東京・銀座に2025年9月19日、「カルティエ 銀座4丁目ブティック」がグランドオープン。メインストリートの一つである晴海通り沿いに誕生した地上4階建の店舗は、アジア最大の総面積で日本初の"レジデンス"を設けるなど話題を集めている。ここでは、新たな旗艦店の見どころと、前日に催されたオープニングイベントをレポート。多くのセレブリティーがジュエリーを華やかにまとって来場したほか、メゾン初のアニメーション作品「LA PANTHÈRE DE CARTIER」も公開された。
アニメーション作品「LA PANTHÈRE DE CARTIER」 ティーザー © Cartier
日本とパリの伝統美が調和
銀座の目抜き通りでひときわ目を引く、滑らかな曲線を描いたデザインの新たなランドマーク。ファサードは「カルティエ 心斎橋ブティック」に続き、クライン ダイサム アーキテクツが手掛けた。日本の伝統衣装や美術品に古くから用いられてきた「青海波(せいがいは)」に着想を得て、扇形を連ねた幾何学模様に包まれている。

Image by: Tomoyuki Kusunose © Cartier
内装は、「カルティエ」のブティックを2002年から手掛けてきた建築家のブルーノ・モワナー率いるモワナー ベタイユが担当。パリのエスプリを光らせながら、店内のあらゆる装飾に日本人アーティストによる作品や日本独自の美意識を反映した空間は、このブティックの大きな見どころの一つ。フロアごとに異なる天井や壁面のディテール、サロンの世界観にも注目を。
1階―希少なジュエリーとパンテールの世界
エントランスに一歩足を踏み入れると、そこはメゾンの象徴である「パンテール」の精神が息づく優雅な世界が広がり、高揚感に包まれる。「パンテール」は、ジュエリーやウォッチ、アクセサリーのモチーフとして存在感を示しているだけではなく、フロアを彩るアートウォールでも登場。1階に飾られているのは、和紙作家の堀木エリ子による、森の中を歩く「パンテール」。4層漉きの和紙で仕上げられた繊細なアートが、光の揺らめきとともに幻想的に浮かび上がる。

Image by: Tomoyuki Kusunose © Cartier
日本の伝統家屋を思わせる天然木が温もりと安らぎを与えてくれる内装と、折り紙にインスパイアされた天井装飾。そして階段近くには、クイック ケアサービス バーが設けられている。

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1階には、その時々にメゾンがもっともフォーカスするコレクションが並ぶ。第1弾として、オープンを祝して5月に発表したばかりの最新ハイジュエリーコレクションが上陸。メゾンの真髄を垣間見ることができるピースがずらりと並ぶ光景は圧巻だ。また、メゾンの歴史を物語る「カルティエ コレクション」収蔵作品の中から、「Panthere and Fauna」をテーマに厳選されたアーカイヴ11点も特別展示しており、まるでミュージアムのよう。通常はパリに保管されているこれらの貴重なジュエリーが見られるのは、10月19日までの期間限定なのでお見逃しなく。
2階―モダンな空間でダイヤモンドの輝きを堪能
2階はブライダルをはじめとするダイヤモンドのクリエイションと、アイウェアやバッグ、スモールレザーグッズといったアクセサリー、ギフトコレクションがそろうフロア。凧がモチーフの天井やイチョウの葉がモチーフのパネル装飾など、ここにも日本の伝統美が息づいている。

Image by: Tomoyuki Kusunose © Cartier
その中にある、ひと際目を引くサロン。「ジャポネ」と名付けられたこの部屋は、金継ぎを思わせるデザインの壁面に、パリ在住の日本人アーティスト・彦坂良の作品が存在感を放つ。

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1907年、3代目ルイ・カルティエの時代に発表されたダイヤモンドブローチの抽象的な幾何学模様に着想し、「青海波」にもリンクするアート。ダイヤモンドの輝きをメタルで表現している。

