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「シャネル(CHANEL)」のブランドを代表するメンズフレグランス「ブルー ドゥ シャネル」から、正方形のパッケージが印象的な「ブルー ドゥ シャネル レゼクスクルジフ」が登場する。シャネル専属調香師 オリヴィエ・ポルジュ曰く「従来の香りのアイデンティティをより濃密に、より奥深く進化させた。香調はより強く、ウッディで少しレザーのような印象も加わっている」という、このフレグランスの魅力をひも解いていく。

◾️オリヴィエ・ポルジュ(Olivier Polge):南仏の香水作りの聖地、グラースに生まれる。アート史を学んだものの、35年あまりの間、シャネルの専属調香師を務めた父ジャック・ポルジュの影響で、香水作りの成り立ちに興味を持ち始める。地元グラースやジュネーヴでノウハウを学んだ後、ニューヨークのIFF(INTERNATIONAL FLAVORS AND FRAGRANCES)で経験を積む。2013年にシャネルのフレグランス研究所の一員となり、2015年からメゾンの専属調香師に。これまで「シャネル N°5 ロー」、「ガブリエル シャネル」、「チャンス オー スプランディド」を手がけた。
⎯⎯ブルー ドゥ シャネル レゼクスクルジフのスクエア型のパッケージはとても印象的でアイコニックです。香りについて、このデザインからインスピレーションを受けた部分はありますか?
いいえ。私の仕事は香りそのもの、つまり「香り」に関わることのみです。パッケージがアイコニックであるのと同様に、香り自体も象徴的です。「ブルー ドゥ シャネル」のアロマティックでウッディな香調こそが、私の出発点でした。

「ブルー ドゥ シャネル レゼクスクルジフ(パルファム)」(60mL 2万7170円 100mL 3万8280円
⎯⎯ブルー ドゥ シャネル レゼクスクルジフは、爽やかさとミステリアスな魅力を兼ね備えています。オリジナルのブルー ドゥ シャネルとの違いはどこにあるのでしょうか?
2010年にオリジナルのブルー ドゥ シャネルが誕生した当時、メンズフレグランスの主流は「爽やかさ」でした。多くのフレグランスが清潔感あるフレッシュさを打ち出していました。ブルー ドゥ シャネルはそうしたフレッシュさの中に、アロマティックかつ柑橘系の香り、さらに、よりセンシュアルでウッディな側面を加えました。ここ数年の私の仕事は、そのウッディで官能的な側面をさらに引き出すことでした。
この新作では、セダーやアンバー、サンダルウッド、レザーといった香調を組み合わせ、より奥行きと複雑さを持たせています。特にレザーのニュアンスは、地中海沿岸の低木「ラブダナム」から抽出した成分によるもので、これは従来のブルー ドゥ シャネルには使われていません。
⎯⎯このフレグランスの調香において、最も重要だった要素は何ですか?
フレグランスのフォーミュラは非常に複雑です。すべての原料が重要ですがブルー ドゥ シャネルにおいては、やはりウッディノートが最も重要です。なぜなら、香りをまとったときに一日中残る残香(シアージュ)は、セダーやサンダルウッド、アンバーの香りだからです。レゼクスクルジフではレザーの香調に表れます。

⎯⎯この香りの開発にはどれくらいの時間が掛かったのでしょうか?
フレグランスの創作は難しいというより「時間が掛かる」ものです。調香は非常に実験的な仕事で、試してみるまでは何も確かなものはないのです。通常、フォーミュラの完成までに1年は掛かります。さらに製品化に向けての工程を含めると、もっと時間が掛かります。私は現在、2027年に向けた香りを作っています。つまり、実際に皆さんの手に届くまでには約3年掛かるのです。
ファッションにおいては、3ヶ月ごとに新しいコレクションが発表されることもありますが、フレグランスの世界ではまったく異なる時間軸が求められます。
⎯⎯ブルー ドゥ シャネル レゼクスクルジフの魅力はどこにあるとお考えですか?
この香りの魅力は、やはりその複雑さと捉えどころのなさだと思います。この複雑なフォーミュラが、どこかミステリアスな雰囲気を醸し出している。それこそが香りの魅力であり、時にフレグランスに限らずさまざまなものの魅力にも通じるのではないでしょうか。

⎯⎯ブルー ドゥ シャネルはメンズフレグランスでありながら、日本では女性にも人気があります。このような「男性用のフレグランスを女性がまとう」ことについて、どう思われますか?
これは日本に限った話ではなく、よくいただくご意見です。私は香りを作る側ですが、実際にどのようにまとわれるかは予測できません。近年では、性別によるカテゴライズを超えてフレグランスが選ばれることが多くなっています。私としては、女性が身につけたいと思うようなメンズフレグランスを作れたという点で、むしろ嬉しく思っています。
⎯⎯アンバサダーであるティモシー・シャラメ(Timothée Chalamet)は、この香りの創作に影響を与えましたか?

シャネルでは、香り、ボトルデザイン、ヴィジュアルキャンペーンなどを同時並行で進めています。私が香りを考える傍ら、他のチームがボトルや広告を考え、誰が香りの顔になるかを検討します。ですから、彼がインスピレーションの源というよりは、全体としての調和がとれた結果としてティモシーが加わった、という形です。彼の存在が、香りの個性にうまく調和してくれたと感じています。


⎯⎯香りのキーとなる原料について、特に原産地や品質基準に関して詳しく教えていただけますか?
最も重要なのは香りのクオリティです。シャネルの特異性は、我々自身が香りを創り、そして自社で製造まで行っていることにあります。これはごく限られたブランドにしかできないことです。「シャネル N°5」の時代から、我々は原料の調達から製造まで全てを行ってきました。調香師にとって、使用する原料そのものが創作の道具です。長年「フォーミュラの秘密」が語られてきましたが、実はその秘密は原材料にこそあるのです。だからこそ、原材料の選定は香りのアイデンティティを決める極めて重要なステップです。
たとえば画家が絵の具を選ぶように、調香師も香りのパレットを慎重に選びます。その品質は植物自体の品質、育った土地(テロワール)、そして抽出方法に大きく左右されます。ブルー ドゥ シャネルでは、ニューカレドニアに自生する特別なサンダルウッドを用いています。これには冷却抽出という独自の技術を用い、非常にユニークな香りを引き出しています。
Olivier Polge × Timothée Chalamet
(文:Mami Okamoto/通訳:Soline Morterol)
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