「アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)」は1985年に創業したベルギーのファッションブランド。デザイナーのアン・ドゥムルメステールは、「アントワープ・シックス」の1人として知られ、カリスマ的な人気を誇る人物でもあった。日本での売れ筋アイテムは、メンズのブーツやパンツなど。根底にロックのスピリットを感じるアイテムが、支持を得ている。
ANN DEMEULEMEESTERのコレクション
デザインチーム
Design team
「アン ドゥムルメステール」は2013年に、創業デザイナー自身がブランドを去り、メンズラインのヘッドデザイナーを務めていたセバスチャン・ムニエ(Sébastien Meunier)が2代目デザイナーに就任した。2020年にムニエは退任し、イタリアのセレクトショップ企業アントニオーリ(ANTONIOLI)が買収。現在(2021年11月)は、デザインチームがコレクションを制作する。
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目次
- BRAND CONCEPT -
特徴は、ロマンティックでダーク、ロックな世界観
「ANN DEMEULEMEESTER」2015春夏コレクション
アン ドゥムルメステールの魅力は、白や黒を基調とした繊細でロマンティック、ダークな唯一無二の世界観だ。ロックやアヴァンギャルド、アートなどのカルチャーを背景にしたコレクションは、創業デザイナーの親友でミューズでもあったパティ・スミス(Patti Smith)のスタイルを連想させる。過去には、パティ・スミスがランウェイを歩き、彼女の詞をプリントしたウェアなども登場している。
- CHARACTERISTIC ITEM -
売れ筋アイテムは、メンズブーツ
「ANN DEMEULEMEESTER」Men’s 2018-19秋冬コレクション
アン ドゥムルメステールは、日本では特に男性から支持されている。人気アイテムは、レースアップブーツをはじめ、細身のシルエットのパンツ、メッセージプリントのカットソー、アシンメトリーなジャケットなど。モードとロック双方のムードを感じるアイテムが多く、伊勢丹メンズ館のフロアでは「リック・オウエンス(RICK OWENS)」や「ニール・バレット(NEIL BARRETT)」「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」などと並ぶ。
- DESIGNER -
アン・ドゥムルメステールは「アントワープ・シックス」の一人
創業デザイナーのアン・ドゥムルメステールは、1980年代に登場したアントワープ王立美術アカデミーの卒業生「アントワープの6人(アントワープ・シックス)」の一人として知られる。
他5人は、ダーク・ビッケンバーグ(Dirk Bikkembergs)、ウォルター・ヴァン・ベイレンドンク(Walter Van Beirendonck)、ドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)、ダーク・ヴァン・セーヌ(Dirk Van Saene)、マリナ・イー(Marina Yee)。1986年にロンドンの展示会に共に出展し、注目を集めたことから「アントワープの6人」と呼ばれるようになった。マルタン・マルジェラ(Martin Margiela)も彼らとセットで語られることが多い。
さらに次世代のデザイナー、ラフ・シモンズ(Raf Simons)、ヴェロニク・ブランキーノ(Veronique Branquinho)、A.F.ヴァンデヴォルスト(A.F. Vandevorst)らの登場で、アントワープは一躍ファッションの中心地のひとつとなった。
- SHOP -
取り扱い店舗は、伊勢丹新宿店
アン ドゥムルメステールの主要取り扱い店舗は、伊勢丹メンズ館。メンズとウィメンズのウェアからシューズなどのアクセサリーまで幅広く揃える。
- NEW COLLECTION -
新チャプターへ。最新の2022年春夏コレクション
「ANN DEMEULEMEESTER」2022年春夏コレクション
アン ドゥムルメステールは2020年に、アーティスティックディレクターのセバスチャン・ムニエが退任し、イタリアのセレクトショップ企業アントニオーニが買収したことで、新たなチャプターを迎えている。
2022年春夏コレクションは、アシンメトリーなジャケットやパンツ、ベスト、さらに装飾的なストラップ、背の高いハットなどが登場。ここ2シーズンは、アン・ドゥムルメステール自身のスタイルでもあったブランドのコアを大切にしながらも、より若い世代にも訴求できるような、クリーンなムードが付加されている。
カラーパレットはホワイト&ブラックのみ。ブランド特有の“ダークさ”は最小限に、装飾やデザインを加えることで、新旧ファンにリーチする新たなスタイルを提案した。
主要年表
【2021年】
伊藤忠商事子会社のコロネットが、国内の卸売事業および小売事業をギャレットから継承。
【2020年】
「アン ドゥムルメステール」のアーティスティックディレクター、セバスチャン・ムニエが退任。
イタリアのセレクトショップ企業アントニオーリがブランド買収。
【2018年】
「アン ドゥムルメステール」日本旗艦店が代官山Lift étage内にオープン。
【2016年】
「アン ドゥムルメステール」直営店が渋谷・神宮前のセレクトショップICON内にオープン。
【2015年】
2015年春夏に立ち上げた新シューズライン「AD」を伊勢丹メンズ館で先行発売。
【2014年】
アン・ドゥムルメステールが、自身初となる本の出版を記念して9年ぶりに来日。
【2013年】
アン・ドゥムルメステールが自身のブランドを去り、セバスチャン・ムニエがブランドの2代目デザイナーに就任。
「アン ドゥムルメステール」のシューズで辿る25年のアーカイブ展を伊勢丹新宿店で開催。
【2012年】
「ドーバーストリートマーケット ギンザ」がオープンし、「アン ドゥムルメステール」の取り扱いをスタート。
【2010年】
オリゾンティが民事再生法の適用を申請し、興和の新会社インコントロに「アン ドゥムルメステール」の事業を譲渡。
【2009年】
東京オペラシティアートギャラリーで「6+ (シックス・プラス) アントワープ・ファッション」展を開催。
【2008年】
ウィメンズのアーカイヴライン「アン ドゥムルメステール コレクションブラン(ANN DEMEULEMEESTER collection blanche)」を発表。
【2005年】
メンズコレクションのヘッドデザイナーに、セバスチャン・ムニエが就任。
【1996年】
メンズラインをスタート。
【1991年】
コレクション発表の場をパリに移す。
【1986年】
ロンドンコレクションに参加
【1985年】
自身の名を配した「アン ドゥムルメステール」をスタート。
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