

「チルドレン オブ ザ ディスコーダンス(Children of the discordance)」を手掛ける志鎌英明が中心メンバーの一人として活動する新レーベル「アイ スティル ヒア(AI STILL HERE)」が始動した。現在は都内でゲリラ的にTシャツをフリー配布する活動を行っているほか、6月下旬からはオリジナルグラフィックを用いたTシャツやフーディーなどを揃えたファーストコレクションを販売。一部セレクトショップで取り扱う。
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志鎌は、体調を崩したことをきっかけに2026年春夏コレクションをもってチルドレン オブ ザ ディスコーダンスを休止。しばらく第一線から離れ療養していたが、その間に体を動かさなくても制作できるグラフィックデザインに着手したという。新レーベルは、チルドレン オブ ザ ディスコーダンスのブランドイメージとは合わず、これまで協業を見送ってきた海外のアーティストや友人たちとのコラボレーションを実現させるための「受け皿」としての役割もある。志鎌は「個性がぶつかり合ってしまい、チルドレン オブ ザ ディスコーダンスのときは基本的に僕からのオファー以外はコラボをしてこなかった。療養期間に友人たちと話す中で『別のレーベルがあったら面白いかも』という話になった」と経緯を語る。
アイ スティル ヒアは、特定のデザイナーが率いるブランドではなく、レーベルという形態をとる。志鎌自身も「僕がリーダーではない」とし、編集やグラフィックデザインの一部を担う。志鎌のほか、ナポリ、ロサンゼルス、パリのアーティスト、日本を拠点にする音楽プロデューサーなど、国境を越えた6人の中心メンバーで構成。今後は更に、世界各地の仲間と連携を広げていく。
レーベル名は直訳すると「私はここにいる」で、アーティストが自身の存在や活動の痕跡を示す、という意思が込められている。また、「AI」にAI(アーティフィシャル・インテリジェンス)の意味はなく、愛情の「愛」や哀愁の「哀」など、様々な「アイ」という言葉にちなんでいるという。
アイテムリリースに先駆けて、パッキングしたTシャツを結束バンドを用いて公道に面した金網や柵、街路樹の支柱などに括り付け、ゲリラ的にフリー配布している。これまで配布場所に選んだのは、歌舞伎町と南青山。Tシャツを設置した写真をGoogleマップのスクリーンショットとともに公式Instagramで公開している。アイテムには、アイ スティル ヒア公式サイトにリンクするQRコードが付属。譲渡を目的とした配布行為であるほか、結束バンドを用いて固定しているため、不法投棄や器物破損にはあたらないという。この活動について志鎌は「チルドレンの顧客とは異なる層とつながることを目的にしている。欲しくても買うことができなかった昔の自分のような、世界中にいるであろう若い人たちに服を届けたい」と話す。フリー配布しているTシャツは、ファーストコレクション発売に先駆けて公式オンラインストアで販売しており、価格はコレクションアイテムの1/3程の6000円。


フリー配布しているTシャツ
ファーストコレクションは、Tシャツ、ロングスリーブTシャツ、フーディー、スウェットなど、プリントアイテムを中心に約30型を用意。特にプリント技術にこだわっており、インクジェットは用いず、全てシルクスクリーンで製作。ヴィンテージのTシャツに見られるクラック(ひび割れ)加工を施した上からフロッキープリントを重ねるなど、複雑な手法を多用する。ボディは既製品を使用しつつも、強い洗いをかけることで古着のような風合いを実現した。サイズ感はチルドレン オブ ザ ディスコーダンスよりもコンパクトで、ユニセックスでの着用を想定している。価格帯はTシャツが1万5400〜1万9800円、ロングスリーブTシャツが1万8700〜1万9800円、スウェットシャツが2万3100〜2万6400円、キャップが1万2100〜1万4300円。



同レーベルの活動はアパレルのみに留まらない。今後はアート作品の発表も視野に入れるほか、傘下の音楽レーベルとして「バーテックスレコーズ(VERTEX RECORDS)」を立ち上げる。7月頃から、ヒップホップアーティストの楽曲をApple MusicやSpotifyといったプラットフォームで配信する予定で、楽曲と連動させたマーチャンダイズの販売も計画している。志鎌は「レーベルの夢の一つは、所属アーティストで武道館を貸し切ってライブをすること。100万回再生以上のヒット曲を40曲くらい出せれば、不可能な目標ではない。本気で目指している」と展望を明かした。
最終更新日:
■AI STILL HERE:公式Instagram
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