Fashion ファッションショーの作り方

【連載:ファッションショーの作り方 vol.8】広報の仕事

doublet 2017SS Collection
doublet 2017SS Collection

 ブランドとメディアを繋げる広報という職業。ファッションショーでは、招待客のアテンドやインビテーションの管理など、円滑に運営するための仕事を担います。「ダブレット(doublet) 」連載8回目は、ファッションショーにおける広報の仕事内容を探ります。

 

【短期連載 vol.1】ファッションショーの基本
【短期連載 vol.2】"東コレ"デビューするダブレットとは?
【短期連載 vol.3】ショーイメージを固める
【短期連載 vol.4】スタイリストの仕事
【短期連載 vol.5】ショー音楽
【短期連載 vol.6】モデルに聞く10の質問
【短期連載 vol.7】ショー演出
【短期連載 vol.8】広報の仕事
【短期連載 vol.9】ヘアメイクの仕事
【短期連載 vol.10】ダブレットデザイナー井野がショー直前に思うこと
【短期連載 vol.11】ダブレット、ショー当日の舞台裏

ブランドとメディアを繋げる、広報とは?

 広報は、商品貸出やショールームの管理、広告などを手掛け、商品やブランドイメージを訴求する職業。ファッションショーでは、招待客リストの作成やインビテーションの管理、取材対応、ショー当日の来場者案内を担当します。

daoublet_pressmeeting-re-20170306_002.jpg

 「ダブレット」はPR業務をスタジオ ファブワーク(STUDIO FABWORK)の水澗航氏に委託していますが人手が足りないということで、今回は「ヨシオクボ(yoshiokubo)」などの広報を担当するRevolution PRの和田かおり氏や田中望氏、アシックスや「リーバイス(Levis)」などをクライアントに持つPR01.の志賀光氏、フリーランスの尾花未来氏に協力してもらうことに。

daoublet_pressmeeting-re-20170306_003.jpg

左前:田中望氏、左奥:尾花未来氏、右奥:水澗航氏

ショーにおける広報の仕事

 まずはショー会場のキャパシティに合わせて招待客の数を決めます。「ダブレット」のショーでは服を近くで見てほしいという思いから、300人入る会場を全席最前列(約180席)になるようにセッティングします。海外のショーは座席を予め決めておくことが一般的ですが、日本ではほとんど導入しているところはありません。今回は席数を限るということで全席シーティング制を採用することにしました。ただ人数を制限することにはもちろん葛藤があったようです。

井野:「来てもらいたい方が一体何人いるかですよね?」

田中:「メディアの方だけでも80人近くになると思います。バイヤーの方や新規のお店の方も呼ぶとなるとやはり苦渋の決断が必要になるかと・・・」

水澗:「インビテーションの価値を上げたいと思う一方、ただ多くの人にみてもらったほうがいいとも思いますし、判断が難しいですね。メンズ誌のエディターさんも沢山来てくれると言ってくれているので」

田中:「ただ井野さんのやりたいこともしっかりあるので、そこはやはり演出ベースで人数制限をかける方向で良いのかもしれません」

井野:「お世話になった方が沢山いるので大変悩ましいですが・・・ただやはり自分がやりたいことに挑戦したいと思います」

 ここで必要になってくるのがどうやって出欠を取るかです。シーティング制ではない場合、席数の2倍程度のインビテーションを配布するのが一般的な方法です。ただシーティング制になるとバイヤーやジャーナリストなどにFAX、電話、メールをして出欠を取り、確約をとらないと空席ができてしまいます。また来ると返事を貰っていても、当日体調不良などにより急に来れなくなることもあるので、急遽空いた空席をどう埋めるかのシュミレーションも必要です。

 今回はショーの1ヶ月前に招待客の仮リストを作成し、同時に以下画像のような内容のFAX、メールを送ります。その返信を元に、ショー2週前に全てのシーティングを決め、1週前の週には来場者の手元にインビテーション(招待状)が届くスケジュールで進行しました。

doublet_fax-sheet-1-1a.jpg

 インビテーションの管理も広報の仕事の一つ。インビテーションをチェックし、席番号や住所など必要事項を埋めていきます。インビテーションデザインは1LDKや「カシラ(CA4LA)」のウェブデザインなどを手掛けたWab Design INC.の中村和貴氏が担当。中村氏はダブレットのロゴやポップコーンモチーフのパックTのデザインも手掛けており、今回はインビテーションのデジタル化が進んでいることを逆手に取り、メールアプリのような封筒デザインを採用することでデジタルからアナログへの回帰を表現したとのこと。またこれまでお世話になった人に感謝の意を込めて、井野氏自身が来場者の似顔絵をインビテーションに描くことにしました。

doublet_pressmeeting-20170315_003.jpgdoublet_pressmeeting-20170315_008.jpg

 来場者がスムーズに入場できるよう当日のスタッフの配置を決めます。会場前の通路には海外のショーのようにガードマンに立ってもらい、インビテーション有無を確認してもらうことにしました。やりとりを重ね、来場者に迷惑がかからない最善のフォーメーションを考えます。

志賀:「田中さんと僕が会場の中で席案内をして、外で尾花さん、水澗さんたちに受付をしてもらいインビテーションを確認してもらうのが良いかと思います」

尾花:「メディアの方は問題ないですがバイヤーの方も多いので、念のため『ダブレット』のセールス担当の方にも立ってもらいましょう」

志賀:「そうですね。あとインビテーションを忘れて招待しているのに入場できない方が出てくるのは避けたいので、ガードマンの所は尾花さんと水澗さんに随時チェックをお願いしたいです」

doublet_pressmeeting-20170315_004.jpg

志賀光氏

 ショーの後は、メディア向けにデザイナーの囲み取材の調整を担当。ショーについて書かれた記事についても全て目を通すなど、終わった後も広報としての仕事は続きます。

次回は「ショーを味付け」ヘアメイクの仕事に迫ります

最新の関連記事

おすすめ記事

Realtime

現在の人気記事

    Ranking Top 10

    アクセスランキング