左「Zara Emotions Collection by Jo LOVES」のアイテム/右 ジョー・マローン
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Beauty インタビュー・対談

【インタビュー】ヒット香水生みの親がZARAとコラボ ジョー・マローンに聞く好きな香りからフレグランスの次のトレンドまで

左「Zara Emotions Collection by Jo LOVES」のアイテム/右 ジョー・マローン
左「Zara Emotions Collection by Jo LOVES」のアイテム/右 ジョー・マローン

 「ザラ(ZARA)」が、ジョー・マローン手掛ける「ジョー ラブズ(Jo LOVES)」とのコラボレーションコレクションを5月27日に発売する。「ジョー マローン ロンドン(JO MALONE LONDON)」創設者としても知られるジョー・マローンが今回提案するのは、服から生まれた8つの香り。どんな仕事も常に100%で挑むという彼女が仕上げた新しい香りは、本格的でありながら、1,190円から手に入る"ザラ価格"が嬉しい。今後継続していくザラとのパートナーシップ第1弾となる今回のコレクションについて、ロンドンに住むジョーにZoom越しに聞いた。

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ジョー・マローン
フェイシャルセラピストとしてキャリアをスタートし、顧客のために自宅のキッチンで調合したフレグランスオイルが話題を呼び、「ジョー マローン ロンドン」を設立。1999年にエスティ ローダー社に同ブランドを売却後、37歳の時に乳がんが発覚したことから、2006年にクリエイティブディレクターを退任。2011年に新たにフレグランスブランド「ジョー ラブズ」を立ち上げた。
ジョー ラブズ 公式サイト

 

― 新型コロナウイルスの影響により日常が一変しましたが、ジョーさんは最近は何をして毎日を過ごしていますか?

 基本的には家で一日中ずっとフレグランスを作っています。香り作りは私にとって仕事ではなくて、自分に水を与えるような作業。没頭できるんです。あとはビジネスに関する講習をすることも多いので、今苦労している生徒にアドバイスをしたり、忙しくしています。

― 今の日常においてジョーさんはどんなことに癒やされたり、幸せを感じますか?

 料理をすることです。料理は香り作りに似ていると思います。毎日夫と息子のために料理をしているんですが、テラスにハーブを見に行って「今日は何が作れるかな?」って考えたり。

― ジョーさんが一番好きな花は何でしょう?

 オレンジブロッサムです。小ぶりな白いお花ですが、開花するとまるでオペラ歌手のようにパワフル!オレンジフラワーウォーターは、香料としてもお気に入りの一つです。

― フレグランスの他に、ジョーさんが日常において好きな匂いはありますか?

 その土地土地の匂いが好きです。独立記念日はよく家族でモンタナに行くのですが、そこで嗅ぐ朝の馬の匂い、太陽が差したレザーサドルの匂いも好き。大の動物好きなので、飼っている犬の匂いも。家の匂いも好きですよ。家ではジョー ラブズの「Pomelo」コロンを使っているのですが、家に入ってきたときにふわっと香るんです。朝の温かいコーヒーの匂いも好き。春の匂いも好き。たくさんありすぎて、全て言い切れないと思います(笑)。香りは私にとって言語のようなものですから。

― 新型コロナウイルスの流行は、フレグランス業界にどのような新しい動きを生み出すと思いますか?

 面白い時代が始まると思います。グローバル規模でパンデミックが起こったことで、世界中のみんながまた「人生」に貪欲になりましたよね。匂いの記憶は、人々の「人生」の記憶を呼び起こします。旅行に行けないし、やりたいことができないからといって、香りが生活から消えるわけではありません。そういったことも踏まえて、ブランドのコミュニケーションの仕方が変わっていくと思います。どのように香りを使って、それが自分にとってどのような意味を持つのか...。商品の質が良いことはもちろん重要ですが、同時に、メッセージ発信に重きを置くようになっていくのではと予想します。あとは、安心感を与える香り。私にとってそれはシトラスのコロンなんですが、嗅ぐと安心できる"フィールグッド"な香りがトレンドになるのではないかなと思います。

― 「ザラ」とのコラボレーションはどのように進んでいったのでしょうか?

