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DIORのランウェイ「インクルーシブな庭園」の秘密——いま私たちがすべきことは?

DIOR 2020年春夏コレクション
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 「ディオール(DIOR)」2020年春夏コレクションのシーズンノートを開くと、冒頭に印象的なメッセージが記されていた。「Think we must. We must think" - 考えなければならない。私たちがすべきことを。」

 今シーズンのパリファッションウィークは、環境に配慮する取り組みや本質を問うアプローチが目立つ。その先陣を切ったのがディオールだ。2つの側面から、2020年春夏コレクションに込められたメッセージを掘り下げる。

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1. インクルーシブな庭園

 ショーの会場装飾は通常、その役目を終えれば廃棄される。演出として植物を使う場合もあるが、自然には優しいとは言えなかった。しかし今シーズンは、従来と異なる会場装飾の考え方がある。そんなディオールの新しい取り組みに注目したい。

Photo by FASHIONSNAO.COM
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 シーズンノートには、ウィメンズ アーティスティック ディレクターのマリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)が提案するショー会場について「共存と違いが育まれ、ひとつひとつの行いが尊重される場所としての"インクルーシブな庭園"」と記されている。

 特設会場が設置されたのは、パリ16区ブローニュの森に位置するロンシャン競馬場内。会場には特別な庭園が広がっていた。

 舞台装飾を手掛けたのは、環境デザインを行うアーティスト集団、アトリエ コロコ。庭園に集められたのは、原産地の異なる植物だ。木々は全て根巻された状態で、枝には札がかけられている。表面には「#PlantingForTheFuture」のハッシュタグ。裏面には木の情報と、この後に植えられる地の情報が記されていた。QRコードを通して、さらに詳しい情報を得ることができるようになっている。

 これら全ての木々が、3つの長期プロジェクトによって各地に植樹される予定なのだという。生命を多次元的に生かし続けること。美しい自然とその未来を守るというメッセージは、会場装飾のあり方を考えさせられる。

 

2. クチュールの花々とラフィア

 2020年春夏コレクションのインスピレーション源となったのは、庭園で花々に囲まれたクリスチャン・ディオールの妹、カトリーヌ・ディオール。カトリーヌは「ミス・ディオール」という呼び名と共に、メゾンを象徴する最初のフレグランスのモデルにもなっている。

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 グランヴィルにある生家は、庭園の美しさでも知られる。大切に手入れをしていたというカトリーヌを庭師と捉え、その創造的なイメージがコレクションの細部まで落とし込まれた。

 オートクチュールのテクニックによる繊細な花々のモチーフやエンブロイダリー、そしてラフィアの質感によって想起される、多様な植物の庭。そこに生息する生物の目録、植物種の記録を、生きた標本のようにドレスに乗せて提案している。アクセサリーも、立体的な花がモチーフとなった。

 現代において植物を育て、共存することの意味。名の無い花々をまとう2020年春夏コレクションについてマリア・グラツィアは、責任と意思が息づく"おもいやり"の表現であると説いている。

【全ルックを見る】DIOR 2020年春夏コレクション

 

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