セバスチャン・ムニエのアーカイヴコレクション
Image by: LAILA TOKIO
10周年を迎えたコンセプトショップ「ライラ トウキョウ(LAILA TOKIO)」がスペシャルコラボレーション第二弾として、「アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)」のアーティスティック・ディレクターを務めたセバスチャン・ムニエ(Sébastien Meunier)のパーソナルコレクションを世界初公開。8月18日から31日まで展示・販売を行う。
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セバスチャンは、1974年フランス・ヴェルサイユ生まれ。1998年にファーストコレクションを発表し、1999年に自身の名を冠したメンズブランドを設立。「メゾン マルタン マルジェラ(Maison Martin Margiela)」でヘッドデザイナーを務める傍ら、2006年まで自身のブランドで発表を続けた。今回はセバスチャン自身が所有していた100点を超えるアーカイヴピースを展示・販売。ブランド設立前のコレクションやショーピースを含む、貴重なラインナップとなる。一部の商品はオンラインサイトでも発売し、世界中から購入が可能だ。今回のセレクションに強い思い入れを抱くセバスチャン本人に話を聞いた。
ジェンダーレスな世界観を築いた先駆者
—今回のスペシャルコラボレーションが実現した背景は?
私のキャリアにおいて、日本は特別な位置を占めてきました。インスピレーション源としてはもちろん、常に私の服に対して特別な反響がある国だからです。私自身のブランドから「アン ドゥムルメステール」に至るまで、ずっと熱心なコレクターがいてくれました。だからこそ、ライラ トウキョウが10周年記念に私の作品を展示してくれることを光栄に思っています。それらが再発見され、新しい世代と出会うきっかけになれば嬉しいです。
—ご自身のアーカイヴピースを改めてご覧になっていかがですか?
私はコレクションを通じて、自身のアイデンティティとその様々な側面を、自伝的かつ率直な方法で探究してきました。それは当時では新しく挑発的なことだったんです。私はランウェイを通じて体やセクシュアリティを包み隠さず探究し、コレクションごとに成長していきました。自分の感情をロマンチックに、時にユーモアや自嘲も交えて共有してきたつもりです。
—これまで人々から受け取ったフィードバックで印象に残っているものは?
25年前、私はジェンダーレスでエモーショナルなファッションを打ち出した最初のデザイナーの一人でした。新しい世代のデザイナーが「あなたが私たちの道を切り開いてくれた。あなたの作品がインスピレーションの源だ」と言ってくれたときは、とても感動しましたね。
大物審査員をうならせたファーストコレクション
—特に思い出深い作品はありますか?
今回展示される中で最も重要な作品は、背骨入りのブラックレザーのロングコートです。これは1998年のイエール国際ファッション&写真フェスティバルで優勝した、私のファーストコレクションのもの。そのときの審査員はマルティーヌ・シットボン(Martine Sitbon)、フセイン・チャラヤン(Hussein Chalayan)、ジャン・コロナ(Jean Colonna)、アンドレ・プットマン(Andrée Putman)、ニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquière)といった顔ぶれでした。数ヶ月前にエスモードを卒業したばかりの新人デザイナーだった私の心境を想像してみてください……!
ほかには、幾何学模様のカットアウトを施したシャツと、解剖学的なシェイプのジーンズも展示します。これらは私のシグネチャーアイテムで、ブランドのために毎シーズンデザインしたものです。
ファッションを通じて、人々と夢を共有したい
—現在はどんな活動を?
順を追って説明すると、「セバスチャン・ムニエ」のブランドを進めながら、私は既にマルタン・マルジェラ(Martin Margiela)と仕事をしていて、メンズコレクションの全てをデザインしていました。その後、創業者の後任として「アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)」のアーティスティックディレクターに就任しましたが2020年に退社し、現在はイタリアを拠点にデザインコンサルタントをしています。
—最後に日本のファンにメッセージをお願いします。
夢を見ることは、ファッションの主要部です。人々が私の夢を、自分自身のものと同一視してくれることには大きな意味合いを感じます。私の服が彼らの感性をあらわにし、自由に表現できる手助けができることを願っています。同じ夢を共有するかのようにね。
東京・渋谷に店を構えるライラ トウキョウは、以前よりセバスチャンのクリエイションに着目し、収集してきたという。今回は1998~2006年のコレクションから、"アヴァンギャルド"をテーマにアイテムをセレクト。「『セバスチャン・ムニエ』の服は、ファーストコレクションを見ても明らかなように、型にはまらない新しい男性像を提案している。今見ても、"過去"という表現が似合わない、大胆かつ革新的な服ばかり。デザイナーの思考や意図を感じさせるエモーショナルな服が多く、ブランドのアイデンティティや世界観をより深く、正しく伝えるために今回のコラボレーションを企画した」と担当者は語る。アイテムは全て一点物、8月末までの期間限定なのでぜひ早めにチェックを。
■LAILA TOKIO 10th Anniversary Special Collaboration #02
'From the personal collection of Sébastien Meunier'
会期:2023年8月18日(金)~31日(木)
会場:LAILA TOKIO
住所:東京都渋谷区渋谷1-5-11 2階
電話番号:03-6427-6325
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