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2026年秋冬メンズでバイヤーは何を買い付ける? 有力ショップ7社に聞いた

2026年秋冬コレクションのルック画像を使用したコラージュ

左からサカイ、ドリス ヴァン ノッテン、シュタイン

Image by: ©Launchmetrics Spotlight/FASHIONSNAP(Koji Hirano)

2026年秋冬コレクションのルック画像を使用したコラージュ

左からサカイ、ドリス ヴァン ノッテン、シュタイン

Image by: ©Launchmetrics Spotlight/FASHIONSNAP(Koji Hirano)

2026年秋冬コレクションのルック画像を使用したコラージュ

左からサカイ、ドリス ヴァン ノッテン、シュタイン

Image by: ©Launchmetrics Spotlight/FASHIONSNAP(Koji Hirano)

 2026年秋冬メンズコレクションが、ミラノやパリなど各都市で1月に発表。37年間にわたり「エルメス(HERMÈS)」のメンズ部門を手掛けてきたヴェロニク・ニシャニアン(Véronique Nichanian)のラストコレクションなど、各都市で話題のショーが相次いだ。中でもバイヤーの注目を集めたブランドはどこか。FASHIONSNAPでは前シーズンに引き続き、国内有力ショップのバイヤーにアンケートを実施。2026年秋冬メンズコレクションのトレンドや、買い付け予定のブランド・アイテムなどを調査した。

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アンケートに回答してもらったバイヤー

インターナショナルギャラリー ビームス バイヤー

井上透

Toru Inoue

2016年入社。BEAMS原宿でカジュアル、BEAMS六本木でドレスを担当し、International Gallery BEAMSで販売スタッフを経て現職。

伊勢丹新宿店 メンズクリエイターズ2 バイヤー

椋田暁

Akira Mukuta

2018年三越伊勢丹に入社。伊勢丹新宿店メンズ館 メンズクリエーターズで販売・バイヤー業務に従事し、2024年から現担当の伊勢丹新宿店 メンズクリエイターズ2 バイヤーに就任。

ユナイテッドアローズ Director/Buyer

内山省治

Shoji Uchiyama

1997年ユナイテッドアローズに入社。原宿本店でセールスパーソンを10年間務めた後、2007年よりバイヤーに。メンズ全体のバイイングを統括し、イギリス、フランス、イタリア、スペイン、アメリカ、アフリカなど、世界中を飛び回っている。

スーパー エー マーケット バイヤー

磯久純一

Junichi Isohisa

トゥモローランドに2014年に新卒入社。TOMORROWLAND、Edition、SUPER dot MARKET、SUPER A MARKETの販売員を経て、2024年より店頭に立ちながらバイイングを担当。

アマノジャク バイヤー

小山逸生

Issei Koyama

1989年、神奈川県生まれ。大学中退後、セレクトショップ、国内デザイナーズブランド勤務を経て、2018年にアマノジャクをオープン。現在、東京の北千住と千駄木の2店舗を運営。「東京ファッションアワード」審査員、ピッティのゲストバイヤー等を務める。

リステア メンズウェアバイヤー & Eコマースマネージャー

浅野康行

Yasuyuki Asano

大学卒業後、ロンドン留学時よりセールスアソシエイトやファッションライターとして活動。2013年にソーホーのコンセプトストア MACHINE-Aのローンチ時よりアシスタントバイヤーとして参加。2015年に帰国後、原宿のGR8での勤務を経て2017年にRESTIR入社。現在はメンズに関するバイイングや企画とEコマースのマネージャーを兼任。

エストネーション 商品部メンズバイヤー

川本純也

Junya Kawamoto

エストネーション銀座店、六本木ヒルズ店でスタッフとしてキャリアを重ねる。20代でエストネーションのバイヤーに就任。

2026年秋冬メンズのバイイングの軸は?

  • インターナショナルギャラリー ビームス 井上透 :軸という特定のアイテムはないものの、コートは提案していきたいと考えてます。
  • 伊勢丹新宿店 椋田暁:モノとしての価値、ブランドやデザイナー自体が持つ力、トレンドと普遍性のバランス、商品の価格を総合的に判断し、店頭に足を運んでくださるお客さまに合わせて、幅広い提案と納得感のある説明ができるかどうかを重視しています。
  • ユナイテッドアローズ 内山省治:アウター、ジャケット——気候や生活スタイルの変化が著しい現在において、実用性あるアイテムが重要であることに変わりはないが、一方で装う楽しさにも改めて焦点を当てていきたいと考えています。特にロングコートやレザーアウター、そしてジャケットがそれらの主役になっていくと考えています。
  • スーパー エー マーケット 磯久純一:円安ということもありインポートの洋服が買いづらくなっているとは感じますが、その中でもどうしても買いたいと思っていただけるもの、パワーのある服を軸にバイイング予定です。
  • アマノジャク 小山逸生:引き続き“ステイプル”をキーワードに買い付けを進めています。各ブランドならではのコアスタイル、アマノジャクらしいコアスタイルの提案を進めていくつもりです。
  • リステア 浅野康行:ブランドのジャンルやカテゴリを問わず、タイムレスなワードローブとシャープネス。その融合。
  • エストネーション 商品部メンズ バイヤー 川本純也:テーラードジャケット、アウターアイテム。