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3階―買い物時間がより豊かになる上質な体験
「トリニティ」リングに着想した、曲線が織りなすモチーフが天井を飾る3階。「クラッシュ ドゥ カルティエ」「ジュスト アン クル」「LOVE」といったアイコニックなコレクションを中心とする、ジュエリー&ウォッチをラインナップ。そしてルイ・カルティエの時代からメゾンを象徴するカラーパレット「ピーコックパターン」として有名な孔雀をテーマにしたサロン「ピーコック」が、ゆったりと贅沢に設えられている。

Image by: Tomoyuki Kusunose © Cartier
フレグランス コレクションを一堂に集めたコーナーを楽しめるのは、国内で「カルティエ 銀座4丁目ブティック」だけ。

Image by: Tomoyuki Kusunose © Cartier
このフロアでは、買い物体験をさらに特別なものにするサービスを提供している。レッドボックスへの刻印やラッピングをカスタマーの目の前で行うスペースパーソナライゼーション バーも、このブティックならでは。

Image by: Tomoyuki Kusunose © Cartier
ウェイティングスペース「ジャルダン」は日本庭園のような雰囲気で、ウェイティングのひとときも、心地よく寛げる豊かな体験になりそう。

Image by: Tomoyuki Kusunose © Cartier
4階―パーソナルな空間で最上級のおもてなし
「カルティエ 銀座4丁目ブティック」は、日本で初めてとなる"レジデンス"を最上階に用意。バー&ダイニングを備えたプライベート空間で、特別な体験を提供するそう。天井は和傘をイメージしており、ゆったりとレイアウトされたインテリアやグリーンが、都会の喧騒を忘れさせてくれる落ち着いた空間が広がっている。

Image by: Tomoyuki Kusunose © Cartier
フロアは3つのサロンで構成。ダイニングテーブルやソファを配した「グランサロン」と「パンテール」、そして「トゥッティフルッティ」と名付けられたサロンには「パンテール」のアートウォールが鎮座。長年にわたってメゾンのために石膏のアートウォールを制作してきたアトリエ デル ボカによって、桜の木の上から富士山と東京の景色を眺める「パンテール」の凛々しい姿が描かれている。

Image by: Tomoyuki Kusunose © Cartier
メゾンと縁あるセレブリティーが祝福
9月19日のグランドオープンに先駆けて前日に開催されたイベントには、数多くのセレブリティーが「カルティエ」の華やかなジュエリーやウォッチを身にまとって出席。同日に公開したメゾン初のアニメーション作品「LA PANTHÈRE DE CARTIER」に参加した俳優の高畑充希や山口智子、清原果耶をはじめ、クリエイティブパートナーを務めた漫画家の浦沢直樹、エンディングを手がけた音楽家の江﨑文武、ミュージシャンの坂本美雨らが集結し、イベントにも登壇した。



















玉森裕太
Image by: © Cartier
カルティエ初のアニメ作品 制作秘話も
「パンテール」の生みの親である主人公ジャンヌ・トゥーサンの声を担当した高畑充希は「自分で道を切り開いたジャンヌの芯の強さを表現しました」とコメント。少女のジャンヌ役を担当した清原果耶は「自分自身で自由を手に入れる」というテーマについて「自分が触れたものが感性となり道が開けていくことに共感しました」と語った。

(左から)江﨑文武、山口智子、高畑充希、清原果耶、浦沢直樹、坂本美雨
Image by: © Cartier
本プロジェクトは「3年前にスタートしました」と振り返った浦沢直樹は、「ジャンヌと自分が描きたい理想の女性像がリンクした」そう。そして「パンテール」について「豹の優雅な動き、のびのびとした野生の動きを描きたかった。まずストーリーをすべて漫画に描き、そこからアニメーション化しました」という制作秘話も明かされた。アニメーション作品「LA PANTHÈRE DE CARTIER」の全編は、「カルティエ 銀座4丁目ブティック」のスペシャルサイトで公開されている。スペシャルサイトへは、カルティエLINE公式アカウント(@Cartier)よりアクセスできる。









Image by: © Cartier
■カルティエ銀座4丁目ブティック
所在地:東京都中央区銀座4丁目2-11
営業時間:11:00〜19:00
最終更新日:
text: Chikako Ichinoi | edit: Chiemi Kominato, management: Mizuki Okuhata (FASHIONSNAP)
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