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Fashion インタビュー・対談

イノベーションを生むデザイナーを育てるーー今春開校するファッションの学校「me」とは?

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 新しいファッションの学校「me」が5月に開校する。「常識を覆すデザイナーを育成する"学びが発動する場"」を立ち上げたのは、現役ファッションデザイナーの坂部三樹郎。欧州で学び「ミキオサカベ(MIKIO SAKABE)」を立ち上げ、ファッションデザインの教室「ここのがっこう」などの講師としても活動してきた。アパレル産業の課題が募る今、ファッションにイノベーションを起こす人材を輩出していくという「me」とはどんな学校なのか?

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ー坂部さんはこれまでも様々な教育機関に関わっています。新たに「me」を立ち上げたのはなぜですか?

 ここのがっこうやバンタンデザイン研究所などで教育に携わってたのですが、もっとインキュベーションに力を入れる学校が必要だと考えるようになりました。コンペティションで賞を掴むことだけがゴールではなく、ビジネスとして成功すること。今のアパレルシステムは若いデザイナーにとって厳しい環境ですが、その中でも成長し活躍するプロを育成する場を作りたいと考えました。

ー厳しい時代を生き抜くには何が必要だと考えますか?

 これからの時代は、ファッションビジネスを多様化させるべきだと感じています。例えばビッグメゾンも香水やバッグが収益源ですから、服を売る以外で活路を見出していくことも考えられますね。

ー教育の比重もビジネス面に置かれるのでしょうか。

 主題は新しいビジネスモデルを作ることです。ファッションデザイナーを目指す人にも必要な考え方だと思っています。

ーどういった授業になりますか?

 「me」は考える力と実行する力を養う場にしていきます。例えば「何をやりたいの?」という問いから、ビジネスモデルを創出することを始めていく。デザイナーと一括りにしても、メゾンのデザイナーや衣装デザイナーなど様々なんですよね。何をやりたいか、どういう方向性かを明確にして、それぞれに合った出口を作っていきたいと考えています。

ーカリキュラムには「作品制作」と記載がありますが。

 それぞれがビジネスモデルのポートフォリオを作ります。「me」ではそれぞれの目標をしっかり決めて、その目標を達成するためには何が必要なのかを考える場にします。服作りをするかしないかは、各々が何をやりたいかによりますね。

ー例えば「サカイ(sacai)」のようなブランドを作りたいという生徒がいたら?

 逆算して考えるビジネス的思考が大切だと思うので、例えばまずサカイの歩みをリサーチして、今の社会状況下で同じことをやると上手くいくのかどうか、サカイの存在になるということはどういう意味を持つのか、そういったことをじっくり考えてもらいます。

ーどういった人が募集対象になりますか?

 ファッションが好きで、何かやりたいと考えている人なら誰でも受け入れたいですね。授業は毎週土曜日にあるので、大学や専門学校とのダブルスクールもOK。現状は学生をメインでと考えていますが、年齢は問わないので社会人も大歓迎です。

ー講師には坂部さんのような現役の方も?

 特徴としては、外部講師としてVC(ベンチャーキャピタル)の方やビジネスのプロにも参画してもらいます。将来的に、生徒が出した良いアイデアやビジネスモデルに出資してもらうことも視野に入れているんです。デザイナーは外部の人が入ることに抵抗しがちなんですが、ビジネスの知識と外部とのコネクションは持っておくべき。海外では良くあるケースですが、出資を受けてブランドを立ち上げるという事例も増やしていきたい。資金の問題で才能が潰れてしまうことを減らせるように。

ー具体的な講師陣は?

 今はまだ調整しているところですが、デザイナーやアーティスト、そしてCAMPFIREの家入一真さんのような方にもお願いしたいと考えています。

ー卒業後の就職先などは視野に入れますか?

 正直なところ、就職するためにある学校にはしたくないんです。就職率を意識したカリキュラムにすると、生徒たちが本当にやりたいことが実現できなくなってしまうと思うので。

ー「me」立ち上げについて、ここのがっこうを主宰する山縣さん(writtenafterwards デザイナー山縣良和)とはどんなお話を?

 ここのがっこうで共にしてきたので、別の学校を作るということで周りの人から「仲悪くなったの?」と聞かれますが、そんなことはないです(笑)。双方に興味持つ人が増えるといいね、という話はしていますね。全く性格が異なる学校なので。

ーここのがっこうではクリエイティブを重視していましたが、「me」は対照的な立ち位置になるということでしょうか。

 そうですね、イノベーションを重視していくので、良いクリエイションを活かせるスキームを作ることに注力します。ここのがっこうでクリエイションを鍛えて、その後「me」に入ると総合的に学べるかもしれませんね。

ー立ち上げのきっかけにもなっていた、インキュベーションについての考えは。

 学校とインキュベーションセンターの仕組みを両立させたいと考えています。セーフティーネットとしての側面で、上手くマッチングできなかった人たちを助けたり、卒業した人がワークスペースを持てるようにとか環境を整えていける場にできれば。教育の現場もそこまで考えていかないと、今のファッション業界で生きていくのは難しいという危機感を持っています。

ー「me」では何を目指していきますか?

 新しい服やデザインだけではなく、新しい仕組みを作れるファッションデザイナーを生み出す場にしたいと考えています。もっと言えば昔はスタイリストという職業がなかったように、これまでになかった職を作っていくような人材を輩出していきたい。ファッションが好きな若い人たちに話を聞くと「デザイナーは違うし、バイヤーも違うし...」といった、何をやりたいかわからない層が増えていると感じていて。好きなことを深掘りして、将来を具体化できるところまで持っていきたいんです。世界的にアパレルが苦しくなって、誰もが「やばい、やばい」と言っているのに、どうしたらいいかの答えが出せていない。社会背景も踏まえながら、課題を解決する答えを出せる人を育てたいと考えています。

(聞き手:芳之内史也)

◾️me 募集要項
期間:2019年5月〜2020年4月 ※3月と10月は休講月
募集定員:15名
選考方法:履歴書、ポートフォリオ
入学金:1万円(税別)
学費(通年):20万円(税別)
出願期間:2019年4月21日締め切り
募集要項詳細

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