
Image by: FASHIONSNAP
俳優として活動する傍ら、農業にも本格的に取り組む工藤阿須加さん。その本格っぷりはに畑を借りて、年間約15種類の野菜を栽培し、県内のスーパーマーケットに自身が育てた野菜を出荷するほどです。FASHIONSNAPでは、多い時は月の半分を畑で過ごすという彼がモデルを務める「アシックス(ASICS)」のファッションシューティングに密着。自身が営む畑で農家として、また俳優としての二足の草鞋を履くに至った「4つの出会い」について聞きました。

工藤阿須加と農業の出会い
自ら畑に出て野菜を作る工藤さんは「おいしさを共有できるのが、僕の中での農業の魅力」と話します。農業との最初の出会いを尋ねると、元アスリートの父を持つ幼少期の食卓風景について教えてくれました。
「父が野球選手だったこともあり、母は食事に強いこだわりを持っていました。特に野菜で取れる栄養を重視し、季節ごとの食材で体を整えることが次のシーズンへの準備になると考えていたようです。食にこだわる母は自ら農家を訪ね、生産者の方の顔を見て『この人から買いたい』と、旬の食材を直接仕入れていました」。

工藤さんは「幼い頃から一次産業の方々と顔を合わせ、会話を交わす機会に恵まれていた」と振り返ります。食と体を支える農業への眼差しは、自然と育まれ、いつしか「当たり前のように食材が溢れ、食べたいときによりよい食材を選び、食べられることができるこの環境を次の世代に良い形で渡したい」という想いが強くなったと言います。その想いは大学進学を考え始める18歳の進路に大きな影響を与えました。




工藤阿須加と俳優業の出会い
農業への思いを胸に、工藤さんは東京農業大学へ進学。そこで「専門的な研究に打ち込む人はが多い一方で、その魅力や課題を発信する人があまりにも少ない」という問題に直面しました。
俳優を目指したときに、その決意の裏には、父からの厳しい問いかけもあったそうです。
「父からは『お前が目指そうとする世界は、実力があっても認められるかは別だ。スポーツで大成するより難しい。その覚悟があるか?』と問われました。その言葉が、俳優になるという覚悟を一層固いものにしたと思っています」。
「俳優になり、表舞台に立つ機会が増えた事で農業の事を少しでも発信できる様になった」と工藤さんは話します。
工藤阿須加と山梨の出会い
大きな転機は2021年、コロナ禍に訪れました。自分と向き合う時間が増えた時、幼少期から抱いていた「農家へのリスペクト」がはっきりと蘇ったと言います。活動を本格化しようと準備を始める工藤さんの周囲からは「老後や、お金と時間に余裕ができてからやればいいのでは」という心配の声も少なくなかったようです。しかし工藤さんは「それだと遅い、30歳から始める10年と、40歳から始める10年では全然違う」、そして何より、「趣味だと本気度が伝わらない」という強い思いで準備を進めていきました。
「知識だけで語るのではなく、経験した人間が語る言葉にこそ説得力がある。だから自分でやるしかない。借金ができてもいいから、今やろう、と」。


農業をはじめる活動拠点に選んだのは山梨県北杜市。東京から車で約2時間というアクセスは、俳優業との両立を考えるうえで不可欠でした。井上農場の一角を借りた工藤さんの畑は、当初は5畝(約500平方メートル)の小さな畑からスタート。現在では6反(約6000平方メートル)にまで規模を広げています。
「二拠点生活や移住を考える人にとって、地元の人との人間関係は心理的なハードルになりがちだと思います」と質問に対しては、「畑を貸してくれている井上さんにも『どれくらい本気なのか』と最初に聞かれました」と明かし、ここでも「行動で示す」という工藤さんの基本姿勢が見え隠れします。
「『本気です。あとは行動で示します』とだけ答え、その言葉が嘘にならないよう、できる限り畑に通いました。『農業について生きた知識や技術をもっと勉強したい』という一心で、自分の作業だけではなく、畑を貸してくれる農家さんの作業にも参加しました」。