 買い付け判断の軸に共通しているのは、「ステイプル=必需品」や「タイムレスなワードローブ」といった普遍性を重視する姿勢だ。各ブランドならではのコアスタイルや、トレンドと普遍性のバランス、モノとしての価値を総合的に見極めながら、円安市況を踏まえつつ納得感のある提案ができるかを重視している。

2026年秋冬メンズで一番良かったブランド

DRIES VAN NOTEN 2026年秋冬メンズ
DRIES VAN NOTEN 2026年秋冬メンズ
IM MEN 2026年秋冬メンズ
Yohji Yamamoto POUR HOMME 2026年秋冬メンズ
Yohji Yamamoto POUR HOMME 2026年秋冬メンズ

DRIES VAN NOTEN 2026年秋冬メンズ

Image by: ©Launchmetrics Spotlight

 展示会やショールームで発表したブランドを含めて「一番良かったブランド」については、前シーズンに引き続きドリス ヴァン ノッテンの回答が頻出。ブランドのレガシーを受け継ぎながら新たなエレガンスを表現したクリエイティブ・ディレクターのジュリアン・クロスナー(Julian Klausner)に支持が集まった。このほか、サカイやヨウジヤマモト プールオムなどが挙がった。

2026年秋冬メンズで一番良かったショーとその理由

sacai 2026年秋冬メンズ
sacai 2026年秋冬メンズ
TAAKK 2026秋冬メンズ
TAAKK 2026秋冬メンズ
SETCHU 2026秋冬メンズ
SETCHU 2026秋冬メンズ
SSSTEIN 2026年秋冬メンズ

sacai 2026年秋冬メンズ

Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)

  • インターナショナルギャラリー ビームス 井上透:「シュタイン(ssstein)」——ビビッドな差し色や、モデルが歩いたときの生地の動きなど、全体的にエレガントで良かったです。ブラウンスエードのシューズなど、要所で温かみを感じられる点も良かったです。
  • 伊勢丹新宿店 椋田暁:「サカイ(sacai)」——まず会場の装飾やシート配置からどんなショーになるのかと高揚感が高まりました。ショー自体も、フレディー・マーキュリーの力強い歌声で一気に会場のボルテージが高まり、その後はメンズ・レディースそれぞれでエレガントなスタイルからカジュアルなスタイルまで、幅広く提案されていました。メディアやバイヤーのみならず画面越しのお客さまが欲しいルックやアイテムが見つけられる、素晴らしいショーだったと感じました。
  • ユナイテッドアローズ 内山省治:「セッチュウ(SETCHU)」——デザイナー桑田氏自らの説明とランウェイが融合した、ブランドらしさ全開でよかった。
  • スーパー エー マーケット 磯久純一:「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」——新デザイナー2度目のメンズのショーでした。今回もルックに出てくる服はもちろんのこと、音楽の選曲、ショーの構成がとても良かったです。
  • アマノジャク 小山逸生:「ターク(TAAKK)」——これまでの数シーズン向き合ってきていたモノづくりの深度を土台に、ここに来てアウトプットのアイデアを広げ、昇華してきた印象で素晴らしかったです。
  • リステア 浅野康行:「サカイ(sacai)」——昔を思い出すようなエッジがありつつ、今回も新たなシルエットや提案がたくさん。
  • エストネーション 川本純也:「ルメール(LEMAIRE)」——単なるファッションショーではなく、演劇や舞台芸術のような体験型プレゼンテーションとして表現され、ランウェイ形式を離れた演出は非常に印象に残りました。

 ショーを開催したブランドの中では、日本人デザイナーが存在感を示した。メンズ・ウィメンズともにエレガンスからカジュアルまで幅広い提案を見せたサカイを筆頭に、桑田悟史デザイナー自らコレクションについてプレゼンしたセッチュウなど。ルメールならではの、従来の形式にとらわれないスタイルも印象を残した。

