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フジロックで何を着る? 第5話:お笑い芸人 こがけんの場合

聞き手&文佐久友基

Image by: FASHIONSNAP

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 大自然など開放的な空間で、日常のしがらみを忘れて音楽と自由を謳歌する。そんな野外音楽フェスの季節がやってくる。その中でも大きな影響力を持つのが、2027年に30周年を迎えるフジロックフェスティバルだ。FASHIONSNAPでは、7月24日の開幕に先駆けてファッションに関わる業界人フジロッカーに話を聞き、今年のフェスコーディネートや、現地での必携アイテムを紹介する連載企画を実施中。

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 第5弾のゲストは、1997年の第1回からフジロックに通い続けているというお笑い芸人のこがけんさん。歌ネタという芸風通りの音楽好きであり、お笑い界きってのファッションラバーとしても知られるこがけんさんは、どんなスタイルに身を包み、年に一度の大イベントを満喫するのか。毎度お馴染みの人も、初めて参加する人も、参加を迷っている人も参考にしてみては?

■こがけん
吉本興業所属、歌ネタを得意とするピン芸人。おいでやす小田とのユニット「おいでやすこが」として2020年にM-1グランプリで準優勝。音楽や映画などのカルチャーにも造詣が深く、お笑い界有数と言われるファッションセンスでも注目を集める。
Instagram:@kogakenkoga

“手ぶら”への執念

SOUTH2 WEST8のフィッシングジャケット
COACHとBRAIN DEADのコラボレーションバッジ

 こがけんさんのフェススタイルは「手ぶら」が大原則。マチつきのポケットが大量についた「サウス2 ウエスト8(SOUTH2 WEST8)」のフィッシングジャケットが欠かせない。

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こがけん

釣りに適した本格仕様の短丈が、ファッションとしてもかっこいい。メッシュだから夏でも涼しくレイヤードできて、虫除けにもなります。カラビナをどこにでも付けられて便利だし、キーホルダーやピンバッチでデコれるのも嬉しい。よほど暑くない限りはこれを着て、鞄を持たずに身軽に過ごします。

HUMAN MADEのハンティングベスト
HUMAN MADEのハンティングベスト
HUMAN MADEのハンティングベスト
HUMAN MADEのハンティングベスト

メッシュジャケットの下に着るハンティングベスト

 とにかく両手を常に空けておきたいこがけんさん。ジャケットの下には、これまた大きなポケットが4つ付く「ヒューマン メイド(HUMAN MADE)」のハンティングベストを仕込み、さらに収納力を高める徹底ぶりだ。リバーシブル仕様で、連日身につけても飽きないのも嬉しいという。

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こがけん

僕の夏フェススタイルには欠かせないアイテムで、毎回着ていきます。フジロックよりも軽装でいいフェスなら、これ一着だけで手ぶらで楽しめるくらいです。

 標高1000メートルの山中で行われるフジロック。天気が変わりやすく、特に突然の大雨は毎年来場者を悩ませている。「足の冷えは全身に響くので、足だけは絶対に濡らすな」と語るこがけんさんが、“最強のフェスシューズ”と太鼓判を押すのが「ミズノ(Mizuno)」と「ノンネイティブ(nonnative)」のコラボスニーカーだ。

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こがけん

アッパーは伸縮性があって履き心地抜群、なのに「GORE-TEX®」で防水性も完璧なんです。トレッキングブーツと違って蒸れにくいのも良い。ソールはヴィブラムでグリップ力もあるし、汚れても洗うことができる。野外フェスで履くスニーカーとしては個人的にベストです!

 ボトムスは、スウェーデンのリゾートブランド「オーエーエス(OAS)」のショーツを合わせ、トップスにはホンダの軽トラックをモチーフにした「ヘンリー・ジョンソン(Henry Johnson)」のTシャツをセレクト。「オークリー(OAKLEY)」とNBAのスター選手 ジェイレン・ブラウン(Jaylen Brown)のコラボキャップや、パリ発のアイウェアブランド「イジピジ(IZIPIZI)」のサングラスで紫外線対策もバッチリだ。

手元は、マスタードイエローの「Gショック(G-SHOCK)」に、同色のスカルモチーフのリングを合わせ、ショーツのイエローとリンク。大胆な柄使いと相性のいいトライバルなネックレスは「プリーク(PREEK)」のもので、淡水パールがカジュアルになりがちなフェスファッションに上品な華やかさを添えている。

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こがけん

TPOを意識するというか、シチュエーションにファッションを合わせて楽しむタイプ。普段は取り入れない派手な柄や高機能なアイテムなど、フェスで使えるかもという気持ちで買い物をすることもあります。そういった準備の時間も醍醐味ですね。