コロナ禍があけ、本格的に俳優業と農業、東京と山梨に拠点生活がスタート。年間で約100日は農家として畑に立ち、撮影が立て込んだ時は、現地のスタッフに作業を依頼しているといいます。「ビジネスとしてやっている方々に対して、僕がお借りしている以上、働いてもらった分はきちんと支払うべきだと思っています」と、誠実な関係性を続けています。
行動で示し続けたことで、次第に「芸能人」という偏見は薄れ、真摯さが人々の心を動かしていったのでしょう。撮影に立ち会った井上農場の井上能孝さんが、撮影用のヘアメイクがほどこされた工藤さんに「すごい、芸能人みたいじゃん」と親しげに声をかけ、所有する農作物や農具を差し出しながら「撮影のために必要なものはどれでも好きに使ってください」と言ってくださったことからも、その信頼関係や積み重ねてきたコミュニケーションを感じさせます。


工藤阿須加とアシックスワーキングの出会い
今回、撮影で初めてアシックス ワーキングシューズ の「ウィンジョブ® CP604 G-TX BOA® 」を着用したという工藤さん。着替えをすませ、ロケバスから出るやいないや「軽い!」とつま先の安全プレートの存在を感じさせない履き心地に驚きを隠せない様子。撮影後、改めて着用感について尋ねると「丸一日着用してみて、軽さと高いグリップ力による動きやすさ、足をしっかりホールドするフィット感を実感しました」と振り返ります。ゴアテックスファブリクスを搭載し防水性に優れているため、雨天や泥だらけの作業環境でも快適に使用できるほか、洗いやすく長持ちする点も魅力です。つまずきにくいトゥアップ設計にも着目し「機能的でありながらデザイン性も兼ね備えている作業靴は多くの農家が望んでいることだと思います」と語ります。


学生時代にテニスに打ち込み、パフォーマンスにおけるシューズの重要性を熟知している工藤さん。「足の構造を研究し続けているアシックスだからこそ」と、その品質に絶大な信頼を寄せます
「仕事で履く靴は、一日のうちで最も長く履くもの。だからこそ、妥協せずに良いものを選ぶべきです。パフォーマンスが本当に変わります」。
そして、アシックスというブランドを「人が前に進むという動きに対して、心身ともに支えてくれる。前に進むための人の靴だと思います」と表現しました。
「心身ともに前に進むのを助けるアシックス ワーキングシューズ」と共に
俳優と農業、2つの顔を持つ工藤さん。「どっちも真剣」役者として得る表現力や人との接点は、農業を外へ伝える力になり、土と向き合う時間は演技の内面を耕す時間にもなるのでしょう。家族や友人、作品を観てくれる人、野菜を食べてくれる人に、一瞬でも小さな幸せを届けたい──それが彼の原点であり、農業も俳優も続ける最大の原動力になっていると感じさせました。
性急な理想論ではなく、畑に立ち続けることでしか得られない説得力を“心身ともに前に進むのを助ける靴・アシックスワーキング”と共にこれからも育てていってくれるでしょう。

工藤阿須加
1991年8月1日生まれ。埼玉県出身。ドラマ『理想の息子』(12)で俳優デビュー。主な出演作に『ちょっと今から仕事やめてくる』(17)、『総理の夫』(21)、『ハケンアニメ!』(22)、Netflixシリーズ『御手洗家、炎上する』(23)、『ゴールデンカムイ』(24)などがある。また、現在日本テレビにて放送中の「有吉ゼミ~工藤阿須加 楽しい農園生活~」では、山梨県北杜市の広大な畑で農薬を使わない栽培で野菜作りに挑戦中。2025年10月11日からは日本テレビのドラマ「良いこと悪いこと」に出演。「てっぺんの向こうにあなたがいる」10月31日、劇場版「緊急取調室 THE FINAL」12月26日、映画「ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編」2026年3月13日にそれぞれ公開予定。
photography: Kairi Hanawa| text & edit: Asuka Furukata, project management: Ryota Tsuji (FASHIONSNAP)
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