Image by: Parle Moi de Parfum

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フレグランスの魅力とは、単に“匂い”だけじゃない。どんな思いがどのような香料やボトルに託されているのか…そんな奥深さを解き明かすフレグランス連載。
第23回は、名調香師ミシェル・アルメラックのファミリーが立ち上げたフレグランスブランド「パルル モア ドゥ パルファム(PARLE MOI DE PARFUM)」の新作を携えて来日した2人の息子たちにインタビュー。
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パルル モア ドゥ パルファムの新作2品。左から:「ブロッサムズ スモーク」「オレンジ ハイパーエッセンス」(ともにオードパルファム 各100mL 各2万5300円)
Image by: Bluebell Japan
ミシェル・アルメラックは現代を代表する名調香師のひとりと言っていいだろう。これまで手掛けてきたフレグランスといえば「ボンド・ナンバーナイン(Bond No.9 New York)」、「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」、「バーバリー(BURBERRY)」、「クロエ(Chloé)」、「グッチ(GUCCI)」など挙げればキリがない。しかもそれぞれにおいて複数の香りを手掛けていることから、いかにブランドからの信頼が厚いかがわかる。
そんな彼の息子ベンジャミン・アルメラックが満を持して2016年に立ち上げた自身のブランド、パルル モア ドゥ パルファムから新香調2種が誕生。そのプレゼンテーションで来日したベンジャミンと兄のロマンにインタビュー。父が創り出し息子たちが継承するサヴォアフェールの裏側を聞いた。

◾️ロマン・アルメラック(Romain Almairac):元々は大手香料会社ロベルテグループの営業職に従事し、調香師に転身したのは3年ほど前。「ブロッサムズ スモーク」は父との共作
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⎯⎯ずばり、ミシェル・アルメラックが創り出す香りの魅力とは?
ロマン・アルメラック(以下、ロマン):“コントラスト”。それがパルル モア ドゥ パルファムのトレードマークといえます。“コントラスト”とは対比、つまり異なる素材を組み合わせてそれぞれが引き立つように調香します。だから上質な原料を厳選し、少ない種類で使うことがマスト。多種多様な原料を使うとぼやけてくるので。
⎯⎯日本の食でいう“食い合わせ”のようなものはある?
ロマン:それを探すのが私たちの仕事とも言えますね。長い経験上、マズイ組み合わせというのはわかっていますが、今まで誰も考えなかったような組み合わせを試して、自分たちのシグニチャーを築くことに日々努めています。

ジャワ島産のスモーキーなベチバーを主役に、ジャスミンやネロリのホワイトフラワーアコードで明るいコントラストをプラス。「ブロッサムズ スモーク オードパルファム」(100mL 2万5300円)
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⎯⎯お父さまから継承していることは他にもある?
ベンジャミン・アルメラック(以下、ベンジャミン):それは企業秘密(笑)。僕たちにとって“コントラスト”がとても大切なんですが、「なんでも試してみる」というのも大事な合い言葉のひとつ。今までウケていたフォーミュラがいくつもあって、それらを継承=コピーするのは簡単だし楽だけど、それでは何も生まれない。失敗するかもしれないけどトライする、それが“コントラスト”に次ぐ教えかもしれないですね。
⎯⎯コンセプトの継承というのはある?
ベンジャミン:コンセプトを売り物にしているブランドって多いですよね、特に「旅」をコンセプトにしたブランド。でも実際に嗅いでみると「これ、よくあるよね」というものが多い。そうではなくて、いろいろ試してみてうまくいきそうだったらそれを突き詰める。なかなか成功はしないので、何度も繰り返しトライする必要はあるけどね。

◾️ベンジャミン・アルメラック(Benjamin Almairac):大学で経営学を専攻。マーケティングにとらわれることなく父のクリエイティビティを生かすべく2016年、パルル モア ドゥ パルファムを設立。
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ロマン:例えばアイデアはどこから?ということをよく聞かれるけれど、私の場合、日常生活から生まれますね。今取りかかっているのが「コカ・コーラ」。みんなギョッとするんだけど(笑)、それをイメージソースにマスキュリンな面白いものができるんじゃないかと。もう可能性は見えてきています。調香師の特性としてみんな頑固一徹、掴んだものを離さない、諦めないというのがある。新しいコントラストを見つけるまで続けますよ。

「これ以上フレッシュなオレンジはないだろうという自負がある」とベンジャミン。英語名の最後の「X」は、いろんなオレンジ、生産者、ノウハウが詰まっていることを表現。「オレンジ ハイパーエッセンス オードパルファム」(100mL 2万5300円)
Image by: Parle Moi de Parfum
⎯⎯ところで、コロナ禍を経て世界的にフレグランス市場が活況を呈していて、ブランド数も商品数も増えています。それに応じて調香師も増えているようで、明らかにベテランと若手の違いが表れているように感じます。
ベンジャミン:それはもっともです。日本には伝統文化があって、それぞれに師匠がいてリスペクトされていると思いますが、残念ながら香水業界は違ってきています。ブームのようなものがあって、資本家はそれをチャンスとみて新ブランドや新調香師を売り出そうとします。でも必ずしも彼らがそれに見合った力を持っているわけではない。父もよく言っていますが、自分は一生をかけてこれだけのことをやってきたが、若手が出てくるのはとても嬉しいこと。でも必ずしも全員がモノになるとは限らない。経験のない人が作ったものはそれなり、ということです。
ロマン:「香りの美しさ」よりも「儲け」のほうに惹かれる人が、残念ながら少なくない。そんな違いを自身の鼻で嗅ぎ分けて、心地いいと心底思える香りを手に取って欲しいですね。
最終更新日:
ビューティ・ジャーナリスト
大学卒業後、航空会社、化粧品会社AD/PR勤務を経て編集者に転身。VOGUE、marie claire、Harper’s BAZAARにてビューティを担当し、2023年独立。早稲田大学大学院商学研究科ビジネス専攻修了、経営管理修士(MBA)。専門職学位論文のテーマは「化粧品ビジネスにおけるラグジュアリーブランド戦略の考察—プロダクトにみるラグジュアリー構成因子—」。
◾️問い合わせ先
ブルーベル・ジャパン:公式サイト
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