三浦信太郎 取締役
三浦信太郎 取締役
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Businessインタビュー・対談

「ブランドには夢がある」好調ミューラル支えるBRHがデジタルで切り拓くwithコロナ時代

 ブランドの右腕となって価値を最大化するー。ブランドを複数運営する「BRH」は、デザイナーやクリエイターがクリエイションに集中できるよう、マーケティングと業務効率化のサポートを行っている。コロナ禍でアパレル不況と言われる中、傘下ブランド「ミューラル(MURRAL)」は好調を維持。その背景にはデジタルの活用があると言う。「ブランドには夢がある」と語る同社、三浦信太郎 取締役にブランドビジネスの可能性について聞いた。

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競合他社との違い

 2016年創業のBRHはデジタル業界や代理店出身者が多く所属し、ECサイトの開発やSNSのトラッキング、広告活用などを全て自社で完結する。ブランドの下に自社のデジタルチームがサポートに入ることでデザイナーが製作活動に専念できる環境を構築。三浦はデジタルを強化することでブランドの成長を促している点を、競合他社との違いとして強調した。

 「ずっとファッション業界にいるが、若い頃は本当にお金がなかった。それこそ青山にあったル バロン ド パリで1000円のドリンクを一晩中握りしめていたことも。そういう背景もあって、お金のことを気にせず、ファッションに関わる人間が一生ファッションの仕事をして生きていける環境を作りたいと考えた」と話す三浦は「フェノメノン(PHENOMENON)」などを経てBRH取締役に就任。現在は「ミューラル」や「アンボアハンデン(ANVORHANDEN)」などを担当し、ブランドの方向性や、資金繰りなどクリエイターの力を最大化させるサポート業務を行っている。

「DtoC」へのこだわり

 BRHは、村松祐輔と関口愛弓のデザイナーデュオが手掛ける「ミューラル」を筆頭に、ラッパーのヒヤダム(HIYADAM)がクリエイティブディレクターを務めるジュエリーブランド「アンボアハンデン」や、一時活動休止中の「ディーティーティーケー(D.TT.K)」、2020年1月からスタートし、月数千万単位の売り上げを記録しているアクセサリーブランド「グレイ(gray)」を擁する。三浦が担当しているミューラルは2020年春夏にリブランディングを行い、インスタグラムと自社ECサイトを強化。EC化率は50%以上、直近の月の売り上げは前年度比120%と好調をキープし、海外での展開も視野に入れているという。キャッシュフローにも改善が見られ、量産に対する出費よりもECサイトでの売り上げが先行するため収入が一時的に絶たれることなく、資金を確保することができるという。また在庫を有し、小売で店舗拡大をしていくのがアパレル業界での定石と言われる中で、受注ベースにすることで物量をコントロール。ミューラル含め傘下ブランドのシーズン消化率は85%以上と、セールを行うことなく全てプロパー価格で販売している。

 三浦はデザイナーのクリエイションと営業の両立の難しさを憂い、「経営に泣かされ潰れていったブランドは沢山あると思う。ブランドにとって、展示会やサンプル作りなどの卸先に対する"営業"は一つのルーティンモデルになっているが、努力に対して報われることが少ないのも事実」と話し、自分たちでクリエイションしたものを自社で販売するDtoCの重要性を説いた。

"あえて"広告制作事業から撤退、今後の展望

 三浦は卸先を、傘下ブランドがダイレクトセールスを用いた「直販できるブランド」に成長させた上で存在する「プレミアムな存在」と定義し、ECサイトではできないプレミアムな体験先として卸先を選択できるシステムを構築していきたい考えを示した。DtoCの魅力として、顧客の反応を直接感じることができる点も挙げ「手応えがわからずブランドをやってる人は今まで多かったと思う。客層やターゲットに合わせて戦略を練った分だけ手応えを感じことができる点が今のブランドビジネスの楽しさ。ブランドには夢があるということを、若い人たちに伝えていきたい」と語った。

 今後は収入源の一部でもある広告制作事業を2021年以降に休止し、ブランド事業に注力。自社新規ブランドを含めた7〜10ブランドを傘下に収める事業計画を発表した。「ブランドごとに問題点は異なるためコピーペーストでできるものではない。しかし成功の"パターン化"はできると思う。そのパターンから、最適化していくことでブランドも成長する」と話し、アパレルだけではなくライフスタイル雑貨の取り扱いも検討。価格帯やデザイナーズブランド、ラグジュアリーブランドなどの垣根に捉われることなく幅広く運営していくという。

BRH

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