Art インタビュー・対談

【インタビュー】写真家 レスリー・キー 母の死、孤児院、逮捕劇 、それでも写真を撮る理由は?


―来日後は東京ビジュアルアーツに通いましたね。

 アルバイトなどでお金を貯めて東京ビジュアルアーツに入学しました。卒業後の1年間はずっと作品撮りをして、至る所に売り込みに行きましたがことごとく不採用でしたね。フォトグラファーのアシスタントを経験したことがなく、他の現場を見たことがなかったので始めたばかりのころは戸惑いも多かったです。それでも何とかチャンスを活かしながらが、売り込みを続けていくうちに、仕事を任されるようになりました。

―旅での経験が作品のインスピレーション源になっているということでしょうか。

 プロフォトグラファーとしての基礎を作ったのは、専門学校で学んだ知識と日本に来る前にインドやベトナム、カンボジアといった東南アジアの国々を約2年かけて回った貧乏旅ですね。今でも旅先で撮った人の笑顔がインスピレーション源になっています。


■「この人に会うことは最初で最後かもしれない」と考えシャッターを切る

―人が好きだからポートレートばかり撮るのですか?

 人オタクなんです。だから撮影の時は相手に何が好きだとか、何になりたいだとか、家族は誰がいるんですかとか、彼女はいるんですかとか、何でも聞くようにしています。聞くことで様々な可能性が開かれますからね。

―人を撮るときに気をつけていることは?

 この人と会うのは最初で最後かもしれないと思うようにしています。最高の時間を作っていい写真を残していきたいと思っていて、たとえ与えられた時間が5分しか無くても、与えられた時間を有効に活用できるよう段取りを考えて、しっかりコミュニケーションが取れる楽しい現場になるように工夫しています。

―睡眠をほとんどとらないと聞きました。

 13歳から43歳(現在)まで3時間睡眠で過ごしていますね。お酒も飲まないですし、タバコも吸わないし自転車も乗りません。やりたいことがたくさんあるので、どうしても仕事が優先になってしまいます。

―どういった基準で仕事を選んでいるのですか?

 相手がどこまで夢を見ているかが大切で、相手がすごく大きな夢を見ていればいるほど達成感があります。クライアントが思い描く夢が小さいならば、その夢が大きくなるようお手伝いをします。

―今年は「LACOSTE(ラコステ)」とコラボレーションしましたね。

 初めてのコラボレーションです。「COMME des GARÇONS(コム デ ギャルソン)」のプレスを務めていたこともある「LACOSTE」のコンサルタントJoan Storeyが私の「SUPER」シリーズを気に入ってくれたことがきっかけで実現しました。今までとは違う「SUPER」シリーズにしたいということで、今回は「アワード」をテーマに撮影しました。

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©LESLIE KEE

―受賞者10名の選考基準は?

 アワードのタイトルは「LACOSTE BEAUTIFUL AWARDS featuring LESLIE KEE」。「LACOSTE(ラコステ)」が上陸50周年だったということで、10代から60代までの輝く人たちを様々なジャンルから選びました。例えば今人気急上昇中のモデルの松岡モナさんは16歳という若さで「CHANEL(シャネル)」や「KENZO(ケンゾー)」のショーに出ていますし、森本千絵さん、石田純一さんも玉置浩二さんも様々な分野で活躍しています。今を時めく人たちをアワードという切り口でフィーチャーして撮影したことで、面白い人選になったのではないかと思っています。また現在この企画の写真展「SUPER LACOSTE EXHIBITION」も期間限定で開催されています。

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©LESLIE KEE

―作品のテーマは「新時代へ挑む姿」。

 「LACOSTE」の象徴である、ポロシャツを着たモノクロのポートレートで洗練された美しさを表現しました。また新作の2014年春夏コレクションに身を包んだカラー写真では、受賞者の多様性を表現するとともに、「LACOSTE」のスタイルの幅広さも考慮して制作しましたね。

SUPER LACOSTE by LESLIE KEE


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