観的に自分を見ているんですけど、会社として次のフェーズへ成長していくなら、自分たちだけの力に固執せず、外部のプロの知見も柔軟に取り入れていった方がいい局面かなと考えています。
◾️黒石奈央子
1986年生まれ、大阪府出身。2009年に立命館大学経営学部卒業。大手ガールズブランドでVMDを担当した後、2014年に独立してB STONE設立。同年、ショップ「アメリヴィンテージ」とオリジナルブランド「アメリ」をスタート。現在、実店舗は国内5店、中国・上海に1店。2025年秋に、アメリよりも若い世代に向けたウィメンズブランド「エルチェレ」を立ち上げた。1歳男児の母。
Instagram:@blackstone705
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