2026年秋冬メンズで買い付けたいブランドとアイテム

ルック画像
ルック画像
アイテム画像
アイテム画像
ルック画像
アイテム画像
アイテム画像

「シュタイン(SSSTEIN)」ジャケット

Image by: ©Launchmetrics Spotlight

  • インターナショナルギャラリー ビームス 井上透:「ジーゲンタラー(SIEGENTHALER)」 ジャケット、コート、チャップス
  • 伊勢丹新宿店 椋田暁:「ジョンキム(JIYONG KIM)」 × 「ランスミーア(LANSMERE)」、「ゼニア(ZEGNA)」のアルパカ・ウール混生地のハイネックカラーコート
  • ユナイテッドアローズ 内山省治:「ヘド メイナー(HED MAYNER)」ライダースジャケット
  • スーパー エー マーケット 磯久純一:「ナマチェコ(NAMACHEKO)」 ツイードアウター
  • アマノジャク 小山逸生:「ジギーチェン(Ziggy Chen)」レザーボンバー——生地で魅せてきた彼らが約10年ぶりに生み出したレザージャケットは必見
  • リステア 浅野康行:「サカイ(sacai)」レザーとレイヤード風のパンツ、「シュタイン(ssstein)」高級感を備えつつ軽やかなウールのコートやジャケット
  • エストネーション 川本純也:「SIRE」テーラードジャケット、レザー、ニット

 買い付けのポイントになりそうなアイテムはアウターに集中。ヴィンテージライクなレザーのボンバージャケットからクラシカルなツイードのジャケットまで、スタイルは幅広い。前シーズンから引き続きドレス回帰のムードは顕著で、高級感と軽さは重要なキーワードになりそうだ。

2026年秋冬メンズで気になったトレンド

LOUIS VUITTON 2026年秋冬メンズ

LOUIS VUITTON 2026年秋冬メンズ

Image by: ©Launchmetrics Spotlight

PRADA 2026年秋冬メンズ

PRADA 2026年秋冬メンズ

Image by: ©Launchmetrics Spotlight

sacai 2026年秋冬メンズ

sacai 2026年秋冬メンズ

Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)

  • インターナショナルギャラリー ビームス 井上透:色で言うと赤。ロングブーツ。
  • 伊勢丹新宿店 椋田暁:引き続きレザーやカシミヤなど、わかりやすくラグジュアリーな素材が目立ちますが、あえて表面ではなく裏面に用いるなどの「さりげなさの演出」に注目しています。アイテムとしてはフリースも非常に多かったですが、それもデイリーな装いの中に高品質の素材を違和感なく溶け込ませる手法の一つだと思っています。
  • ユナイテッドアローズ 内山省治:ロングコートを中心に、レザーウェアやジャケットなど、エレガントさや存在感のあるアイテムが気になります。上品かつ正統的なスタイリングで装うことは勿論ですが、異なるテイストのアイテムや色、柄を積極的に取り入れた、遊び心あるスタイリングを楽しみたいシーズンになると感じています。
  • スーパー エー マーケット 磯久純一:トラッド、オーセンティックをモダンに昇華させる。英国調の素材に対してカラーリングや加工などで表情を作ったり、オーセンティックなアイテムをリバーシブルや2wayなどでモダンに仕上げたりするブランドを多く見ました。ブランドによっては細身の提案もあり、シルエットの変化のタイミングが近づいているようにも感じます。クワイエットラグジュアリーからファッションを楽しもうという流れが来ているように感じました。
  • アマノジャク 小山逸生:テーラードのセットアップ。25年秋冬から気になりだしていたが、今季のショーを見ると明らかに提案が増えていて、盛り上がりそう。
  • リステア 浅野康行:レザー、カシミヤなど価値が伝わりやすい素材。
  • エストネーション 川本純也:カラーはパステル(ミントグリーン、淡いブルー)、深みのある赤、紫、マスタード。クラシックなネイビーやチャコールも気になる。アイテムはチェスターコート、上質なウール、レザー、ニットなど。

 気になったトレンドとして複数のバイヤーが挙げたのは、テーラードのセットアップやロングコートといった王道アイテムの存在感だ。レザーやカシミヤなど価値が伝わりやすい素材は引き続き主役になりそう。モダンに昇華させるテクニックとして、英国調の素材にカラーや加工、異素材ミックスなどのアイデアをのせた提案が増えている。細身シルエットへの変化にも注目が集まった。

