
Image by: FASHIONSNAP

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大自然など開放的な空間で、日常のしがらみを忘れて音楽と自由を謳歌する。そんな野外音楽フェスの季節がやってくる。その中でも大きな影響力を持つのが、2027年に30周年を迎えるフジロックフェスティバルだ。FASHIONSNAPでは、7月24日の開幕に先駆けてファッションに関わる業界人フジロッカーに話を聞き、今年のフェスコーディネートや、現地での必携アイテムを紹介する連載企画を実施中。
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第2弾のゲストは、毎回テント泊だという生粋のフジロッカー 今城薫さん。日本ファッション・ウィーク推進機構で、いわゆる“東京コレクション(東コレ)”のディレクターを務める今城さんは、どんなスタイルに身を包み、年に一度の大イベントを満喫するのか。毎度お馴染みの人も、初めて参加する人も、参加を迷っている人も参考にしてみては?
■今城薫
慶應義塾大学理工学部卒業後、伊藤忠ファッションシステムに入社。日本ファッション・ウィーク推進機構のプロジェクトとして「TOKYO FASHION AWARD」「FASHION PRIZE OF TOKYO」等の運営を担当。2019年に日本ファッション・ウィーク推進機構のディレクターに就任し、現職。
Instagram:@kaoru_imajo
晴れている限り、サンダル一択

「機能性はありつつ、あくまでシティ顔の服」が今の気分だと話す今城さん。いかにもアウトドアらしい派手なデザインは避け、いつものスタイルの中に“実は機能素材”なアイテムを忍ばせた。

今城薫
トレッキング用の靴やウェアで揃えていた頃もありました。ただ、フジロックでの過ごし方が徐々に変わってきたり、「ベイシックス(BASICKS)」の森川マサノリくんなど、知人たちがまるで渋谷にいるかのような格好で楽しんでいるのを見て、自分も普段通りの服装に落ち着いていきました。
今回のキーアイテムに選んだのは、「プロダクトトゥエルブ(Product Twelve)」のパンツ。通気性に優れた東レの機能素材「ドットエア®」を使用しており、シックな見た目と裏腹に軽快な着心地を楽しめる。


今城薫
東レの特殊技術によって極小の通気孔が無数に空いていて、とにかく涼しい。ウールのトラウザーズと見紛う上品な表情なのに、まるでメッシュのような肌離れのよさなんです。自分のフェススタイルにはもってこいの、これぞ高機能シティウェアです。
今城さんの“フジロック靴”はサンダルが基本。防水性の高いブーツなど数種類を用意するものの、晴れている限りはサンダル一択なのだとか。


今城薫
川遊びしたいので、“濡れない”靴よりも“濡れても乾く”靴が好み。ナイキの「フリー リフト サンダル」は、一日遊んでも疲れ知らずなクッション性が嬉しいです。天候に応じて靴も履き替えるのが、フジロックを快適に過ごすコツかもしれません。
Tシャツは「サスクワァッチファブリックス(Sasquatchfabrix.)」、キャップは「デリケートユニット(Delicate Unit)」のものをチョイス。デリケートユニットは、「ミドリカワ(Midorikawa)」を手掛けるデザイナー 緑川卓と、「コム デ ギャルソン オム プリュス(COMME des GARÇONS HOMME PLUS)」との協業でも知られるマスクアーティスト 村山伸によるデザインスタジオだ。そのほか、「タカヒロミヤシタザソロイスト.(TAKAHIROMIYASHITATheSoloIst.)」と「ヴァーグ ウォッチ カンパニー(VAGUE WATCH Co.)」のコラボウォッチ、「ラ・レフレクション(LA REFLEXION)」のリング、「ブラン(BLANC)」のサングラスなどを合わせた。





雨と寒さ対策として、今城さんは「アークテリクス(ARC’TERYX)」のシェルジャケットを持参。カナダ・バンクーバーのファクトリーストアで買った一着は、市販されているものとは一味違う背景があるそうだ。




今城薫
実はアークテリクスは企業向けにユニフォームも受注販売していて、これはそのために作られたボディだそうです。胸のロゴがないのは、通常はここに注文した企業のロゴが入るから。色もブラックの無地で、余計な装飾が一切ない。狙ったものではないのですが、このミニマルな仕様がかえって都会的でいいなと思って買いました。
フジロックに何を持っていく? 必携アイテム3選
水筒



