マニアが「Gショック(G-SHOCK)」の魅力を深掘りする「マニアが深堀り! Gショック編」。Gショックにまつわる情報をほぼ毎日更新するサイト「great G-SHOCK world」運営者が、基本情報からマニアックな話まで独自の視点から紹介します。第1回となる今回は、Gショックの基本情報をおさらい。2023年には40周年を迎えるカジュアルウォッチについて改めてチェック!
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G-SHOCKとは?
Gショックが誕生する1980年代初頭において、腕時計は衝撃に弱く、高いところから落としたり強い衝撃を加えると壊れてしまうのが常識でした。Gショックの生みの親であり、いまやGショックファーザーとして世界中の人気者であるカシオ計算機の伊部菊雄氏は、それまでの腕時計の常識を覆すような丈夫で壊れにくい腕時計は作れないものかと思案し、開発に取りかかります。それがGショックの生まれたきっかけです。
Gショックは1983年の誕生当初、日本国内での人気はほとんどありませんでした。それまでの腕時計の常識とは大きくかけ離れたコンセプトやデザインが、日本の時計市場ではなかなか受け入れられなかったからです。そんなGショックに、まずはアメリカが注目します。
持ち前の堅牢さを表現するために、Gショックそのものをアイスホッケーのパックに見立てたテレビCMがきっかけとなり、アメリカ国内で人気が出始めました。CMの効果もあって、丈夫な時計としての認知が高まり、警察官や兵士たちの使う腕時計としてGショックが選ばれ続けるようになったのです。
さらに、Gショック人気の高まりはスケートボードやBMXなどのストリートカルチャーを愛する若者、そしてヒップホップなどのストリートミュージックを愛する若者に広がっていき、ファッションアイテムとしてのGショックが花開きます。
こうしてアメリカで火がついたGショックは、逆輸入的に日本でも支持を集めていきます。1990年代半ば頃はGショックにとってまさにバブル絶頂期。「Gショックブーム」の言葉が生まれるほど人気が高まり、特定のモデルにおいては発売日の時計店前に長蛇の列ができるなど、熱狂的なファンが生まれたこともありました。
さらにGショックは、その圧倒的な機能性で世界中に認知を広げます。生活のインフラが乏しい地域において日々の仕事をサポートする「日本の腕時計」はブランド価値が高く、また多くの有名人がGショックを愛用しだしたことで、ファッションアイテムとして憧れの地位も築いていきました。音楽界ではエミネム(Eminem)、ジョン・メイヤー(John Mayer)、ジャスティン・ビーバー(Justin Bieber)、ライムスター(RHYMESTER)のMummy-D、バンプ・オブ・チキン(BUMP OF CHICKEN)など。日本の芸能界にはケンドーコバヤシ、玉袋筋太郎、有吉弘行、カンニング竹山などGショックの愛用者は世界中に数多くいます。
コラボレーションモデルの存在も、Gショック人気を語る上で欠かせません。ファッションブランドやスポーツチーム、アーティストなどによってプロデュースされた商品を限定的に発売するコラボモデルは、マニアの間では通称「コラボGショック」と親しまれています。バッグブランドの「吉田カバン」、ファッションブランドの「ハフ(HUF)」、セレクトショップのユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)、音楽家の布袋寅泰、ジョン・メイヤー、プロゴルファーの石川遼、NBAバスケットボールプレーヤーの八村塁など、過去に発売されて話題となったコラボGショックはいくつもあります。
【GD-X6900MNM-1JR エミネムコラボGショック】2013年12月発売。エミネムはプライベートでもPVでもGショックを愛用していることで有名だが、これはGショック30周年のタイミングで企画されたスペシャルモデル。文字盤上部と遊環(バンドループ)にはエミネムのエンブレムである「∃」マーク。バンド部分にはエミネムが愛し、サポートするデトロイトの高層ビル群を象徴した「スカイライン」模様がデザインされている。実はこのモデルが発売された頃、コラボGショックに対してそれほど世間が熱を帯びておらず、近所の時計店で事前注文してあっさりと入手。
