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【私の美の源】メイクアップアーティスト松田未来のビューティを作る6つのアイテム

【私の美の源】メイクアップアーティスト松田未来のビューティを作る6つのアイテム

 コスメブランド「リーカ(rihka)」を手掛けるメイクアップアーティストの松田未来さん。肌のトーンになじんで使いやすく、シンプルでおしゃれなアイテムの数々に、松田さんのセンスが光ります。飾らず自然体、そして「自分が思う美しさ」を追求するライフスタイルでも人気。そんな松田さんのインスピレーションの源となる6点にまつわるエピソードから、「美的感覚」に迫ります。

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1. 「自然体」のお手本、猫のマドレーヌ

マドレーヌくん(松田さん撮影)

ー松田さんのインスタグラムにもよく登場する猫のマドレーヌ君。いつから飼っているんですか?

 もう11年くらいでしょうか。ゲリラ豪雨の後に外で鳴き声が聞こえたので当時のアシスタントさんに見てきてもらったんです。そしたら子猫がいるって。命を預かることになるのでとても考えたのですが、この子と生きていきたい…!と思って一緒に暮らすことにしたんです。もう11年も経ったなんて、自分でもちょっとびっくり。私にとってはもうなくてはならない生活の一部ですね。

ーリーカのデビューコレクションで登場したネイルにも「madeleine」というカラーがありますね。

 元々猫の名前は、オレンジと茶色が混ざったような毛の色と、柄がお菓子のマドレーヌみたいだなと思って付けたんです。ブランドデビューに向けて色を考えるとき、私が愛おしいと思っているものから色を作って、名前をつけようと思い、ローンチのラインナップに入れました。こんなにマドレーヌとブランドが結びつくなんて思ってもみませんでした。毛並みや肉球、瞳、マドレーヌのすべてが愛おしくて、私の創作に沢山のインスピレーションを与えてくれます。それだけではなくマドレーヌの性格含め、存在自体が私に与えてくれることは計り知れないくらい大きいと感じています。

ーそれは、具体的にどんなところですか?

 大げさかもしれませんが、一番は「自然体でいい」ということでしょうか。猫って基本的に気ままじゃないですか。撫でられて嬉しいからゴロゴロ鳴くとか、放っておいて欲しいから離れたところにいるとか、おもむくままに自由に行動してますよね。それがある意味「自分を貫いている」と感じるんです。好きなことと嫌いなことがはっきりしているというか。

 リーカでは自分が本当にかわいい、欲しいと思ったものを追求したいのですが、何を素敵だと感じるかっていうのは、自分が自然体で何を思い感じるのかを捉えてないと、アウトプットできないんじゃないかなと。自分の素直な感覚に向き合っていこうと思えたのはマドレーヌのおかげですね。余談ですが猫と暮らしていると部屋を綺麗にしていたいなって考えるようになるので、結果的にいつも整った部屋で過ごせて、生活が充実します。

2. 自分が好きな自然体に整える、スキン・ボディケア

ーこれは松田さんのスキンケアのスタメンですか?

 私は敏感肌で皮膚科で処方してもらったものをずっと愛用しているので、それ以外で今の私に欠かせないものたちですね。左から、「ロングルアージュ(LONGLEAGE)」の「マジックウォーター」、「ガブリエルペコ(GABRIELLE PECO)」のバストマッサージクリーム「Premium La Rose」、「シゲタ パリ(SHIGETA PARIS)」の「エッセンシャルオイル」でリバーオブライフとボディー・マインド・スピリットです。

ーロングルアージュは知る人ぞ知るブランドですよね。好きなポイントはどんなところでしょうか。

 マジックウォーターは無駄なものがないシンプルな処方で、でも保湿感がしっかりあるので日中のケアに重宝しています。日中の乾燥をそのままにしていると、なんだか肌が疲れてくるような感覚になるし、ミストをシュッと浴びると気持ちもスッキリして、ちょっとしたリセットになるんです。

ーガブリエルペコはランジェリーショップですよね?

 そうです。お気に入りのお店で、ランジェリーを買うこともあります。ボディメイクも結構好きで、ストレッチやトレーニングもするのですが、バストケアもそのひとつ。ボディメイクというとストイックなものに聞こえるかもしれませんが、先ほどの話とつながって、「自分が好きな自然体でいるための体」に整えているというイメージでしょうか。

ー自分が好きな自然体でいるための体...ですか?

 もっと簡単に言うと、「持っている骨格を活かした体つき」ですかね。この世界には圧倒的に骨格が違う人がいるじゃないですか。無理をしてそこを目指すよりも、今の自分が持っている長所をどう活かして、好きになれるスタイルを作るかを考えたいなと。私は背が高くて、体に厚みがあるわけではないけれど、しなやかでほどよくメリハリのあるラインは作りたいなと思って、ボディメイクを続けています。バストクリームは肌のハリ感や柔らかさをケアできるので、使用感のバランスが良くて好きなんですよね。

ーシゲタのエッセンシャルオイルはどんな時に使うんですか?

