ウォルマート店内に150店舗 「ダンキン」の”ついで買い”戦略

ウォルマートが富裕層エリアに展開する最新鋭スーパーセンター「未来の店舗」内にオープンしたダンキン。大型カートを押したままスムーズに立ち寄れるオープンな店構えで、日用品の買い物とカフェタイムをシームレスに繋ぐ「最強のついで買い」空間となっている。

ウォルマートが富裕層エリアに展開する最新鋭スーパーセンター「未来の店舗」内にオープンしたダンキン。大型カートを押したままスムーズに立ち寄れるオープンな店構えで、日用品の買い物とカフェタイムをシームレスに繋ぐ「最強のついで買い」空間となっている。

ウォルマートが富裕層エリアに展開する最新鋭スーパーセンター「未来の店舗」内にオープンしたダンキン。大型カートを押したままスムーズに立ち寄れるオープンな店構えで、日用品の買い物とカフェタイムをシームレスに繋ぐ「最強のついで買い」空間となっている。

ウォルマート店内のダンキン展開が150店舗に到達
ウォルマートとコーヒー・ドーナツチェーン大手のダンキン(Dunkin')の提携が大きな節目を迎えた。
ジョージア州オークウッド(Oakwood)の店舗に、ウォルマート店内テナントとして150店舗目となるダンキンがオープンしたのだ。
この出店は単なるテナントの増加を意味するのではない。日用品や食料品の買い出しと同時に、朝のコーヒーや軽食のニーズを一つの場所で満たすという「ワンストップ・ショッピング」の利便性を極限まで高める戦略の一環である。
ウォルマートは顧客の時間を節約することを至上命題としており、日常的な習慣であるコーヒーチェーンの導入は、来店頻度を劇的に向上させる強力なマグネットとして機能している。
富裕層を狙う「未来の店舗」で増すダンキンの存在感
特筆すべきは、ウォルマートが現在全米で推進している次世代型スーパーセンター「未来の店舗(Store of the Future)」におけるダンキンの位置づけである。
テキサス州サイプレス(Cypress)に新設された店舗や、カリフォルニア州イーストベール(Eastvale)にオープンした17万平方フィート(約4,800坪)の巨大最新店舗には、ダンキンが戦略的に配置されている。
特にイーストベールは、世帯年収の中央値が16万1322ドル(約2,420万円)にも達する新興住宅地だ。
インフレ下において節約志向を高める高所得者層を取り込むため、ウォルマートは店内調理の寿司ステーションや高級プライベートブランドを導入し、客層を大きく変化させつつある。
こうした「食のアップスケール化」が進む最新鋭の店舗において、買い物ついでに立ち寄れるダンキンの存在感はかつてないほど高まっているのだ。
店内テナントのサブウェイから最短30分で宅配スタート
さらに見逃せないのが、ウォルマートが仕掛ける店内レストランのデジタル統合である。
直近の動向として、ウォルマートは店内テナントであるサブウェイ(Subway)のサンドイッチを、食料品や日用品と一緒に最短30分で配達するサービスを開始した。
これは単独でのフードデリバリーにとどまらず、日用品の買い物カートに出来立ての食事を追加させるという画期的な試みだ。
自社の巨大なエコシステムと配送網を活用し、ウーバーイーツやドアダッシュといった専業プラットフォームを脅かすシームレスな購買体験を提供し始めている。
ターゲットのスターバックス展開に追随するカーブサイド出前の可能性
このサブウェイの事例を踏まえれば、ウォルマートが次に打つ手は容易に想像がつく。
競合のターゲットは、カーブサイド・ピックアップである「ドライブアップ(Drive-Up)」の利用客に対し、店内のスターバックスで淹れたフラペチーノ等を車まで同時に届けるサービスを約1,700店舗に拡大して大成功を収めている。
ウォルマートも近い将来、ネットで注文した日用品を車で受け取るカーブサイド・ピックアップの際に、(ピックアップ客でモバイルオーダーしたお客に対して)店内のダンキンで淹れたコーヒーやドーナツを一緒に出前するサービスを展開する可能性が極めて高い。
ウォルマートのアプリから店舗周辺5マイル(約8キロメートル)の顧客へ日用品と同時に宅配するだけでなく、駐車場で待つ顧客の車へ直接デリバリーすることで、買い物の利便性は別次元へと昇華される。
富裕層を取り込む最新の店舗設計と、圧倒的なスピードを誇るラストワンマイルの統合により、ウォルマートとダンキンの提携はアメリカの小売業界における最強の「ついで買い」インフラへと進化しようとしている。
日本では今、ミスタードーナツの「もっちゅりん」が大旋風を巻き起こしていますね。
早朝から行列ができたり、ネット予約が殺到してサーバーが繋がりにくくなったりと、人気アーティストのプラチナチケット争奪戦を思わせる熱狂ぶりです。
一方、アメリカのドーナツ界の巨人といえば「ダンキン」ですが、実は2019年から店名から「ドーナツ」を外し、単なる「Dunkin'」へと生まれ変わりました。
健康志向の高まりによるドーナツ離れという消費者トレンドに対応し、コーヒーなどの飲料を主軸にするブランドへと大きく舵を切るためです。
主力商品であるドーナツを店名から外すなんて、寿司屋が看板から「寿司」の文字を下ろすような思い切った決断ですよね。
そんなダンキンですが、もしウォルマートのカーブサイド・ピックアップで、日用品と一緒に車まで出前してくれるサービスが始まれば、間違いなく利用したいですね。
小腹を満たすドーナツがメニューにある分、ターゲットが展開しているスタバのドライブアップ出前よりも、逆に気取らずサクッと頼みやすいという強みがあります。
私も駐車場で待機中、ついコーヒーとドーナツを追加注文してしまいそうです。
ただ、あまりの便利さに買い物のたびにドーナツを食べていたら、私のお腹周りまで見事な”もっちゅりん”になってしまうかもしれません(笑)。
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