「ダブレット(doublet)」と「レボマックス(REVOMAX)」とのコラボレーションボトル

今城薫
常に冷たい水を飲みたいので、保冷機能のある水筒が個人的な必携アイテムです。「ダブレット(doublet)」が2026年秋冬コレクションで発表した「レボマックス(REVOMAX)」とのコラボレーションボトルは、ゲットしたばかりのお気に入り。ガスボンベを思わせるフォルムやグラフィックがユニークで、近年の同ブランドらしい遊び心が詰まっています。「ハイドロフラスク(Hydro Flask)」のものも愛用していて、これは2本目として持っていきます。
バックパック


折り畳み椅子や履き替え用の靴など、持ち歩くアイテムが多い今城さんにとってバックパックはマスト。いつも持って行く「モンベル(mont-bell)」のメッシュギアパックは、東京でもヘビーユースするお気に入りだ。

今城薫
普段からバスケットボール等で使用しているメッシュのバッグは個人的な定番アイテム。濡れた雨具や靴を入れても気にならないので、フジロックにもピッタリだと思います。これでも容量が最も小さいモデルなのですが、一日分の荷物としては十分な大きさです。
グラスホルダー


日本発アイウェアブランド「カーニー(Kearny)」のグラスホルダー

今城薫
どれだけ気をつけても物を失くすのがフジロックの常ですが、サングラスは特に失くしやすいものの一つ。手に持っていると置き忘れなどのリスクが高まるので、失くしようがないようにグラスホルダーをぶら下げるようにしています。
仕事を完全に忘れられる、唯一の場所
──今城さんのフジロックでの過ごし方を教えてください。
2015年の初参加から、基本的にずっとテント泊です。キャンプ自体初体験だったので体力的にも精神的にもキツかったですが、その過酷さも含めてフジロックの魅力だと今では感じるようになりました。強風でテントが吹き飛ばされたり、暑すぎて朝5時に目が覚めたり。それもフジロックならではの非日常の一つで、東京での暮らしのリズムから離れるほど、その世界観に没頭できる気がします。
──これまでのフジロックで一番思い出深い出来事は?
初めて生で観た忌野清志郎さんのライブですね。世代じゃないので熱心なファンではなかったのですが、先輩たちに勧められるままに観たそのライブがあまりに良くて......すっかりファンになりました。偶然見かけたアーティストがお気に入りになったり、自分の音楽の趣味を押し広げてくれるような出会いがあるのがフジロックの魅力だと思っています。あと、これは教訓にしている失敗なのですが、初参加で防水性のない服を着て行ってしまったんです。雨に降られる度に濡れた服が重く冷たくなって、靴の中もずっと不快な感触で、それが3日間続きました。山の怖さを知って、機能素材にめちゃくちゃ詳しくなりましたね(笑)。
──今年の注目アーティストは?
毎年恒例のトップバッターである「ROUTE 17 Rock'n'Roll ORCHESTRA」です。日本を代表するロックスターが集まって、サプライズゲストも参加したりするお祭り感のあるライブで、これを観ないとフジロックが始まらないと思っています。イケている人たちが何を聴きに行くのかも毎年気になるポイントなのですが、その点では今年はアーロ・パークス(Arlo Parks)に注目しています。「ザ・エックス・エックス(The xx)」、「ハイ-スタンダード(Hi-STANDARD)」や「ベースメント・ジャックス(Basement Jaxx)」も個人的に好きなアーティストです。
──今城さんにとってフジロックとは。
仕事を完全に忘れられる、唯一の場所です。ファッション業界で働いていると、休日でもお構いなしに仕事の連絡があります。カレンダー通りに働く人ばかりではないので仕方ないのですが、携帯を手放して本当の意味で休める場所は、少なくとも東京にはない。フジロックの会場は、昔は携帯が使い物にならないほど通信環境が悪くて、物理的に仕事から離れることができました。そういう環境で過ごしているうちに、心もだんだん解放されていく。確かに、都市型フェスのようなアクセスの良さや快適さはありません。しかし、裏を返せば東京と距離を置けるということでもある。フジロックでの3日間の非日常は、仕事に追われる大人にとって真の意味での夏休みなんです。
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