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「マリメッコ」10年ぶりの展覧会が東京に巡回 プリントが持つ力強い魅力を発信

文・橋本知佳子

Video by: FASHIONSNAP

文・橋本知佳子

 「マリメッコ(Marimekko)」が、展覧会「マリメッコ展 模様のちから」を東京都庭園美術館で開催する。会期は10月3日から12月20日まで。今年7月にブランド10年ぶりの展覧会として京都文化博物館で開催されたもので、東京での会期後は約2年間をかけて全国を巡回する。開催に先駆けて、メディア向けに内覧会が開催された。

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プリントは「対話」を生むプロダクト

 フィンランドを代表するデザインハウスのマリメッコは、1951年に創業。これまでに3500種類以上のプリント・デザインを開発し、鮮やかな色彩と大胆な模様を駆使して、ファッションからインテリア、テーブルウェア、日常の小物に至るまで、生活を彩る多様なプロダクトを発表してきた。

 同展では、さまざまな年代の貴重なドレスやファブリック、制作過程を紹介する展示を通じて、マリメッコの美学と創造の背景を掘り下げる。会場では、ものづくりの中核をなすヘルシンキのプリントファクトリーの現場をアートユニット plaplaxによる映像インスタレーションで表現するほか、ゲストデザイナーである「ミナ ペルホネン(minä perhonen)」の皆川明による作品も発表する。舞台となる東京都庭園美術館の旧朝香宮邸は、1930年代フランスのアール・デコ装飾を基調とし、日本の意匠が随所に散りばめられた空間。模様が生活の一部として施された建築の中で、色とかたちがもたらす「模様のちから」にフォーカスを当てる。

 マリメッコのホーム&プリンツ デザインディレクターのミンナ・ケメル=クトゥヴォネン(Minna Kemell-Kutvonen)は、「プリントは、単なる表面的な装飾ではなくダイアローグ(対話)を持ってそこに存在しています。今回の展示は、そうしたプリントの持つ力を感じていただけるイマーシブ(没入型)空間に仕上げました」とコメント。クリエイティブディレクターのレベッカ・ベイ(Rebekka Bay)は、「マリメッコのクリエイションに宿るさまざまな対話、そしてプリントが場所やアーティストと対話するユニークな空間を楽しんでほしい」と話した。

ミンナ・ケメル=クトゥヴォネン

 ゲストデザイナーの皆川は「お声掛けいただいた時、19歳の頃初めてフィンランドのマリメッコを訪れた日のことが思い出されとても嬉しかった。展覧会を通して、世界中にそのデザインヘリテージを伝えているマリメッコの素晴らしさを実感できると思う」と語った。plaplaxの近森基は、マリメッコの本社を見学した際に併設しているアウトレットストアで購入したデッドストック生地で仕立てた服を着て登場。昨日フィンエアー(航空会社)を利用してアイスランドから帰国したばかりだという、図録やポスターなどのグラフィックデザインを担当したデザイナー 田部井美奈は、機内のブランケットやツール類がマリメッコのデザインだったことに触れ「プリントに包まれるだけで、13時間のフライト体験が別物のように感じ、模様の力を実感した」と明かした。なお、東京会場のポスターは京都のものから色が変更されている。

皆川明

近森基

田部井美奈

多彩なドレスとプリントで、時代を超える意匠の力に触れる

 会場では、ヘルシンキ建築デザインミュージアムとマリメッコから、1960年代から現代までの各時代を象徴する貴重なドレスを60点以上をまとめて紹介する。時代を超えたコレクションが一堂に会する機会は日本ではとても稀少だという。

 展示空間では、あえて作品を年代順に並べず、色やパターンなどデザインを起点にゆるやかにグルーピングしている。1960年代のデザインと現代のデザインを並べても時代の差を感じさせず、マリメッコのデザインのタイムレスな魅力を体感することができる。

 同展を担当した学芸員は「空間全体でその色褪せないデザインや色彩の魅力を感じると同時に、近くでよく観察すると、デザイナーの筆の揺らぎや不規則な形をそのまま表情豊かに表現する職人の高い技術力が伝わってくる。1点ずつその繊細なプリントにも注目してほしい」とコメントした。

 本館の旧朝香宮邸では、各所のカーテンファブリックをマリメッコ仕様に変更。生活の中でマリメッコのデザインが息づいている様子を表現した。

1970年代に活躍した日本人デザイナー 石本藤雄が手掛けたデザイン「サラヴァ」

 皆川は、大きなテキスタイルの輪をチェーンのように連ね、時代を超えて受け継がれるマリメッコの思想と理念を表現。

 新館では、映像作品を中心に、ブランドのクラフトマンシップの原点に触れることができる作品を展示する。

 会期中ミュージアムショップでは、同展オリジナルデザインのトートバッグやポスター、マスキングテープ、クーピー、オリジナルティー、ようかん、扇子などを販売。バッグや食器といったマリメッコ商品も取り扱う。併設のカフェではコラボメニューを提供。そのほか、会期中は夜間会館やワークショップなどのイベント開催も予定している。

最終更新日:

◾️マリメッコ展 模様のちから
期間:2026年10月3日(土)〜12月20日(日)
開館時間:10:00〜18:00 ※夜間営業日を除く ※入館は閉館の30分前まで
会場:東京都庭園美術館 本館+新館
観覧料:一般1400円、大学生(専修・各種専門学校含む)1120円、高校生・65歳以上(700円)、中学生以下無料

文・橋本知佳子

Chikako Hashimoto

FASHIONSNAP 編集記者

東京都出身。映画「下妻物語」、雑誌「装苑」「Zipper」の影響でファッションやものづくりに関心を持ち、武蔵野美術大学でテキスタイルを専攻。大手印刷会社の企画職を経て、2023年に株式会社レコオーランドに入社。ファッション小物・アクセサリー、繊維企業を中心に取材。

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