2026年秋冬メンズで目立ったニューカマー

SOSHIOTSUKI 2026年秋冬メンズ

SOSHIOTSUKI 2026年秋冬メンズ

Image by: ©Launchmetrics Spotlight

SSSTEIN 2026年秋冬メンズ

ssstein 2026年秋冬メンズ

Image by: ©Launchmetrics Spotlight

HED MAYNER 2026年秋冬メンズ

HED MAYNER 2026年秋冬メンズ

Image by: ©Launchmetrics Spotlight

  • エストネーション 川本純也:「BOZO」「ROMAN PELL」「ANIPS」

 新進系ブランドでは、LVMHプライズ2025でグランプリを受賞し今季ピッティでショーを披露したソウシオオツキや、パリで3度目となるランウェイショーを発表したシュタインなどが挙がり、ここでも日本人デザイナーの注目度がうかがえる。そのほかベルギー・アントワープ出身のマティア・ヴァン・セヴェレンを挙げるバイヤーも。

2026年秋冬メンズで初めて買い付ける予定のブランド

ANN DEMEULEMEESTER 2026年プレフォール
ANN DEMEULEMEESTER 2026年プレフォール
SIEGENTHALER 2026年秋冬メンズ
SIEGENTHALER 2026年秋冬メンズ

ANN DEMEULEMEESTER 2026年プレフォール

Image by: ANN DEMEULEMEESTER

  • インターナショナルギャラリー ビームス 井上透:「ジーゲンタラー(SIEGENTHALER)」、「ウィン・ハムリン(WYNN HAMLYN)」
  • ユナイテッドアローズ 内山省治:「トーテム(TOTEME)」
  • スーパー エー マーケット 磯久純一:「ワーキング(WORKING)」——Tender co.のWilliamとMassimo Osti Studio出身のRobertの2人によるブランド。
  • アマノジャク 小山逸生:「アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)」——良くなっており、機運が高まっている気がしている。
  • リステア 浅野康行:「アー・ペー・セー(A.P.C.)」「エクストリーム カシミヤ(EXTREME CASHMERE)」
  • エストネーション 川本純也:「SIRE」「SENA」

 ブランドとして初めてプレコレクションを発表したアン ドゥムルメステール。クリエイティブ・ディレクターのステファノ・ガリーチ(Stefano Gallici)の手腕により若年層の顧客が増えており、今回のアンケートでも期待が寄せられた。このほか、スウェーデン発ブランドのトーテムやジョゼフ出身の2人が立ち上げたエクストリーム カシミヤ、ジーゲンタラーなどが候補に。

既存でバジェットが増えそうなブランド

Junya Watanabe 2026年秋冬メンズ
Junya Watanabe 2026年秋冬メンズ
OUR LEGACY 2026年秋冬メンズ
LEMAIRE 2026年秋冬メンズ

JUNYA WATANABE MAN 2026年秋冬メンズ

Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)

 ルメールやアワー レガシーといった上質な、ベーシックを追求するアフォーダブル・ラグジュアリーブランドが強化ブランドとして浮上。ほか、洗練されたドレススタイルを提案したジュンヤ ワタナベ マンにも期待の声が挙がった。

日本で売れそうだと思うブランドとその理由

  • インターナショナルギャラリー ビームス 井上透:インポートブランドは為替の影響もあり、日本市場では軒並み高価格になっているため、厳しい状況にあると感じます。一方で、日本ブランドは世界市場でより活躍できる可能性があると感じています。
  • スーパー エー マーケット 磯久純一:「ベルナー・キュール(Berner Kühl)」——北欧系ブランドで値段とミニマルなデザインが良く売れそうに感じました。
  • アマノジャク 小山逸生:「ニコロ・パスカレッティ(Niccolò Pasqualetti)」——「ザ・ロウ(The Row)」「ロエベ(LOEWE)」で培った確かな美意識と程よくリラックスしたスタイルメイクは、日本人に受け入れられそう。
  • エストネーション 川本純也:「ワイス(WYTHE)」——私物としても所有しておりますが、古き良きアメリカの背景を感じさせつつ、ヴィンテージにはないバランス感で着用できる点が魅力のアイテムが多いと感じております。

 各社のバイイングに限らず日本市場で伸びそうなブランドとして、デンマーク出身デザイナーが手掛ける高品質の素材とミニマルなデザインが特徴のベルナー・キュールや、ニューヨーク発ワイスなどが挙がった。また、ここでも日本ブランドへの期待が寄せられた。

2026年秋冬メンズコレクション・トレンド特集

最終更新日:

一井智香子

Chikako Ichinoi

1986年神奈川生まれ。慶應義塾大学商学部を卒業後、三越伊勢丹に入社。伊勢丹新宿本店メンズ館の紳士雑貨でアシスタントバイヤーを務めた後、2011年にINFASパブリケーションズ入社。「WWDジャパン」記者として、主にメンズファッションを担当。ピッティ、ミラノ、パリメンズコレクション取材を始め、セレクトショップや百貨店、ファッションビルのビジネス動向を取材。現在はフリーランスとして、ファッションやライフスタイル系の記事執筆を手がける。男児と女児の母。

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