 基本的には出先やオフィスで使います。「ボディー・マインド・スピリット」は、移動が立て込んで慌ただしい時とか、考えることが溜まって頭がモヤモヤしている時によく使います。どこかに塗るよりは、呼吸を整える感じです。車での移動中とか、どこか滞った感じがした時にこれを使うと、体の芯からじんわりと落ち着いていく感覚があるんですよね。リバーオブライフは体がこわばった時によく登場します。個人的に、滞っている部分をマッサージする時に使うのがおすすめです。シゲタはブランドも大好きなんですが、ファウンダーのチコさん(CHICO SHIGETA)を尊敬していて、今年の秋に旗艦店「LA MAISON SHIGETA」でリーカの製品を期間限定で置いていただき、本当に嬉しかったです。

ーチコさんのどういったところを尊敬していますか?

 本当にエネルギッシュで太陽みたいな方。お話しするだけで元気をいただけますね。あれだけ幅広いプロダクトを展開していますが、すべてにチコさんの哲学が反映されているのが本当にすごいことですよね。リーカはデビューからまだ3年ですが、チコさんとお話ししたり、シゲタの製品を使っていると、自分がいいと思ったものを貫いていかないとなって思うんです。

3. 素朴な温かみを感じるお母さんの手作りスイーツ

※お母さまが作るスイーツを思い出す、松田さんが通うお店のもの

ー次はお母さまが作られたスイーツ。リーカのコスメではスイーツや食べ物が色の名前に使われることも多いですよね。スイーツ好きはお母さまの影響ですか?

 そうだと思います。小さい頃から、食後に母がちょっとした手作りのお菓子を出してくれて、家族でお茶をする時間が大好きでした。豪華なものではないんですが、むしろ素材を活かした素朴な味わいが私の好みだったんです。物が本来持っているもの、人それぞれの美しさに惹かれるのは、小さい頃からの経験からかもしれません。

ーなるほど。少し話は飛躍しますが、リーカでは「その人が持つ美しさ」を大切にしていますよね。素材本来が持つ味わいに惹かれるという部分とリンクする気がします。

 確かに、それは自分の中で実はつながっている部分かもしれません。一人ひとりの顔や血色、肌の色って、全然違いますよね。1色のリップを塗っても、肌のトーンや唇の色によって発色が変わることってよくあるし。私はそれを肯定的に捉えていて、それが素敵だなと思っています。リーカのリップスティックも、人によって赤みの出方が少しずつ違ったりします。この前、ポップアップイベントに友達同士で来てくださった方がいて、同じ色でも唇に乗せると違った印象になりました。その2人が「どっちもいいね」って楽しんでくれたのを見て、すごく嬉しかったです。

ーポップアップを開催したのは今年が初めてでしたよね。いかがでしたか?

 コロナ禍でのデビューだったので、ようやくrihkaを愛用してくださっているみなさんに直接ご紹介できる機会ができました。遠方から来てくださった方もいて、ブランドを続けていく上で励みになりました。ブラウンのリップを試したお客さまが、「自分には似合わないと思っていたけど、使ってみたらとてもしっくり来ました!新しい自分に出会えた感じです」と言ってくださったのが印象に残っています。

4. 素材本来の良さを感じる果物

ーお次は“素材そのもの”な果物ですね。

 優しい味わいのスイーツも好きですが、果物自体も好物です。特に、季節の果物をいただくのが好きですね。旬な食べ物って美味しくて栄養価が高い上に、またこの季節がきたんだなってカレンダーみたいな役割もありませんか?去年は何してたなぁって思い出したりするのも楽しいですよね。

ー果物も幼少期からよく食べていたんですか?

 そうですね。果物自体を食べることも多かったですし、果物を使ったスイーツもよく食べていました。フィグや洋梨のタルトとか栗を使ったケーキとか、季節の果物を使ったスイーツが特に好きです。

果物を使ったスイーツって見た目も華やかですもんね。

 スイーツもそうですし、果物自体も可愛いというか素敵だなと思います。例えば同じリンゴにしても色合い、濃さが全然違うじゃないですか。そういう個性みたいなものも面白いなと感じるんですよね。いちじくやブドウの濃い皮の色もよく見るとグラデーションがあったりして美しい。色合いのニュアンスもコスメを作る時のヒントになったりします。

5. 一目惚れや直感で集めるヴィンテージの食器

ーヴィンテージの食器はいつもどこで購入するんですか?

 いつもここっていうところがあまりなくて。結構偶然というか、たまたま見かけて一目惚れすることが多いです。偶然出会ったギャラリーや、海外で買うこともあるし、人に買ってきてもらうこともあります。

ーヴィンテージの食器のどんなところが好きなんでしょうか。

 とても大事にされて次の世代に受け継がれていく。その循環がとても素敵だなと思っています。自分も大切にしようって思えるというか。お皿によって食事がもっと楽しくなったり、この食器だからこんな料理にしようかなって思わせてくれるのは、素敵な力だなと思います。

ーお皿を先に選んで料理を考えるんですか?

