Fashioninterview

「世界一のブランドに」クロスカンパニー新ブランド「KOE」の戦略を聞く

KOE ヴィジュアル
KOE ヴィジュアル

 創業20周年のクロスカンパニーが立ち上げた大型SPAブランド「KOE(コエ)」が、9月に岡山市内の1号店でスタートする。子供から大人まであらゆる世代、様々な人種に向けた「フェアファション」をキーポイントにした、世界進出を狙う国際戦略ブランドとして同社は位置づけている。「earth music&ecology(アース ミュージック& エコロジー)」など主に女性向けのファッションで急成長してきたクロスカンパニーだが、代表取締役社長の石川康晴氏は「KOE」で売上高1兆円の目標を掲げ、「世界一のブランドを目指す」と意気込む。

―「KOE」のデビューに際して、まずは石川社長の意気込みを聞かせてください。

 経営者生命をかけて、世界一のブランドにしたいですね。海外では既に年間売上高が2兆円に迫っているグローバルブランドがいくつかありますが、それらを超えるブランドをイメージしてスタートします。

―どういった競争力を持って、世界中のグローバルSPAブランドと差別化を図っていくのでしょうか。

 世界でも売上高1兆円を超えているアパレルSPA企業は主に、「ZARA」のインディテックス、H&M、Gap、そして「UNIQLO」のファーストリテイリングの4社ですが、これらは全体的な概念として"ファストファッション"と捉えられます。「KOE」がどう差別化していくかの第一は、"フェアファッション"を目指すこと。ものづくりの工程で管理を強化して公正な物づくりを徹底し、競争相手4社よりも高い次元で「The Fairest Supply Chian(=最もフェアなサプライチェーン)」を確立することで構造的な差別化になると考えています。フェアサプライチェーンによって高品質の生産が可能になることも特徴です。デザインの部分ですが、モードをリアルに落としこむ、ということを意識しています。世界中を見ても、日本はモードを日常で着れるセンスがある国だと思うんですね。また、中間層にもサブカルチャーが浸透していることも見逃せません。「フェアファッション」と「リアルモード」、そして「サブカルチャー」がキーワードです。

koe_debut_v01-20140626_014.jpg

ウィメンズ、メンズ、キッズ、ジュニア、マタニティまで網羅するラインナップ


―「フェアファッション」について、具体的な取り組みは?

 フェアトレードの服作りに取り組んでいて、デビュー時にはオーガニックコットンを使ったTシャツを展開する予定です。NGOを通じて、後発開発途上国で低年齢で母親になった女性などを経済支援していきます。

 CSV(共通価値の創造)の面では、来春までに世界中で消えかかっている伝統工芸との取り組みも考えています。再度新しい価値を創出させて市場に展開する、いわゆる地域再生プロジェクトのような仕組みですね。「KOE」というチャンネルを通じて伝統工芸を守ることを使命に、日本各地の伝統技術にも注目していきます。

koe_debut_v01-20140626_010.jpg

メインターゲットは30〜40代の男女で、想定客単価は8,000円


―1号店は9月に岡山、2号店3号店は10月に高松と新潟に出店。なぜ、東京や大阪といった大都市ではなく地方からスタートするのでしょうか?

 1号店については僕のわがままかもしれませんが、生まれ育った街、起業した街、それらを通じてお世話になった街に国際戦略ブランドを出店することで、地域の人に誇りに思ってもらえるような、愛されるブランドとしてスタートができればと思っているんです。それに、人口70万人の標準都市からスタートするということは、経済合理性もあると考えています。

koe_shop_01.jpg

koe_shop_02.jpg

1号店のイメージパース


―立ち上げ当初から海外展開を見据えていますが、具体的な出店計画は?

 3年以内に銀座や渋谷、新宿のいずれかに国内旗艦店、5年以内にはアメリカ、ヨーロッパ、中国で国際旗艦店を出店する計画です。僕が考える候補地としては、ロンドンのOxford Street、アメリカの5th Avenue、そして上海の南京西路(ナンジンシールー)の3ヶ所。5年後以降は、完全にグローバルブランドというブランディングで一気に拡大させます。

koe_debut_v01-20140626_011.jpg


―ブランドのアンバサダーにChara(チャラ)とSUMIRE(スミレ)の母娘を抜擢した理由は。

 Charaさん自体が、サブカルチャーとモードの要素を持っています。地球平和の意識もあり、その生き方がブランドコンセプトにぴったりだったんですね。親子の関係性が友だちに近いような、ネオファミリーの要素を持っていて、「KOE」の概念から見て理想のお母さんと娘の関係性なんです。

koe_debut_v01-20140627_002.jpg

CharaとSUMIREの共演は「KOE」が初


―売上高1兆円は、昨年ファーストリテイリングが国内の衣料業界で初めて達成して話題になりました。世界的に見てもかなり高い目標です。

 目標達成は2030年に設定しています。「ユニクロ」はここ10年で急成長していますが、より早いスピードで到達するように高い目標を掲げています。これまでクロスカンパニーが20年にわたって積み上げてきたノウハウと、最適なマーケット分析で国際戦略を進めることで、早期に達成したいですね。

 特に我々にとって、2009年の「THOM BROWNE. NEW YORK(トム ブラウン ニューヨーク)」の買収で、欧米のマーケットやパリコレクションを通じたブランディングとリソース、欧米のエディターや百貨店とのネットワークなどを吸収できたことは大きい。一方でアジアにおいては、「earth music & ecology」を筆頭に実績を積み、展開を拡大しています。海外マーケットについて綿密な調査や分析も行ってきました。欧米の基礎知識とアジアの基礎知識を得た今、この2014年のタイミングでデビューする国際戦略ブランドは、スピード感をもって進められるだろうと自信を持っています。

koe_debut_v01-20140626_013.jpg


【関連】
チャラ親子が初共演 クロスカンパニー新グローバルブランド「KOE」初披露
KOE プレゼンテーション全ルック
・公式サイト:http://koe.com/

(聞き手:小湊千恵美)

最新の関連記事

Realtime

現在の人気記事

    次の記事を探す

    Ranking Top 10

    アクセスランキング