Fashion ファッションショーの作り方

【連載:ファッションショーの作り方 vol.7】ショー演出

doublet 2017SS Collection
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 黒子に徹し、イベントを統括する演出家。客観的な立場で全体像を把握し、デザイナーが思い描くイメージを形にしていく大事な役割をショーでは担いますが、果たして実際にはどんな仕事をしているのでしょうか?連載「ファッションショーの作り方」7回目は、SUNデザイン研究所(SUN DESIGN INSTITUTE)の白坂拡氏にスポットをあて、演出家の仕事内容を見ていきます。

【短期連載 vol.1】ファッションショーの基本
【短期連載 vol.2】"東コレ"デビューするダブレットとは?
【短期連載 vol.3】ショーイメージを固める
【短期連載 vol.4】スタイリストの仕事
【短期連載 vol.5】ショー音楽
【短期連載 vol.6】モデルに聞く10の質問
【短期連載 vol.7】ショー演出
【短期連載 vol.8】広報の仕事
【短期連載 vol.9】ヘアメイクの仕事
【短期連載 vol.10】ダブレットデザイナー井野がショー直前に思うこと
【短期連載 vol.11】ダブレット、ショー当日の舞台裏

日本のファッションショー演出のパイオニア、SUNデザイン研究所とは?

 「ダブレット(doublet) 」の演出を担当するのは、ファッションを中心に各種イベント等の企画や演出制作、モデルキャスティング、PRなど総合プロデュース業務を行うSUNデザイン研究所。今年で創設50年となる日本のファッションショー演出のパイオニアで、ビッグメゾンのショーやファッションブランドの展示会などのプロデュースも行っています。「ダブレット」のショー演出は、パリコレでの演出経験を持つ入社8年目のプロデューサー白坂拡氏が担当します。

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 演出家とは白坂氏曰く「結婚式のプランナー」のような職業とのこと。デザイナーが思い描くショーの理想像を実現するために手助けをしていく、調整係のような役割だそうです。白坂氏が大事にしていることは「演出が洋服より前に出ないこと」で、デザイナーたちのやりたいことをやれる環境を作るため、演出家の"色"を出しすぎないようにすることを心がけているのだとか。

どんな演出に?演出家の仕事内容

 ショーを作るにあたり、演出家はまずデザイナーと打ち合わせをして「どういうショーにしたいのか」をヒアリングします。条件に合う会場を選び、日程や時間を決め、その後会場のレイアウト、演出を考えていきます。ショー当日は音響、大道具などハード部分を担当し、リハーサルの仕切りも担当。「ダブレット」の場合、「TOKYO FASHION AWARD」受賞者枠での参加ということで会場と日程が既に決まっていたため、会場のレイアウトから考えていくことになりました。

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 まずは最初のチームミーティングで出た「前のブランドが使った椅子とかをそのまま使う整頓されていない空間でのショー」というアイデアを元に白坂氏がレイアウトを考えます。

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井野:「ショーが終わったような空間でやりたいと考えていて」

白坂:「斬新ですね(笑)。バックステージにある使わないものをランウェイに置いたり、椅子も整頓されていないように並べてみたりということですよね?」

井野:「そうです!どうですかね?」

白坂:「アイデアはとても良いと思うのですが、消防法などの関係で会場レイアウトがかなり制限されてしまうところがあります。仮レイアウトを作ったのですが、これだと来場者は下手したら1秒くらいしかルックを見れなくなってしまい・・・」

井野:「なるほど・・・それだとファッションショーをやる意味が無いので一度プランを考え直しましょう!」

 今度は井野氏のアイデアをベースに別の会場を使ったレイアウトを考案しました。井野氏と白坂氏で現場の下見に行き、会場のフロアデザインやライティング位置などをチェックしていきます。ここで問題となったのが、同会場では音楽が流せないという制限と、前回案ほどではないですがそれでもまだ服が見づらいのではないかということでした。両氏ともに納得することができず、またプランを再考することに。

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 毎日連絡を取り合い、何回も手直して遂に完成したのが下記プラン。シート数は約180席で、全て最前列で見れるようになっており、バックスタイルを席から撮影することも可能なレイアウトになっています。ランウェイでのモデルの滞在時間が長いため、計画通りに行けばモデル4人が同時にキャットウォークしている状況を作り出せます。

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 レイアウトが決まった後は、照明の調整やショー音楽に合わせたモデルを出すタイミングなどを決めていきます。白坂氏はショー当日の心配事に照明を挙げており、「井野さんと話を進めていく中で、今回のショーの重要なポイントに"葛藤"があると考えました。照明で大々的に"葛藤"を表現するのか、あくまでも引き立て役としての光の当て方にするのか」を悩んでいるようで、当日のリハーサルで判断するようです。

次回は「ショーに人を呼ぶには?」広報の仕事とその役割

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