 そういうこともありますね。とても大きいお皿があって、あまり出番がないんですけど、この前どうしても使いたくなったので大皿で出すような料理を作るしかないと思って。一人では食べきれないので友人を呼んで食事をしました。お皿を買うときに、こんな料理が似合うかなと想像を膨らませたりしながら選んでいます。

ー勝手な印象なのですが、松田さんは熟考して買い物をするタイプだと思っていました。

 決して散財をするわけではないのですが、時々「これだ!」と強く惹かれるものがあって、そういう出合いはあまりハズレないんですよね。あとは、意外と似合うなっていう新しい発見も好きなので。メイクでも少し普段と違う色選びをしてみて「意外と可愛いな」って発見があるとすごく楽しいじゃないですか。

6. 気張らずに着られる、メイド・イン・フランスの服

ー最後はファッションアイテム。松田さんのインスタグラムではスタイリングの投稿も人気です。

 ちょっと恥ずかしいですが、自分が好きなものを素敵だと言っていただけるのは素直にありがたいですし、ちょっとでも皆さんのヒントだったり、インスピレーションになってくれたら嬉しいです。リーカのコスメとの組み合わせもあったりするので、どんなファッションに合わせようかなと楽しんでいただけたら。

ーメイド・イン・フランスの服がお好きなんですか?

 フタを開けてみれば、という感じでフランスの服だから買うというわけではないんですが、お店の方にも「フランスのブランドが多いよね」って言われたりするので、自分でも後から気がつきました。言語化できないんですけど、潔い肌やボディラインの見せ方や、フランス人デザイナーのマインドとかが自分の肌に合うなと感じるんです。

ーこれはどちらで購入したんですか?

 それがお店を覚えていなくて...。

ーえ!偶然通りかかって購入したとかですか?

 このお店は、友人に教えてもらったんです。でも当時オープンしたてだったようで、Googleマップにも載っていないくらい。友人からは「あのクリニックの横に未来が好きそうなお店ができてたよ」って教えてもらって、行ってみたら確かに私好みというか、素敵な服がたくさんありました。でもお店の名前が思い出せないんです...すみません(笑)。

ーそういうことだったんですね。新しいお店は人づてで知ることが多いですか?

 結構そうかもしれませんね。身近な人たちが「あそこおすすめだよ」って教えてくれることは多いです。あとはやっぱり偶然の出合いというか、たまたま見つけたものを大事にしているので、事前にリサーチしてお店に行くことはほとんどないかもしれません。

ーなるほど。素敵なレコメンドを受けるために、何かしていることはあるんでしょうか。

 普段から、何が好きか、素敵だと思うかはオープンにしている方だと思います。自分がそういう話をするのが好きだし、人の好きなことを聞くのも楽しいので。そうすると、結果論ですけどお互いに面白いお店や人を教えあったりして、いい縁が生まれたりする。メイクの話でも、親しい人から「あの色似合うんじゃない?」って言われたら、挑戦してみたくなりますよね。

リーカのデビューから3年、コロナを経てこれからのこと

ーリーカのデビューから3年が経ち、ラインナップも増えましたね。

 そうですね、振り返ると濃厚な3年間だったような気がします。ネイル、リップ、アイシャドウ、アパレルとアイテムは増えましたが、どれも使いやすく、でもちょっと普段とは違ったニュアンスが出るように、メンバーのみんなと議論を重ねてこだわったものを展開しています。ローンチ後にファンの方々から「こういうのが欲しかった」と言っていただけることが本当に嬉しいですね。

ー今後の新商品の構想はどうでしょうか?

 ようやくリーカでトータルメイクの提案ができるようになってきたので、組み合わせの遊びやルックの提案の幅を広げてきたいですね。ただ新しい商品を出しても意味がないので、リーカらしい提案ができるものができたら追加していきたいと思っています。

ー今年は初めてポップアップを開催しました。実店舗のオープンを望む声も多かったのではないでしょうか。

 ありがたいことに、リアルで試せる場を増やして欲しいという要望はいただいています。ただ、そこが最終目標なわけではなくて、ブランドはずっと続くものでプロダクトありきですから、タイミングやバランスは見計らいたいと思っています。実は今年から海外への発送も対応できるようになって、その後の動向を見ているとアジアやアメリカ、ヨーロッパからの注文も入っているんです。日本も海外もまだリーカの世界観を伝えきれていないところはたくさんあると思うので、まずはオンラインを活用して発信していけたらなと。

ー松田さんご自身の目標はありますか?

 今は商品も情報も膨大にあって、その中でリーカを選んだいただけるのは奇跡的みたいなことだと思うんです。だからその期待を裏切らない、期待を超える商品を作り出して、リーカを続けていくのが目標ですね。

■「リーカ」ポップアップストア
期間:12月13日(水)〜12月19日(火)
時間:10:00〜20:00
場所:伊勢丹新宿本店 本館2階 トーキョークローゼット/リ・スタイルトーキョー

ネイルポリッシュやリップスティックなどの定番ラインナップに加え、ブランド初のホリデーコフレ「rihka holiday apple cider coffret」や、伊勢丹新宿店限定のホリデーネイルセットも用意。13日、16日、18日は、ディレクターの松田未来さんが店頭し、接客する(時間未定)。

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