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YOONとVERBALが振り返る「オーデマ ピゲ」との対話

Image by: Audemars Piguet

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 「オーデマ ピゲ(Audemars Piguet)」が、YOONとVERBALとの協業による新作を韓国・ソウルで披露した。発表されたのは、レッドのトゥールビヨンが"脈を打つ"150本限定の「ロイヤル オーク コンセプト フライング トゥールビヨン」。3年以上にわたる対話から生まれたこのタイムピースには、2人の美意識とオーデマ ピゲが誇るオートオルロジュリーの技術が詰め込まれている。珠玉のアートピースに込められた制作ストーリーと、ソウルの夜を赤く染めたローンチイベントの様子を現地からレポートする。

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 1875年の創業以来、スイスのル・ブラッシュを拠点に高度な時計製造を続けてきたマニュファクチュール「オーデマ ピゲ」。"時計界のピカソ"の異名を持つジェラルド・ジェンタ(Gérald Genta)がデザインし、1972年に誕生した「ロイヤル オーク」をはじめ、時計業界の既成概念に挑むタイムピースを世に送り出し、世代を超えて憧れを育んできた。中でも近年は、アートや音楽、スポーツなど多様なカルチャー領域にも注力。2023年にはマシュー・ウィリアムズ(Matthew M. Williams)が手掛ける「1017 アリックス 9SM(1017 ALYX 9SM)」や、トラヴィス・スコット(Travis Scott)のブランド「カクタス・ジャック(Cactus Jack)」との協業モデルを発表し、2024年にはアーティストのカウズ(KAWS)とのモデルも展開してきた。直近では、スウォッチ(Swatch)とのコラボレーション「ロイヤル ポップ(Royal Pop)」がバズを生み出し話題を集めたが、今回の協業はオーデマ ピゲが、YOONとVERBALという2人のクリエイターとの継続的な対話を軸に、時計製造の本質に向き合ったプロジェクトとして位置付けたもの。「ロイヤル オーク コンセプト フライング トゥールビヨン」は、費やされた年月や技術、そして金額を含め(価格は17万6800スイスフラン/ 税込参考価格3927万円)、最高峰のコンプリケーションウォッチであることを示している。

 新作は、幅広い手首に対応する38.5mmサイズのチタンケースを採用。サンドブラスト、サテン、ポリッシュといった複数の仕上げを組み合わせたケースに、煌めくブラックアヴェンチュリンダイヤルを合わせ、6時位置にはレッドにアルマイト加工を施したアルミニウム製のキャリッジが目を引くフライングトゥールビヨンを配した。ムーブメントには、今回のために特別に開発された手巻きキャリバー2982を搭載している。

 韓国・ソウルの「AP House Seoul」で開催されたプレスカンファレンスには、オーデマ ピゲ CEOのイラリア・レスタ(Ilaria Resta)、YOON、VERBALらが登壇。世界各国から集まったメディアを前に、制作プロセスやデザインに込めた思いなどが代表質問形式で語られた。

Q&A

Image by: Audemars Piguet

──今回の協業は、どのようなところから始まったのか。

YOON:仕事で収入を得た時、良い時計を買いたくなるものですよね。20年前でしょうか。当時は時計のことはそこまで詳しくなかったんですが、グラフィックデザインを専攻していたこともあり、幾何学的な「ロイヤル オーク」の美しい造形に衝撃を受けました。この時計を所有したいという欲にかられ、その後ジェラルド・ジェンタや彼のデザインやコンセプトについて、そして当時ロイヤル オークがいかに革新的だったかを知りました。今回お誘いをいただいた時は信じられなかったです。

VERBAL:もともと時計好きで、オーデマ ピゲのファンでもありました。さまざまなモデルを調べたり、歴史を掘り下げたり、コンプリケーションについて知っていくなかで、2002年に発表された初代「ロイヤル オーク コンセプト」は私たちにとっても思い入れが強いモデルで自然と惹かれていきました。時計史におけるひとつの重要なモーメントを象徴するモデルだと思っています。今回の対話は、そこから始まったと言えるかもしれません。

2002年に発表された「ロイヤル オーク コンセプト」の第1弾モデル

Image by: FASHIONSNAP

──サイズを含め、デザイン面でどのようなことを重視したか。

YOON:時計をつけるときに自分の手首に合うサイズかどうかは大事ですよね。過去の「ロイヤル オーク コンセプト」も好きでしたが、いずれも44mmで私には少し大きくて自分が身につけている姿が想像しづらかった。なので女性ユーザーとして、38.5mmはとても自然なサイズ感だと思いました。自分が本当に身につけたいと思えるものを作りたかったので、朝着けて、日中も過ごせて、服を変えれば夜にもそのまま出かけられる。そうした使いやすさをサイズ含め意識してデザインしました。

 もともとのフェイスがとても美しかったので、必要のないものをできるだけ削ぎ落としたかったんです。何を残すべきか、どこがこの時計の核になるのかを見極めることが大切でした。トゥールビヨンは、その時計の"心臓"のようなものです。だからこそ、私たちはそこを強調したかった。キャリッジをレッドにすることで、この時計のエネルギーを表現したいと考えました。

