Fashion インタビュー・対談

ディオールとマリア・グラツィア・キウリ - Dior & Maria Grazia Chiuri -

Image by: Brigitte Lacombe for Dior Print Magazine n°18

 「ディオール(Dior)」でウィメンズコレクションのアーティスティック ディレクターに女性、メンズコレクションのクリエーティブ ディレクターに男性という構成は史上初。長く紡がれた伝統で初めてとなるアプローチでディオールはどう変わったのか。「フェンディ(FENDI)」を経て、17年間もの間「ヴァレンティノ(VALENTINO)」で活躍したマリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)は今年、アーティスティック ディレクターに就任。彼女によるディオールはすでにハイコンシャスな女性たちから支持を獲得し始めている。ディオールとマリア・グラツィア・キウリ、その関係性は。

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Q 東京へは何度目の来日?

数えられないほど来てますよ。東京だけではなく、京都にも行っていますしね。去年だけでも3回。いろいろな場所をできるだけ見て回るようにしています。

Q 東京を訪れる際に必ず行うことは?

何の展覧会が開催されているかは必ずチェックしています。また、庭園を巡るのも好きです。

Q 銀座で好きな場所はありますか?

ドーバー ストリート マーケットは大好きですね。素晴らしいショップですし、銀座だけではなく様々な国のドーバー ストリート マーケットに必ず足を運びます。私が好きなブランドもたくさん入っていますし、自宅には購入したものもたくさんあります。あとは、以前来日した時に行った地下駐車場と隣接するお店にもう一度行きたかったんですが、残念ながら閉店してしまったようですね。すごくかっこいい佇まいで、クールなお店だったのに。銀座エリアにこのような場所があるなんて信じられませんでした。実はアンダーグラウンドなものが好きなのでとても惹かれました。

the-parking-20160324_005-thumb-660x440-533933のコピー.jpg3月末で閉店した「ザ・パーキング銀座(THE PARK・ING GINZA)」


Q アーティスティック ディレクターに就任して一番最初にしたこと

まずディオールを理解したいと思い「Christian Dior et Moi(ディオールと私)」というムッシュ・ディオールの著書を読みました。彼について深く知りたいと思ったのです。

Q 自身が手がけるようになって、ディオールはどのように変化した?

「ディオール」は今も昔も女性について語り続けているブランドです。ただ、今は50年代ではなく新しい時代。私は自分で選び、ミックスし、自分らしく装うことができる今の女性たちに語りかけることが大切だと思いました。

Q ムッシュ ディオールとの関わりを考えることはある?

ムッシュ・ディオールは戦後にファッションの新たなアイデアと自由という概念や発想を提示した人物です。ディオールのドレスや服を今の時代にあった形で提案していくための自由な発想は私も備えているのではないかと思います。


ファーストコレクションのコレクションムービー

Q ムッシュ・ディオールも占いが好きだった

タロットや天文学、星座にこだわっていた方でした。私は水瓶座なのですが、ムッシュ・ディオールと同じ星座なんです。個人的にも星座をコレクションに反映させる作業はとても楽しいですし、12星座ごとにパーソナライズできるのはとても良いですよね。

Q クリエーションのインスピレーションはどこから?

どこからでも起こりうると思います。心を打つ瞬間は旅をした時はもちろんですが、個人の視点や体験と重なることもありますから。

Q 日本のためにデザインされたコレクションについて

東京にコレクションを持ってくるということが決まった際に、アーカイブの中からムッシュと東京を繋ぐ参考資料を見つけました。彼は伝統的な着物と日本人女性の関わりを深く理解し、コートを制作していたんです。帯の結び目が隠れるように背中に丸みをもたせたものや、反対に帯がコートから覗くように背中にスリットを入れたものなど、着物を理解し、引き立てるデザインに感銘を受けました。そういった背景を踏まえて、今回のショーでは日本とディオールとの深い繋がりを表現したいと思っています。

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Q クチュールとプレタポルテ、デザインのアプローチは違う?

私のアプローチはすごく違うと思います。クチュールは職人技やヘリテージを色濃く反映したタイムレスなコレクション、そしてプレタポルテには職人技を取り入れますが、より今について語りかけるコレクションだと位置付けています。

Q 女性らしさ、男性らしさについてどのように考えていますか?

女性か男性かということではなく、才能があるか、クリエーティビティーがあるかが重要です。男性だから女性だからということはないと思います。ただ、私個人で言えば女性についてははっきりとした意見を持っています。女性は意見を押し付けられるということを好みませんし、だからこそ自身について理解すべきだと考えています。私はこの仕事が大好きですから私の視点からファッションを提案していますが、女性には自分で選択し、遊んで欲しいですね。そして自分らしくいて欲しいと願っています。

Q ファッション業界で仕事をする上で大事にしていることは?

明るく、遊び心を持ち、楽しむことです。機嫌が良くないと楽しくないでしょう?ファッションの業界にいるならハッピーじゃないと!

dior-20170303_003.jpg2017年秋冬コレクション PHOTO:DAVID LURACHI for DIOR


Q 前職(ヴァレンティノ)では2人でクリエーションを手がけていました。心細くない?

たしかにヴァレンティノではそうでしたが、過去も今もそうですが私は1人ではありません。チームで取り組んでいましたし、今も素晴らしいチームが私を支えてくれています。ファッションは1人では完成できないものなのです。

Q では最後にディオールを一言で表現するなら?

ヒュージ(HUGE)です。これまで関わってきたブランドとは次元が違います!だから私もまだいろんな人、いろんなことが徐々にわかってきているところなんですよ(笑)。

(聞き手:高村 美緒)

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