フジロックに何を持っていく? 必携アイテム4選

スカーフ&スヌード

「ノーマリズム テキスタイル(NOMARHYTHM TEXTILE)」のスカーフ
「シデン(SHIDEN)」のスカーフ
「ザ・イノウエ・ブラザーズ(THE INOUE BROTHERS)」のスカーフ
「コロンビア(Columbia)」のスヌード

「ノーマリズム テキスタイル(NOMARHYTHM TEXTILE)」

 「芸風の都合上、日焼けは絶対にできない」と話すこがけんさん。必携アイテムとしてまず挙げたのは、顔まわりをすっぽりと覆えるスカーフやスヌードだ。

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こがけん

ハーレーに乗るバイカーみたいに口元を覆うように巻いてみたり、ティモシー・シャラメを意識してスヌードをすっぽり被ってみたり。あの手この手で日除けを楽しんでいます。一番のお気に入りは「ノーマリズム テキスタイル(NOMARHYTHM TEXTILE)」のもの。立体的なパターンで、Tシャツにこれを被るだけでフードが爆誕です。裏がメッシュなのも気が利いている。

大容量のバッグ

「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」と「セシリー バンセン(Cecilie Bahnsen)」のコラボバッグ
「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」と「セシリー バンセン(Cecilie Bahnsen)」のコラボバッグ

 着替えに雨具など、さまざまな装備が必要となるフジロック。会場ではなるべく少ない荷物で動きたいが、キャンプサイトや宿には大容量のバッグを持ち込んで備えたい。こがけんさんのお気に入りは、「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」と「セシリー バンセン(Cecilie Bahnsen)」のコラボレーションバッグだ。

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大平かりん

会場でこれを持ち歩くわけではなく、滞在中使用する可能性があるアイテムを詰め込んで拠点に置いておきます。このバッグの魅力はなんといっても、セシリー バンセンらしいドリーミーで愛らしいデザイン。ただのアウトドア用品よりも、道中のテンションがやはり上がるんです。

ポンチョ

「ナイキ(NIKE)」とトム・サックス(Tom Sachs)のコラボポンチョ
「ナイキ(NIKE)」とトム・サックス(Tom Sachs)のコラボポンチョ
「ナイキ(NIKE)」とトム・サックス(Tom Sachs)のコラボポンチョ
「ナイキ(NIKE)」とトム・サックス(Tom Sachs)のコラボポンチョ
「ナイキ(NIKE)」とトム・サックス(Tom Sachs)のコラボポンチョ

 傘の使用が禁止されているフジロックでは、レインウェアなどの雨具は必須。機能性ばかりを追求する向きもあるが、そんな環境でこそ遊び心を忘れないのがこがけんさんが紹介してくれたのが、「ナイキ(NIKE)」とトム・サックス(Tom Sachs)のコラボアイテムだ。

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こがけん

フジロックの会場は山中ですから、極論、山登りの装備で行くのが最適なんです。ただ、それだとファッションとしてはつまらない。そういう圧力にどう抵抗していくかが僕のテーマです。このポンチョは、スナップボタンを外して平らにすればレジャーシートにもなる優れもの。トム・サックス(Tom Sachs)らしい遊び心と実用性を兼ね備えたデザインが気に入っています。

履き替え用のサンダル

「サウス2 ウエスト8(SOUTH2 WEST8)」と「キーン(KEEN)」のコラボサンダル
「サウス2 ウエスト8(SOUTH2 WEST8)」と「キーン(KEEN)」のコラボサンダル

 「足の快適さはフェスでのQOLに直結する」と語るこがけんさん。フジロックでは状況に細かく合わせ、服だけでなく靴も履き替えるという。

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こがけん

天気が良い時間や水辺で遊ぶ際には、やっぱり開放感のあるサンダルがおすすめ。「キーン(KEEN))」と「サウス2 ウエスト8」のコラボサンダルは、つま先を覆うようにガードしてくれるので、人が密集するフェス会場でも安心です。

サコッシュ&財布

「ベータ ポスト(beta post)」の財布
「クレッタルムーセン(Klättermusen)」のショルダーバッグ
「アンベンドプロダクツ(UNBEND PRODUCTS)」と「ミンナノ(MIN-NANO)」のコラボレーションサコッシュ
左:「エド ロバート ジャドソン(ED ROBERT JUDSON)」と「トポロジー(Topologie)」のコラボレーションポーチ、右:大阪のセレクトショップ「イマジン(IMA:ZINE)」のポーチ

