

大自然など開放的な空間で、日常のしがらみを忘れて音楽と自由を謳歌する、そんな野外音楽フェスの季節がやってくる。その中でも大きな影響力を持つのが、2027年に30周年を迎えるフジロックフェスティバルだ。FASHIONSNAPでは、7月24日の開幕に先駆けてファッションに関わる業界人フジロッカーに話を聞き、今年のフェスコーディネートや、現地での必携アイテムを紹介する連載企画をスタートする。
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第1弾のゲストは、8年連続でフジロックに通い続けているというファッションエディターの大平かりんさん。「365日同じコーディネートはしません?」をモットーにSNSに私服を投稿し、多くのファンを獲得している大平さんは、どんなスタイルに身を包み、年に一度の大イベントを満喫するのか。毎度お馴染みの人も、初めて参加する人も、参加を迷っている人も参考にしてみては?
■大平かりん
雑誌「GINZA」「BRUTUS.jp」の編集部を経て、現在はIT会社員兼ファッションエディター。「365日同じコーディネートはしません?」をモットーに、インスタグラムで更新している私服にはファンが多い。
Instagram:@ko365d
サッカーユニフォームが着たい!

大平さんの今年のコーディネートのテーマは「サッカー」。2026年はワールドカップの開催でも話題のサッカーだが、実はフジロックと意外なつながりがあるという。

大平かりん
最近、フジロックの会場にサッカー好きな人がめちゃくちゃ多くて。普段外でユニフォームを着る機会がなかなかないというのもあると思うんですけど、フェスにユニフォームを着てくる人がたくさんいるんですよ。
知らない人同士でも、サッカーファンだと分かれば自然と交流が生まれる。それもまたフジロックの楽しみ方だと大平さんは話す。

大平かりん
今年は、私が応援しているサッカーチーム「アーセナルFC」が22年ぶりに優勝を果たした特別な年。やっぱりグーナー(アーセナルFCサポーターの総称)と喜びを分かち合いたいので、今年は絶対にユニフォームを着ていきたいんです。
その思いを体現するのが、「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」とアーセナルFCのコラボレーションアイテムだ。ファッショナブルでありながら、しっかりとサポーターとしてのアイデンティティも示すことができるのがお気に入りだという。


大平かりん
2日目に日本初公演を行うトモーラ(TOMORA)というグループを楽しみにしているんですが、ヴォーカルのオーロラ(AURORA)がグーナーで、普段からすっごくオシャレにアーセナルのユニフォームを着こなしているんです。私の中で、トモーラのライブを見るのにふさわしい服装はこれ以外に考えられません!
ボトムスには、サイクリングウェアから始まった「ジョアンナ パーヴ(JOHANNA PARV)」というブランドのアイテムを合わせた。スポーティーな素材感で水にも強く、フェスの環境に適しているという。足元は「キーン(KEEN)」のサンダルと「アリーズ(Aries)」のソックス。トップスと色合いを合わせ、スタイル全体をブルー系でまとめた。


フジロックに何を持っていく? 必携アイテム4選
折りたたみ椅子



まず大平さんが欠かせないアイテムとして挙げたのが、折りたたみ椅子だ。背もたれまでついているタイプだが、折り畳めば大きめのバックパックに収納して気軽に持ち運ぶことができる。

大平かりん
昔は前の方まで行ってスタンディングでライブを見ていましたが、やっぱり立ちっぱなしは大変なので。最初は背もたれがなく、更に小さく軽量なものを使っていたのですが、背もたれの快適さを知ってしまうともう戻れないですね(笑)。現地でPCを開いてちょっと仕事をしたいときにも大助かりです。
水筒


夏フェスにおける大敵として真っ先に挙げられる熱中症。こまめな水分補給は絶対に欠かせない。もちろん現地でもドリンクは販売されているが、自分の好みのものが売っているとは限らず、水筒があると大活躍するという。

大平かりん
最近私は「山椒カモミール」というお茶にハマっています。こういった特殊なドリンクは現地ではまず手に入らないので、茶葉を持って行って水筒に入れて飲んでいますね。また、夜になるとお酒を入れてチルタイムを楽しむこともできます。
雨具(レインウェア&ブーツ)




「女心と秋の空」という言葉があるが、同じように変わりやすいと言われるのが山の天気。フジロックの会場である新潟県湯沢町苗場スキー場でも急な雨は日常茶飯事だ。

大平かりん
7月といえど、雨に濡れると体温が下がって体調を崩すことにつながります。フジロックでは傘の使用が禁止されているので、膝まですっぽり隠れるレインウェアは欠かせません。また、足元が悪い中長い距離を歩くこともあるので長靴も必須アイテムですね。
レイバン スマートグラス


今後のフジロックの新たな定番として大平さんが挙げるのが、「エシロール ルックスオティカ(EssilorLuxottica)」が、メタ(Meta)と共同開発したスマートグラス。大平さんが愛用しているのは「レイバン(Ray-Ban)」のモデルだ。メタAIを搭載しており、「Hey Meta…」と話しかけることによってハンズフリーでの写真・動画撮影、通話、テキストメッセージの送信などを行うことができる。

大平かりん
ロックフェスでは荷物が多いので、手を使わずに操作できるのがいいですね。自分の視点をそのまま写真や動画に残せるので、自然で臨場感のあるものが撮れる。今年のフジロックではこのスマートグラスで撮影したムービーを使ってリール動画を作ってみようと思っています。
フジロックは年に一度の“祭り”
──大平さんのフジロックでの過ごし方を教えてください。
日中は現地で仕事をしつつ、空き時間や終わった後に好きなアーティストを見に行きます。夜は「レッド・マーキー」(会場内で唯一の完全屋内巨大テントステージ)横にあるフードエリアでご飯を食べることが多いです。ピザを食べてお酒を飲んで、深夜までやっているレッドマーキーでテクノとかエレクトロ系の音楽で踊って、疲れたらホテルに戻って寝ます。
友人に会うのもフジロックの楽しみの一つです。お互い忙しくて日頃会う機会はないけど、年に一度フジロックで絶対に会う同級生もいて、「元気だった?」とビール片手に近況を報告し合うのが毎年の恒例行事になっています。
──これまでのフジロックで一番思い出深い出来事は?
2018年にケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)を土砂降りの中で見たときのことです。どうしても生でケンドリックを見たくて、1組前から前方でポンチョを着て雨に耐えながら待っていました。山の天気は本当に容赦なくて、体は冷えきっているのに、誰も帰らない。みんなずぶ濡れになりながらライブを待つ、その空気感こそがフジロックなんだなと思いました。
雨の中で見たステージは、もくもくと煙が立ち込めていてどこまでも幻想的でした。すごく疲れて、夢うつつな感じで見ていた記憶があります。
──今年の注目アーティストは?
先ほどお話したトモーラのほか、ザ・エックス・エックス(The xx)、マッシヴ・アタック(MASSIVE ATTACK)、ターンスタイル(TURNSTILE)、藤井風さんは必ず見たいですね。映画「パプリカ」がすごく好きなので、平沢進さんも見逃せません。藤井さんや平沢さんのように、ワンマンライブに行きたいけどなかなか機会がないアーティストを生で見られるのは、フジロックの大きな魅力です。
──大平さんにとってフジロックとは。
「祭り」ですね。新しい出会いもあるし、旧交を温めることもできる。地方のお祭りって、そのときだけは地元から離れた人も帰ってきて、古い馴染みと会ったり新しい友達を作ったりするじゃないですか。フジロックもそういう感じ。“ロックフェス”という概念を超えた、私にとってなくてはならない存在です。
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