VERBAL:従来の「ロイヤル オーク コンセプト」と比べると、38.5mmはコンパクトなサイズですが、特別な場面だけでなく、日常でも使えるものにしたいと思ったのでとてもいいサイズだと思っています。音楽に例えると、時計のサイズが曲の“フック”だとすれば、トゥールビヨンは“パンチライン”のようなもので、誰の記憶にも残る部分だと思います。

──今回のモデルでは、レッドが象徴的。なぜこの色だったのか。

VERBAL:赤は、僕たちにとってとても重要な色です。力強さや地球のコアを想起させる色でもあります。なぜレッドのトゥールビヨンがこれまでなかったのだろう、という疑問があり、職人の方々と話し合い、最終的にアルミニウムにレッドのアルマイト加工を施すという答えに辿り着きました。フライング トゥールビヨンはブリッジがなく、回転し続ける構造で、まるで浮いているようにも見える。その詩的な感覚も、この時計に合っていると思いました。

──フェイスのデザインのインスピレーションは?

YOON:スイスの本社を訪れたときの体験が大きかったです。時計製造の歴史に触れるなかで、かつて農家の人々が冬のあいだに家の中で時計部品を作っていたという話を聞きました。小さな窓から外の空を眺めながら作業していたという背景が、とても印象に残っています。

 時間はかつて、月や星の動きによって測られていました。今回の時計にも、その星空や宇宙的なムードを取り入れたいと思ったんです。私たちは普段から「ユニバース」という言葉をよく使います。アイデアはときに散発的で、いろいろな惑星を行き来するように広がっていく。夜空や惑星、銀河のようなイメージは、今回の時計のデザインにも自然に重なりました。

──制作プロセスでは、どのような学びがあったか。

VERBAL:このプロジェクトはファッションや音楽の制作とはまったく違い、3年以上の歳月がかかりました。時計の場合、機能がデザインの方向性を決める大きな基準になります。僕たちが「この素材はどうか」「こういう見え方はどうか」と提案するたびに、オーデマ ピゲの職人やエンジニアの方々が、それが機能性や精度を損なわないかを確認してくれました。その中で学んだのは、時間のかかるプロセスこそ良いものを生むということ。すべてのパーツに意図があり、意味があり、同時に美しくなければならない。ただ動くだけではなく、美しいことも重要でした。

YOON:対話を続けていく中で特に驚いたのは、オーデマ ピゲチームがとても柔軟な姿勢を見せてくれたことです。もっと「NO」と言われるのかと思っていました。でも実際には、私たちのアイデアに、とてもオープンに向き合ってくれました。私たちが求める色や質感に近づけるために、試行錯誤を重ねてくれたんです。

 そしてファッションの世界にいると、シーズンに合わせてアイデアや製品を生み出したらまた次のシーズンのことを考えないといけません。でも今回のプロジェクトでは辛抱強く時間をかけて取り組むことの大事さを学びました。この時計は私がいなくなった後も残り続けるものだと思うので、そういった制作のプロセスに携われたことはとても良い経験になったと思います。

──付属するストラップやケースについて。

YOON:この時計には、ブラックとレッドの2本のストラップがつきます。自分で簡単に付け替えることができるので、ドレスアップにもドレスダウンにも合わせられます。また、時計のケースについてもよく考えました。ケースはクローゼットにしまわれてしまうことが多いですよね。なのでケース自体もリビングの棚などに飾りたくなるようなデザインにしたいと考えてこの形にしたんです。

──この時計をどのように受け取ってほしいか。

VERBAL:単に時刻を知りたければ、私たちにはスマートフォンがあります。ですが私が今身につけているのはアートピースであり、歴史の一部でもあると思います。トゥールビヨンは、現代において必ずしも実用だけの機構ではありませんが、真のクラフツマンシップを示すものです。そうした要素が一つになり、この時計として形になったことに大きな意味を感じています。

豪華ゲストが集結したローンチパーティ

 同日夜には、韓国の伝統家屋が並ぶ北村韓屋村(プクチョンハノクマウル)の一角でローンチパーティ開催。南山タワーなどソウルの街並みを一望できるルーフトップでコラボレーションのローンチが祝われ、YOONとVERBALと親交のあるゲストや"APファミリー"が多数来場した。真っ赤なライティングに染まった会場では、2人がセレクトした秋田の純米吟醸「SŌMATŌ」を使ったスペシャルドリンクなどが振る舞われたほか、チタンケースにサファイアベゼルとリューズを組み合わせた世界に1本のみのユニークピースも展示された。

 ゲストには、イ・ジョンジェやアン・ヒョソプ、イ・スヒョク、ウィン、ブライトといった俳優をはじめ、CL、ZICO、EJAEといったアーティストなど豪華な顔ぶれが集結。また、ヘイリー・ビーバーやBIGBANGのG-DRAGONといったサプライズゲストの姿も。ゲスト同士が着用モデルを見せ合うなど親密なムードの中で宴が繰り広げられ、特別な一夜に華を添えた。

CL

Image by: Audemars Piguet

最終更新日:

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