2021年春夏コレクション
2021年春夏コレクション
Image by: DIOR

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アフリカから着想を得た「ディオール(DIOR)」新作から読み解く、コラボを続けるキム・ジョーンズの本懐

2021年春夏コレクション Image by DIOR
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 キム・ジョーンズ(Kim Jones)が手掛ける「ディオール(DIOR)」メンズがサマー2021コレクションを発表した。今回のコラボレーション相手は、フォール2020コレクションの発表地となったマイアミで出会ったという、ガーナ生まれ、ウィーンを拠点に活動するアーティストのアモアコ・ボアフォ(Amoako Boafo)。「アーティストの肖像画」と題したコレクションでは、アフリカの自然や文化からインスピレーションを得たカラーパレットや柄にスポーツウェアの要素を取り入れた。

 キム・ジョーンズは、自身の名を冠したブランド「キム ジョーンズ」では「マルベリー(Mulberry)」などとコラボし、前職の「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」では「シュプリーム(Supreme)」、ディオールにおいてはデビューショーのカウズ(KAWS)をはじめ、空山基、レイモンド・ペティボン(Raymond Pettibon)、アレックス・フォクストン(Alex Foxton)、そしてダニエル・アーシャム(Daniel Arsham)と数々のブランドやアーティストとコラボしてきた。垣根を崩し、モードカテゴリーの裾野を広げてきた同氏は今回、幼少期をボツワナ、タンザニア、エチオピア、ケニア、ガーナといった様々なアフリカ諸国で過ごしてきた自身のルーツにスポットを当てた。

 ディオールのアモアコ・ボアフォに対する見解はプレスリリースの一説から読み取れる。

 ボアフォの有名な「ブラック・ディアスポラ」の肖像画は、自らのアイデンティティと黒人であること、特に黒人のマスキュリニティへの認識を探る連作。すでに文化的融合が表現されたこのアート作品が、文字通りの意味でも隠喩的な意味でも、オートクチュールの技法と歴史を雄弁に物語る衣服に置き換えられています。まさに移動することなく、世界を巡るのです。

 2021年春夏コレクションは、2部構成の動画で発表され、第1部は、ビデオアーティストのクリス・カニンガム(Chris Cunningham)が編集とサウンドトラックを手掛け、第2部は、女性写真家のジャッキー・ニッカーソン(Jackie Nickerson)がディレクションした。モデルには全て黒人を起用しており、これは「制作において原点となる発想は、黒人であることにアプローチするための新たな方法を表し、それを記録し、称え、明らかにすること」と語るアモアコ・ボアフォのクリエイションを反映したものだろう。そしてモロッコやコートジボワールなど、ディオールのインスピレーション源にもなり、キム・ジョーンズの故郷でもあるアフリカへのコミットメントを意味している。

 ここで、キム・ジョーンズの本懐を理解しようとするなら、コラボは異なる文化やコミュニティを繋げていくことと説明できるのではないだろうか。多様性が共通価値となり、その反動で同じ価値観を持ったものだけで場を作る島宇宙化が進む現代において、異なるコミュニティを繋げることに価値を見出すキム・ジョーンズの仕事は、コラボを通じて結実しているように感じさせる。ファッションには橋渡し役としての機能がある、と提示しているかのような取り組みだ。

 コレクション全体でみると、大半のルックはカマーベルトがアクセントになり、テーラリングとボタニカル柄などのアフリカの自然から着想を得たディティールが融合したスタイリングになっている。全アイテムがアモアコ・ボアフォとのコラボで、ブルーやコーラル、グリーン、蛍光イエローのカラーやグラフィックパターンは作品から採用。絵筆のストロークを表現したジャカードは、キム・ジョーンズが自身のアトリエで撮影した写真をベースにしたという。

サマー2021コレクション全ルックはこちら

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