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「エルメス・イン・ザ・メイキング」展が京都で開催 職人技を見て体験できる展覧会

 紅葉が見頃を迎えた京都で11月22日、「エルメス(HERMÈS)」のクラフトマンシップにフォーカスした展覧会「エルメス・イン・ザ・メイキング」展が開幕した。会場は京都市京セラ美術館。フランスから来日した職人たちが手仕事を実演し、また来場者が実際に手を動かして楽しめるコンテンツを通じて、エルメスの真髄であるものづくりの魅力を感じ取ることができる。

「エルメス・イン・ザ・メイキング」展の職人たち Image by ©Nacása & Partners Inc.
「エルメス・イン・ザ・メイキング」展の職人たち
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 京都市京セラ美術館は期間中、エントランスへと続くスロープの柵がカラフルなグラフィックで彩られ、歴史的建築をモダンに演出。本館の南回廊1階が会場となった。

京都市京セラ美術館 Image by FASHIONSNAP
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 館内に一歩足を踏み入れれば、まるでアトリエのような雰囲気。4色のカラーと白木を使ったディスプレイが特徴で、道具や機械を操る音や、職人たちの声が響いている。

 会場内は4つのテーマ<クラフトマンシップの伝統と文化、すばらしき素材、ものづくりの地に宿る力、「時」はエルメスの友>で構成され、成長と進化を続ける職人技の実演だけではなく、10人の職人それぞれと対話することができるのが特徴。

 「今どんな工程の作業をしているのか?」「失敗することはある?」「働いていて楽しいことは?」など、来場者の質問に各セクションの職人が時にユーモアを交えながら答え、ものづくりの裏側を知ることができる。

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1. クラフトマンシップの伝統と文化

 1837年の創業以来、エルメスの原点といえるのが馬具。その中でも象徴的なのが鞍作りだ。フランスから来日した職人が、使い慣れた道具や素材を用いて、制作に取り組む様子を見ることができる。

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 皮革職人の道具を楽器に見立てて、オルゴールのように演奏することができるブースも。

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 エルメスのカレ(シルクスカーフ)はどのようにして作られているのか。フランス・リヨンの工房から来日した職人が、シルクスクリーン製版と、シルクのプリントの工程を公開。これまでに用いてきた色数は、全て合わせると75000色以上。細かいデザインとなると1枚のカレに最大48色を用いるという。

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 エルメスと京都のつながりとして、世界唯一の染色技法を受け継ぐ京都の工房「京都マーブル」のアーカイヴのカレを展示。粘土状の染料で染める特別な技法で、鮮やかなマーブル模様が特徴。唯一「MADE IN JAPAN」のカレとなっている。

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 塗り絵コーナーや、シルクスクリーン体験、そしてカレの絵合わせに挑戦するスロットマシーンなど、子どもから大人まで楽しめるコンテンツが用意されている。

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2. すばらしき素材

 磁器のブースで絵付けを行っていたのは、日本からフランスにわたったという磁器絵付け職人。極細の筆を使って原画を忠実に再現する。窯で何度も焼くことにより、鮮やかな色彩が現れるという。

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 ジュエリー本体に宝石を固定する石留めの技術。綿密な手仕事をモニターを通じて見ることができる。

 端材や傷がついた製品などを違うものに作り変えて再び息を吹き込むユニークなコレクション「petit h(プティ アッシュ)」の展示。また、複数の種類のレザーがそれぞれ瓶に詰められ、香りの違いを楽しめるコーナーも。さまざまな角度から素材を探求していく。

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3. ものづくりの地に宿る力

 22の工程によって生み出される手袋。革を丹念に伸ばしてから裁断し成形していくことで、それぞれの手にフィットする製品になるという。

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 エルメスのバッグはどのようにして作られているのか。熟練の組み立て職人が、手を動かしながら丁寧に説明する。代表的な「ケリー」バッグは40点あまりのレザーパーツから作られ、1人の職人が1つのバッグを数日かけて手作業で仕上げていく。

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4. 「時」はエルメスの友

 エルメスにおいて「時」は大切な友として尊ばれているという。複雑な技術を習得するための何年にもわたる修行期間や、製品を仕上げるまでにかかる日数など、より良い製品は時間によって生み出されると捉える。また、手入れや修理によって長年にわたり愛用できることもエルメスの魅力だ。

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 時計職人のブースでは、極小の部品を組み立てる工程を披露。また革製品の修理の実演として、バッグのベルトをサドルステッチで付け直す作業が行われていた。修理職人は世界の主要都市に点在しており、修理や修復を求めて毎年10万点以上の製品が持ち込まれているという。

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 フロアに設置されている電話機では、実際に世界中のエルメスのアフターサービス部門に寄せられたユニークな顧客の声を「お客様相談窓口ストーリー」として聴くことができる。

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 スタート前日にはプレスプレビューが開催され、この日のために来日したエルメス インターナショナルのエグゼクティヴ・バイス・プレジデントのオリヴィエ・フルニエ(Olivier Fournier)氏がトークセッションに参加。クラフトマンシップが息づいている京都の地との共通点や、職人をはじめ人を尊重するエルメスのスピリットについて話した。歴史をリスペクトしながらも革新的な取り組みを続ける姿勢や、職人のモチベーションにつながっているという創造の自由について言及。展覧会に際して「職人と出会い、その思いを感じてもらえたら」と呼びかけた。

特別に開催されたトークセッション。左から、モデレーターの国谷裕子、映画監督の奥山大史、エルメス インターナショナル エグゼクティヴ・バイス・プレジデント オリヴィエ・フルニエ Image by FASHIONSNAP
特別に開催されたトークセッション。左から、モデレーターの国谷裕子、映画監督の奥山大史、エルメス インターナショナル エグゼクティヴ・バイス・プレジデント オリヴィエ・フルニエ Image by FASHIONSNAP

■「エルメス・イン・ザ・メイキング」展 
会場:京都市京セラ美術館 本館 南回廊1階 
住所:京都市左京区岡崎円勝寺町 124 
会期:2022年11月22日(火)~11月27日(日) 
時間:10:00~18:00(入場無料、オンライン予約制)
「エルメス・イン・ザ・メイキング」展 お問い合わせ窓口 0120-375-040(10:00~18:00)
エルメス:公式サイト

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