Fashion インタビュー・対談

【インタビュー】「テクノロジーが進むほど自然に近づく」イリス・ヴァン・ヘルペンが考えるファッションの未来

デザイナー イリス・ヴァン・ヘルぺン
デザイナー イリス・ヴァン・ヘルぺン
Image by: Fashionsnap.com

 3Dプリンターをはじめとする最新テクノロジーを駆使したアヴァンギャルドなコレクションが注目を浴びる気鋭ファッションデザイナー、イリス・ヴァン・ヘルぺン(Iris Van Herpen)が来日し、日本で初の個展を開いた。モードの歴史が深いパリのオートクチュール協会から認められたそのクリエイションは、ビョークやレディー・ガガといったアーティストらにも愛されている。新時代の美を追求するイリスに、実験的な服作りの背景と、テクノロジーがもたらす未来のファッションについての考えを聞いた。

■マックイーンから学んだ服づくりとルーツ

―日本初の個展、実験的かつ美しいドレスの数々は見応えがありました。

 ファッションの展覧会というと、過去にさかのぼった内容になることが多いですよね。でも今回は、レディー・トゥ・ウェアとオートクチュールを組み合わせて最新の形で見せているので、特別な空間になりました。

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iris-van-herpen-20150820_027.jpg西武渋谷店で開催「イリス・ヴァン・ヘルぺン展」では、アーカイヴから最新コレクションまで、様々な技術による厳選された作品を展示

―自身のブランドを立ち上げる前にアレキサンダー・マックイーンの元で経験を積んでいますが、繊細かつアバンギャルドな作風は、通ずる部分があるように感じます。

 当時は、素材やクラフトマンシップ、手作業の重要性といった、あらゆることを学びましたね。もちろん、リー・マックイーンからは大きな影響を受けました。彼の世界観やヴィジョン、そして常に"自分らしさ"に忠実である姿勢など、亡くなった今でも尊敬して止みません。

―デザイナーとしてのルーツは他にもありますか?

 わたしは以前からダンスをしているんですが、身体の動きや、自由に形を変えて表現する「ダンス」はルーツのひとつですね。また「科学」については、自分の持っている発想を超えてくるので参考になっています。これまでもアーティストや建築家と仕事をしてきましたが、「アート」は非常に重要な要素。それから、「自然」と「クラフトマンシップ」は欠かせません。私達は自然から生まれてきているので、そこから生み出されるテクニックやクラフトマンシップは、とても大切にしています。

iris-van-herpen-20150820_005.jpg展覧会の会場内は、ロボットデザイナーの松井龍哉が演出した

■テクノロジーが進めば進むほど自然に近づく

―イリスさんは最先端のテクノロジーを取り入れたクリエイションで知られているので、「自然」とはかけ離れているようにも感じます。

 いいえ、決して異なるものではありません。「テクノロジー」というと、「自然」とは相対関係にあると思われがちですが、私はテクノロジーが進めば進むほど自然に近づくものだと考えています。自然によってテクノロジーが発展することもありますし、テクノロジーと自然はイコールな関係。クラフトマンシップによる手作業は重要ですが、テクノロジーも同じように重要だということです。両方をうまく組み合わせることで、作品の自由度が広がり、より新しいものが作られます。テクノロジーから直接インスピレーションを得ることはありませんが、自然からは大いにインスピレーションを得ますから。

iris-van-herpen-20150820_013.jpg3Dプリンターで作られたドレス

―そういったインスピレーションや技術からどのように服をデザインしていくのでしょうか? プロセスについて教えてください。

 まず「試す」ということから始めます。作り始める時には終わりが見えない状態ですから、様々なテクニックや素材を実験的に使い、試行錯誤している内にコンセプトが見えてきて、ドローイングをしたり、テクニックをより突き詰めたり、どれも並行して進んでいくという形ですね。知識ではなく感覚を使っていくと、その作品に入り込むことができます。頭で考えてしまうと予測できる結論になってしまいますが、思いがけない発見をしたいので。

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