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Fashion フォーカス

地球最後の大市場アフリカにおけるファッションの今

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 アフリカでファッションの可能性が芽吹いてる。2000年以降にラグジュアリーブランドの進出が相次ぎ、各地ではファッションショーが開催されるようになった。地球最後の巨大市場と言われるアフリカにおけるファッションの動向を追う。

経済成長と共に欧米ブランドが進出

 アフリカ経済が急成長したのは2000年代前半に入ってからのことで、同時期に世界的なラグジュアリーブランドがアフリカ進出に踏み出した。モロッコのカサブランカには2000年に「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」がアフリカ初の店舗をオープンし、04年には「ディオール(Dior)」が進出。南アフリカには07年にルイ・ヴィトンが、08年には「グッチ(Gucci)」が店舗を構えた。その後を追うように「H&M」や「ザラ(ZARA)」といったファストファッションが進出するなど、相次いで欧米ブランドが市場を開拓している。

 経済成長を裏付けるのが富裕層の増加だ。アフラシア銀行が2017年4月に発表したレポート「Africa Wealth Report 2017」によると、アフリカの富裕層(約1億円以上の投資可能資産を所有)は約14万5,000人とされ、その数は2026年までに36%増加して19万8,000人になる見込み。富裕層の増加傾向により、ラグジュアリーファッション市場の拡大も予想されている。

各地のファッションウィークが育む新たな才能

 内側からも変化が起きている。アフリカの都市部でファッションウィークが開催され、現地の文化を反映させた新たなファッションが生まれ始めた。1997年から南アフリカで開催されている「サウス アフリカン ファッション ウィーク(South African Fashion Week)」は、ファッションショーだけではなくショッピングモールでポップアップストアを主催するなど、クリエイションと消費者を繋げる場というデザイナーたちにとって貴重な機会を提供。若手デザイナーの支援にも力を入れており、南アフリカの学生を対象にしたファッションデザインコンテストを主催している。

 ナイジェリアのラゴスで2011年に開始した「ラゴス・ファッション&デザインウィーク(Lagos Fashion & Design Week)」は、消費者も参加できるショーの他、ワークショップや講演会も開催。ナイジェリアにおけるファッション業界の発展を支えている。

Taibo Bacar AW'17 画像:Industrie Africa

 今年5月にアフリカで初となるデジタルショールームとして設立された「Industrie Africa」の創業者の1人ニーシャ・カナバー(Nisha Kanabar)は、アフリカのファッションウィークについて「デザイナーたちにとって素晴らしいプラットフォームとなっています。特にナイジェリアや南アフリカ、ケニアでは、小売の販売網の拡大や業界を支援する組織なども増え始め、人々がファッション業界の成長に期待するようになってきています」と捉えている。また80人以上のデザイナーを抱えるショールームとしての立場から「新しい才能も台頭しています。彼らは世界のトレンドを汲み取りながらも、それぞれ自国の伝統やストーリーをデザインに落とし込んでいます」とし、アフリカの地ならではのファッションが生まれていると話す。

アフリカファッションの未来

 今後のファッション市場の鍵となるのがEコマースの成長だ。マッキンゼー・アンド・カンパニー(Mckinsey & Company)の調査によると、アフリカ全体でのインターネット利用者は2013年時点で1億6,700万人だったが、2025年には6億人以上にのぼり人口の約半数がインターネットを利用するようになるという。さらに、Eコマースの年間の売り上げが2025年までに750億ドル(約8兆2,800億円)に拡大すると予想している。

 2012年にはアフリカ版アマゾンと言われる「Jumia」がローンチし、現在はナイジェリアを拠点に13カ国で展開している。アフリカで作られた素材や職人を起用したブランドのアイテムを海外にも販売している「Kisua」や、1,000以上のファッションブランドを取り扱う「Zando」など、ファッションに特化したECサイトも知名度を高めつつある。

 「Industrie Africa」のカナバーは「インターネットはブランドの物語を伝えるのに必要不可欠です」とし、デジタルショールームの役目を強調する。「世界とアフリカのデザイナーとの関係を築き、成長を手助けしていきたい」。

Anyango Mpinga, Literary Disenthrallment, 2018 画像:Industrie Africa

 可能性の芽が伸び始めたアフリカファッションだが、一方で課題もある。「世界から過小評価されているとも感じる」というカナバーは、その理由として「インフラ設備や流通網が十分でなく、小売や生産サイクルなどが機能する環境が整っていないことが多い」と指摘。しかし現在人口の60%が25歳以下というアフリカは、労働人口の増加に伴う経済成長によりインフラの改善も十分に考えられる。デザイナーやブランドの成長だけではなく、それらのクリエイションを支える環境の改善が、アフリカファッションの今後に影響していくことだろう。

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