三原康裕が手掛ける「メゾン ミハラヤスヒロ(Maison MIHARA YASUHIRO)」が1月21日(パリ時間)、2022-23年秋冬コレクションをパリメンズファッションウィークの公式スケジュールで発表した。東京・浅草のすしや通りを舞台に、18日にランウェイショーを開催し、現地で収録した映像を公開した。
舞台になった東京・浅草すしや通り
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浅草は三原が靴作りを学び、1996年にブランドをスタートした原点である場所。ショーはすしや通り商店街の全面協力により実現し、アーケードをランウェイとして採用した。ショー開始前は、焼きそばや天丼、シュウマイなど、商店街内の店舗がケータリングを用意し、近隣のメイド喫茶のメイドや舞妓たちが給仕役としておもてなし。スカバンドのスカフレイムスによる生演奏でショーが始まった。
パトカーが到着、警官はデザイナー本人!?
ショーの中盤で、ランウェイにパトカーが登場。ギャラリーが騒然とする中、車から出てきたのは警察の制服に身を包んだデザイナーの三原康裕とブランドのスタッフたち。誘導棒を振りながらモデルたちの交通誘導を開始し、会場に笑いが生まれた。三原デザイナーは踊ったり、観客をランウェイに連れ出したりと場を盛り上げた。
西内まりややIVANら豪華なキャスティング
演出は大スケール。10代から50代まで老若男女、総勢80人のモデルたちがメンズとウィメンズの服をミックスして着こなし、演者やパフォーマー、スタッフを合わせると200人以上の力を合わせたショーとなった。コレクション映像の冒頭にも登場した西内まりやはフィナーレを飾り、他にもタレントのIVANや車いすバスケットボール選手の鳥海連志らもランウェイを歩いた。
西内まりや
Image by: FASHIONSNAP
1990年代の空気感をまとう服
今季は「SELF CULTURE」をテーマに、1990年代の東京の空気感をコレクションに詰め込んでいる。テーラードジャケット、トレンチコートなどのクラシックなアイテムはオーバーサイズで着崩しを楽しむアイテム。服が歪んだように、ポケットなどのパーツを配置したディテールも「メゾン ミハラヤスヒロ」らしいギミックだ。またデザイナーの三原が収集した古着からヒントを得た新ライン「モディファイド(Modified)」も発表。コーデュロイジャケットやデニムジャケット、レザーコートなどを再解釈し、全25型を現代に合わせて復刻している。シューズは歪んだソールが人気の「OG ソールスニーカー」シリーズから、1980年代にボウリング用シューズから着想した新作「ハービー(HARBIE)」も披露した。
三原にとってのローカリズム
カオスな演出がありながらも、ショーは終始和やかな空気に包まれていた。フィナーレでは地元のバンド、浅草ジンタが「男はつらいよ」の主題歌を演奏しながら練り歩き、紙吹雪が舞うなかモデルたちが闊歩する。三原は「グローバルな情報が手に入りやすくなった時代の中で、改めて自分の中のローカリズムについて考えた」という。パリでのショーを計画していたというが、 そのローカリズム(郷土偏愛)を見せるには、ブランドの故郷である浅草はぴったりなロケーションだったと言える。職人の集まり、古き良き街並みが残る下町の温かさ、これが「メゾン ミハラヤスヒロ」の源流なのだろう。
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