「ベータ ポスト(beta post)」

 こがけんさんの手ぶらスタイルで欠かせないのが、軽量なサコッシュやコンパクトな財布。機能性はもちろん、見た目にもユニークなアイテムを紹介してくれた。

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こがけん

「ベータ ポスト(beta post)」の三角形の財布は、おにぎりを包む笹の柄がプリントされていて面白い。広げるとお札も入って、小さいのに機能性も抜かりない。スウェーデン発のアウトドアブランド「クレッタルムーセン(Klättermusen)」のショルダーバッグは、荷物の量に応じて袋の大きさを調整できるので、サコッシュのような使い方もできて便利です。

カラビナ付きタオル

「ブレインデッド(Brain Dead)」のカラビナ付きタオル
「ブレインデッド(Brain Dead)」のカラビナ付きタオル

 手ぶらへの執念が凄まじいこがけんさんは、タオルも“ぶら下げる”ことで荷物を極限まで削減。「ブレインデッド(Brain Dead)」のカラビナ付きタオルは、テニスプレイヤー向けにデザインされたものだという。

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こがけん

お手洗いの後や食事中など、いつでもさっと手を拭けるのが気に入っています。大判のものはポケットになかなか収まらないので、手ぶらを愛する僕には嬉しいデザインです。

僕はフジロックで一度死んでいる

──こがけんさんのフジロックでの過ごし方を教えてください。

 フジロックでは観られなかったライブがあっても、不思議と嫌な気持ちにならない。つまり、ライブを観ること意外にも楽しみ方がたくさんあるんですよ。ステージの後方で日がな椅子に座ってのんびりするも良し、木陰でビールと食事を楽しむも良し。最近気に入っているのは、遠くから聴こえる音楽をBGMに川遊びをすること。子ども連れには特にそういうスポットが人気です。ライフステージに合わせた楽しみが用意されているのが、フジロックの魅力なんです。

──これまでのフジロックで一番思い出深い出来事は?

 やはり1997年、台風が直撃した伝説の第1回です。ぬかるんだ地面にサンダルが飲み込まれて、裸足で帰った人が何人もいました。雨に濡れて体温がどんどん下がっていくから、体を温めるために、生きるために必死でモッシュをしたんです。あの経験がなかったら、今でも安物のビーチサンダルと、Tシャツに短パンで参加していたかもしれません。特に印象深いステージは、トリのレッド・ホット・チリ・ペッパーズ(RED HOT CHILI PEPPERS)ですね。ヴォーカルのアンソニー・キーディスは腕を骨折したままステージに立っていて、演者も観客もその場にいる誰もがが満身創痍だった。ある種の臨死体験を全員が共有することで、後にも先にも感じたことのない一体感が生まれていました。閉演後は、シャトルバスに乗り切れなかった人たちが、アーティスト用の宿泊施設などに殺到して阿鼻叫喚。僕はあれを「フジロックライオット」と呼んでいます。

──今年の注目アーティストは?

 まずは藤井風ですね。世界的にこれほど高く評価された日本のポップスターは例がないですし、そんな彼が日本最大のロックフェスでどんなライブをするのか楽しみです。マッシヴ・アタック(MASSIVE ATTACK)も学生時代からファンなので必ず観たい。社会的でメッセージ性のあるパフォーマンスが持ち味なので、昨今の世界情勢に対してどのようなアクションを取るのか注目です。あとは、個人的にフジロックといえばのバンドであるセロ(cero)も楽しみ。ほかにも、バッドバッドノットグッド(BADBADNOTGOOD)やミツキ(Mitski)、トロ・イ・モア(Toro y Moi)も観たいですね。

──こがけんさんにとってフジロックとは。

 生命の祝祭です。生きていることに感謝です、マジで。僕は、第1回のフジロックで一度死んでいると思っていて。それくらい壮絶な体験でした。あの夜、納屋に泊まらせてくれた地元の見知らぬ人の厚意がなければ、今ここに僕はいないかもしれない。多少思い通りにライブが観られなかったりしても、生きているだけで御の字と思って過ごすといいです。初めて行く方もそうでない方も、やりすぎなくらいしっかり準備して五体満足で帰りましょう!

スタイリスト上村真生のフジロックコーディネート

前回の記事はこちら

フジロックで何を着る? 第4話:スタイリスト 上村真生の場合

CULTURE日本の夏、フジロックの夏'26

最終更新日:

聞き手&文・佐久友基

FASHIONSNAP 編集記者

神奈川県出身。慶應義塾大学法学部を卒業後、製薬会社に入社し着道楽を謳歌するも、次第に"買うだけ"では満足できなくなりビスポークテーラー「SHEETS」に弟子入り。4年間の修行の末「縫うより書く方が向いている」という話になり、レコオーランドに入社。シズニでワンドアなK-POPファン。伊勢丹新宿店で好きなお菓子はイーズのアマゾンカカオシュー。

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