 ザラは個人的にもよく買い物をするブランドで、オファーを頂いたときは信じられないくらい嬉しかった!協業が決定し、改めてザラとジョー ラブズのヘリテージについて考えた時、それは「美しいファッションアイテムを多くの人に届けること」、そして「美しいフレグランスを作ること」でした。今回のコラボではその二つを融合したアイデンティティをもとに、香りを作りました。

 ザラとコラボするならファッションアイテムを起点にしようと思い、まず自分のクローゼットに目を向けました。20年以上愛用していて"ラッキージャケット"と呼んでいる「ダナキャラン(Donna Karan)」のヴィンテージのレザージャケット、パリでの素晴らしいディナーに着ていったティードレス、自分でデザインした刺繍入りの真っ赤な着物……。クローゼットに並ぶ服一つずつのストーリーについて考えた時、それらは自分の人生のストーリーでもあると、当たり前ですが気がつきました。レザージャケットは最初のお店をオープンしたときに着ていたし、このドレスは乳がんを克服した後に初めて外で着たもの。こういったパーソナルな記憶を着想源に、今回のフレグランスは、全て服にまつわるストーリーを持たせることに決めました。例えば「Vetiver Pamplemousse」は、パリッとした真っ白なシャツ、「Tubereuse Noir」はブラックタイイベントで着るようなパワフルなブラックドレス、「Fleur D'Oranger」は太陽が照らす中で着るゴールドに輝くドレス、「Waterlily Tea Dress」はヴィンテージのティードレス、「Fleur De Patchouli」はレザージャケットにバイカーブーツを合わせたロックガールのようなスタイル...というイメージ。

オードゥパルファンは3サイズを用意。10ml(ロールオンタイプ)が1,190円、40mlが2,990円、90mlが4,990円(税込)

― 日本で人気を集めるのはどの香りだと思いますか?

 「Vetiver Pamplemousse」が人気になるのでは、と思っています。ただ世界的には、「Ebony Wood」が最も売れていますね。

パッケージデザインは、アートディレクターのエズラ・ペトロニオ(Ezra Petronio)が担当。「ザラ」のフレグランス商品の包装としては初めてセロハンやプラスチックを一切使用せず、また着色剤の使用を避けるために透明なガラス瓶を採用するなどサステナブルな視点を持ち合わせたデザインに。

 

― 全8種類の香りの中でジョーさんのお気に入りは?

 「Vetiver Pamplemousse」と「Waterlily Tea Dress」です。おすすめの付け方としては、「Waterlily Tea Dress」をまず体全体にスプレーして、その後に「Vetiver Pamplemousse」を重ねてみてください。フレグランスのレイヤリングをするときは、必ずヘビーな香りを先に着けて、ライトな香りを上に重ねるようにしてくださいね。今回のコレクションでは、「Vetiver Pamplemousse」が最もライトな香りで、どの香りとも相性が抜群。ヘビーな香りは「Fleur De Patchouli」と「Bohemian Bluebells」ですね。

― 価格が1,190円からとお手頃なので、複数手に入れてレイヤリングも気軽に楽しめそうですね。ジョーさんは普段どのように香りを身にまとっているのでしょうか?

 私は2〜3種類の香りをレイヤリングするのが定番で、一つの香りだけをつけることはほとんどないんです。絵を描く時、キャンバスに様々な色をのせていくでしょう。フレグランスをつける時も、自分の体をキャンバスに見立てて、あらゆるパーツに異なる香りを重ねていくんです。ちなみに、手首に香りを吹きかけてこすり合わせるのは、トップノートを潰してしまうのでダメですよ。スプレーで吹いてから、自然に乾かすのがオススメです。

― ザラとのコラボの過程で、印象的だった出来事はありますか?

