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【2026年4月22日追加】ジャーナリスト林信行氏によるコメントを追記しました。
アップル(Apple)が、現最高経営責任者(CEO)のティム・クック(Tim Cook)氏が同職を退任し、会長に就任する新人事を発表した。CEOの後任は長年にわたりハードウェア領域を率いてきたシニアバイスプレジデントのジョン・ターナス(John Ternus)氏が任命され、9月1日付で着任する予定だ。
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ティム・クック氏は1998年にAppleに入社。2011年に共同創業者のスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)氏の後任としてCEOに就任した。CEO在任期間としては歴代最長となる。在任期間中は「アップル ウォッチ(Apple Watch)」や「エアポッズ(AirPods)」、ゴーグル型XRヘッドセットデバイス「アップル ヴィジョン プロ(Apple Vision Pro)」といった新カテゴリーの確立に加え、iCloudからApple Pay、Apple TV、Apple Musicに至るまでのサービスを含む、数多くの製品・サービスの導入を指揮してきた。また、世界的な拠点を大幅に拡大し、直営店「Apple Store」の出店エリアを2倍以上に増加。時価総額は約3500億ドルから4兆ドルへと1000%以上上昇し、年間収益は2011会計年度の1080億ドルから2025会計年度には4160億ドル以上へと、ほぼ4倍に成長するなど、大きく貢献した。
ジョン・ターナス氏は、“スティーブ・ジョブズ時代”の2001年の入社以来、iPadやAirPodsといった新カテゴリーの創出やMacのAppleシリコンへの移行を主導し、技術革新とユーザー体験を融合させる手腕で社内外から厚い信頼を得るなど、25年にわたり同社の製品哲学をハードウェアの現場から支え続けてきた。2021年からハードウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントを務めている。
同社は、今回のCEO交代について「思慮深く長期的な後継者育成計画プロセスを経たもの」と説明。クック氏は「このような並外れた企業を率いるリーダーとして信頼を寄せられたことは、私の人生において最大の特権でした。私はアップルを心から愛しています。独創的で革新的、創造的で、深い思いやりを持つチームと共に働けたことに深く感謝しています。彼らは、お客様の生活を豊かにし、世界最高の製品とサービスを生み出すという献身において揺るぎない存在でした」とコメント。今後は円滑な移行のためにターナスと密接に協力しながら、CEOとしての役割を継続し、会長就任後は世界各国の政策立案者との連携を含む、特定の分野で会社をサポートしていく予定だという。ジョン・ターナス氏に関しては「エンジニアの頭脳、革新者の魂、そして誠実さと名誉を持って導く心を持っています。彼はビジョナリーであり、25年以上にわたるアップルへの貢献は数えきれないほどです。彼こそがアップルを未来へと導くのにふさわしい人物であることに疑いの余地はありません。彼の能力と人格をこれ以上ないほど確信しており、この移行期間、そして会長としての新しい役割においても、彼と密接に協力していくことを楽しみにしています」と期待を示している。
新CEOに就任するターナス氏は「アップルのミッションを継承するこの機会に心から感謝しています。キャリアのほぼすべてをアップルで過ごしてきた私は、スティーブ・ジョブズのもとで働き、ティム・クックをメンターに持てたことを幸運に思います」と意欲を述べ、「この役割を引き受けることに身が引き締まる思いであり、半世紀にわたってこの特別な場所を定義してきた価値観とヴィジョンを持ってリードすることを約束します」と続けた。
なお、過去15年間にわたり同社の非執行会長を務めてきたアーサー・レビンソン氏は、同日付で筆頭独立社外取締役に就任する予定。ターナスも同日付で取締役に就任する。
◆林信行氏「一人ひとりのユーザーに寄り添い能力を伸ばす補助輪のようなAI製品を出してくる時代になるのでは」
アップルを長年取材している識者は今回の人事をどう見るか。以下はスティーブ・ジョブズ時代からアップルを追い続けているジャーナリストの林信行(はやし のぶゆき)氏によるコメント。
ジョン・ターナス氏は、ハードウェアエンジニアリング担当とは言え、ただ機能や性能だけの技術を追う人ではなく、デザイン部門と密接に交わりながら美しいものづくりのために、どのように工夫できるかを重視してきた人です。iPhone Airの開発でも中心的な役割を果たしてきました。
アップルと他のスマートフォンメーカー、パソコンメーカーの違いは、経済合理性だけを追求せず、本当に良質なものを作るためには、どのような素材を使って、どのように設計・製造したらいいかを深められる点だと思っています。
ティム・クック氏がCEOを務めた15年強(実は復活後のジョブズ氏も15年ほどでした)は、ジョブズがレールを敷いたiPhone、iPad、Macをビジネス的に飛躍的に成功させつつ、Apple Watch、AirPods、Apple Vision Proといったウェアラブル製品を発表し、次の時代を切り開いていた時代でした。
ターナス氏の時代は、クック氏が切り開いたウェアラブル製品のビジネス的成功を進めつつ、いよいよやってくるAIの時代に、他のAI企業が提供しているような、サブスク料金をたくさん払っている人にだけ有利で、それ以外の人からは職業を奪う現在の生成AIに代わって、一人ひとりのユーザーに寄り添い能力を伸ばす補助輪のようなAI製品を出してくるのではないでしょうか。アップルは他の会社と異なり、常にハードとソフトを一体として考えてきました。おそらくAIを画面上だけの存在や、いつもどこかからユーザーを監視している不気味な存在ではなく、日常生活や仕事の中でしっかり存在感を感じさせてくれる形ある存在にしてくれるのではないかと期待しています。
最終更新日:


次期CEOのジョン・ターナス氏
Image by: Apple
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