コラボGショックは通常モデルにはないカラーリングであったり、そのモデルにしかないプリントが施されているため、特にデザイン面を楽しむことができます。そして、発売本数が少ないので購入するまでのワクワク感や満足感も得られます。
どこでも使えるタフさの理由
Gショックは耐衝撃構造と防水機能において、絶対的な高機能を誇る腕時計です。なので、どこにでも安心して着用していくことができます。どのくらいタフかというと、アメリカで警察官や兵士がGショックを好むことからも分かるように、ミスが許されない命がけの仕事現場で信頼できるアイテムのひとつとして認知されています。ちなみに、アメリカでGショックは「コンバットカシオ」という愛称のもと親しまれています。
タフさの所以ですが、中空構造やカーボンコアガード構造など、いくつもの構造をもつことによって実現しています。そして防水機能も20気圧防水が標準仕様となっています。日常生活防水が3気圧、完全防水が10気圧と位置付けられていることからして、20気圧がいかにハイスペックなのかお分かりいただけると思います。なので、アウトドアやスポーツなどにはもちろんのこと、建設業務や防犯業務などの現場仕事での使用も全く問題にしません。そして、時計の重要な要素である視認性においても、見やすく、わかりやすいデジタル液晶パネルのイメージはたくさんの人に根付いているはずです。Gショックというのは、時計としての基本性能が世界トップクラスと言っても差し支えがないと思います。
そしてさらに近年は、「MT-G」「G-STEEL」「メタルカバード」など、スーツスタイルに合わせやすいメタル素材のカテゴリーも伸びていて、多忙なビジネスマンの腕元でキラッとセンスよく光りながら存在感を示すモデルが増加しています。
G-SHOCKは実生活の効率を高める“ツール”
Gショックのムーブメントは基本、電池クォーツによって作動しているものが多いのですが、実はそれに加えて、光充電機能や世界6局電波時計機能、そしてスマートフォンのアプリを通じて時刻補正を行う機能を持ったモデルも存在しています。
Gショックのクォーツムーブメントの公表精度は月差±15秒となっていて(筆者の経験からすると月差±8秒以内が多い感覚です)、さらに電波やスマートフォンのアプリで時刻補正を行うのであれば時間の差は理論上ほぼゼロに近いものとなります。
Gショックに備わる時刻補正の精度の高さは日常生活にまったく支障をきたすことのないクオリティであり、むしろ一般的な機械式腕時計よりも信頼度は高いと考えて問題ないかと思います。正確な時刻は生活の基本中の基本です。また、正確な時刻から生まれる効率性も現代人にとって重要なはず。つまり、生活のほとんどすべてのシーンにおいて「Gショックさえ付けておけばなんとかなる」わけなのです。
会社勤めのサラリーマンにしても、起床とともにGショックを腕に巻く、なんてことから一日をスタートさせるのもいいでしょう。スマートフォンと連携する機能を備えるモデルであれば時刻がくるう心配は不要、快適な状態のまま順調に業務がこなせるはずです。仕事終わりにスポーツジムへと通うなどの日課をお持ちの方でも、Gショックを付けたまま活動的な時間を過ごし、運動後も時計ごとシャワーで汗を流すことができます。私自身、毎日の時間管理をGショックに頼ることで効率性の高まりを実感しています。
現代ではスマートフォンをはじめとした各種デバイスも正確な時刻を表示してくれます。しかし、Gショックのように本当の意味でいつでも携帯できて、防水性も堅牢さも兼ね備えている存在はそうありません。スマートフォンで時刻を確認する作業は一回につき、ほんの数秒です。しかしそれを一日に何回も繰り返し、毎日続けていくとひと月に十数分ほどの時間をロスしていることになります。まさに、タイム・イズ・マネー。Gショックはただ丈夫なだけの腕時計ではなく、生活の基本に据えることで自分の可能性を広げる腕時計です。そして高機能がもたらす効率性は、多忙な現代人にとって決して無視できない有益的な果実であることに異論も少ないはずです。
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