 ヨーロッパでは昨年末に発売し、ロンドン、パリ、イタリア、スペインと発売に合わせて各地を訪れイベントを行いました。パリは香水の街でもあるので、イベント当日は、入学初日の子どものように緊張したのを覚えています。そんな中で、パリのジャーナリストの方に言われたコメントがとても印象に残っています。「最初にコラボの話を聞いたときは何故?と思った組み合わせだったが、実際に香りを体験してみると最も自然なコラボレーションだと実感した」と。その言葉を聞いて、とても嬉しかったです。

 また19歳の息子がいるんですが、大学の友人たちから「お母さんの香水がザラでいつローンチするのか教えてくれない?」とたくさん言われたみたいで(笑)。みんなが手の届く価格帯でラグジュアリーな香りを提供できたことは、とても誇りに思います。これはザラなしでは絶対に実現できなかったことだと思うので本当に感謝しています。

キャンドル 税込3,590円

― ザラとの今後のコラボの展開について教えてください。ジョー ラブズが展開しているペイントブラシ型のフレグランスがでてくる可能性は?

 詳しいことは言えないですが、今回で終わりではありません。これは長期的なパートナーシップで、次のコレクションも既に製作済みです。ペイントブラシについては...ぜひ期待していてください。

― ジョー ラブズは現状日本からはECサイトのみで購入可能ですが、アジアへの出店予定はありますか?

 詳細はまだ伝えられませんが、予定はあります。1年以内には何かニュースを伝えられるはずなので、楽しみにしていてくださいね。

― 最後に、世界中で愛される香りを作り続けてきたジョーさんにとって、フレグランス作りのフィロソフィーは?

 フレグランスは人生に少し似ていて、最も高級な原料を使えば最も素晴らしい香りが生まれるというわけではないんです。ときには、お手頃な原料の方が上手くいくこともある。例えば、高価でナチュラルな香料は香りが強いのでフレグランス全体を支配してしまいますが、その一方で合成香料の方が全体的な調和がとれることもある。要するに、重要なのはバランスなのです。

 そして「ジョー ラブズ」でも、「ジョー マローン ロンドン」時代も、今の「ザラ」との仕事でも共通しているのですが、私の仕事のフィロソフィーは、常に自分の100%で応えること。自分が関わるプロジェクトについて上下ランクで見ることは絶対にしないし、その時々の自分のベストを尽くしたものを作ります。自分のクリエイティビティに正直なこと、そして周りと違うことに挑戦するのを恐れないこと。新しいことに挑戦する度に、それを好きと言ってくれる人と、そうでない人が必ずいます。フレグランスに限らずですが、大事なのは他人に認められるために表現するのではなく、自分の「声」を見つけるために創造力を発揮すること。やがてその一貫した芸術性が、世界からあなたが愛される理由になるはずですから。

■「Zara Emotions Collection by Jo LOVES」
【価格】
オードゥパルファン:90ml 4,990円/40ml 2,990円/10ml 1,190円
キャンドル:3,590円(全て税込)
【全8種の香り】
・Vetiver Pamplemousse (グレープフルーツ/マンダリン/ベチバー)
・Waterlily Tea Dress (ベルガモット/スペアミント/ムスク)
・Ebony Wood (ペッパー/クローブ/エボニー)
・Amalfi Sunray (ベルガモット/マンダリン/オレンジフラワー)
・Tubereuse Noir (イランイラン/チューベローズ/サンダルウッド)
・Fleur D'Oranger (オレンジフラワー/ネロリ/イランイラン)
・Fleur De Patchouli (ピオニー/パチョリ/ユソウボク)
・Bohemian Bluebells (ラベンダー/サンダルウッド/ムスク)

5月27日(水)から全国のザラ店舗およびオンラインショップで発売予定
>>ザラ:公式サイト

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