Fashion インタビュー・対談

【インタビュー】ミラノ発"ラグジュアリーストリート"の雄 マルセロ・ブロン

デザイナー マルセロ・ブロン
デザイナー マルセロ・ブロン

 2012年のブランド設立以来、デザイン拠点のイタリア・ミラノだけではなく、世界中に信者を増やしている「MARCELO BURLON COUNTY OF MILAN(マルセロ・ブロン カウンティ・オブ・ミラン)」。パリの「PIGALLE(ピガール)」、ヴァージル・アブローが手掛ける「OFF-WHITE ℅ VIRGIL ABLOH(オフ-ホワイト ℅ ヴァージル アブロー)」などとともに、近年注目されている「ラグジュアリーストリート」を形成する最重要ブランドのひとつである。6月にフィレンツェで開催されたピッティ・ウオモでは、モトクロスのインスパイアを受けた初のランウェイショーを披露し、その勢いはさらに加速している。ミラノのショールームでデザイナーのマルセロ・ブロン(Marcelo Burlon)に話を聞いた。文・写真:増田海治郎(ファッションジャーナリスト)

 

―ピッティ・ウオモといえば、クラシコイタリア的などちらかというと保守的な紳士服見本市のイメージがありますが、そうした印象を根本から覆すようなショーでした。

 もともと僕はパーティーオーガナイザーなので、ピッティ・ウオモでも何度かパーティーの仕事をしてきた。だからとても馴染みがある展示会なんだけど、主催者側から「ピッティのイメージを変えるようなパーティーをオーガナイズしてほしい」と言われて、その時はもう2015春夏のサンプルがほとんど上がっていたから「パーティーを絡めたショーをやらせてほしい」と逆に提案したんだ。それが上手く通って、ピッティらしからぬショーが実現したんだよ(笑)

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ショーには世界中からセレブリティが駆け付け、パーティーも大いに盛り上がった(© Vanni Bassetti)


―モトクロスの演出も斬新でしたね。

 僕は大自然に囲まれたアルゼンチンのパタゴニア出身で、父はクルマやバイクのレースのディレクターをやっていた。子供の頃からそうしたレースを見て育ってきたので、その頃の記憶をコレクションに投影させてみたいと思った。発想した時点ではショーをやる予定ではなかったけど、実際にライダーに着せるピースやショー用のスペシャルピースを足して、コレクションを作り上げたんだ。

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ショーはモトクロスのエアリアルパフォーマンスで幕を開けた(© Vanni Bassetti)


―技術的にも凝ったものが多いですね。

 そうだね。今回はハイテク技術を多用していて、クロスや数字が3Dで浮かび上がるTシャツやリフレクター素材、アウトドアウェア用のシームレスやレーザーカットの技術を使っている。リフレクター素材のパーカーはクラブで光るから、ヒーローになれるよ(笑)。パタゴニアのフォークロアな要素にフューチャリスティックな要素、機能素材、最新技術を融合させた"テクノフォーク"なコレクションを目指したんだ。

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十字架が印象的なパーカーは、リフレクター素材でできており、暗闇で光る(右はフラッシュの光を反射した状態)


 モトクロス関連のギアは、プロ用のブランドとコラボレーションして作っている。防塵用のマスクは英レスプロ社のもので、日本に行った時に日本人のマスク姿からインスパイアされたんだ。カシオとコラボレーションした「Gショック」は500個限定でホームページのみで展開する予定だよ。

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英レスプロ社とコラボレーションしたモトクロス用マスク

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500個限定の「Gショック」はホームページで販売予定


―象徴的に用いている十字架に込めた意味は?

 これは「パタゴニアンクロス」で、パタゴニアでは宇宙と繋がる象徴として先祖代々大切にされてきたもの。宇宙に出入りできる鍵穴のようにも見えるでしょ? 自分のルーツとして身体にも刻んでいる大切なモチーフなんだ。


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