水沢ダウン
Image by: DESCENTE ALLTERRAIN

Fashion 名品・定番

【スタイルを作る名品】革命をもたらした「水沢ダウン」もの作りの情熱から生まれた一着

 弱点だった「水」に強く、革命的なダウンジャケットとも称されてきた「水沢ダウン」。熟練の職人を有し一貫体制で製造している東北の工場が名前の由来です。開発はデサントで、技術とノウハウを結集したプロダクトライン「オルテライン(DESCENTE ALLTERRAIN)」から展開。ものづくりの情熱と誕生までのストーリー、水沢ダウンならではの特徴、定番モデルなどをまとめました。

誕生のきっかけは?

 「水沢ダウン」誕生のきっかけとなったのは、バンクーバー冬季五輪(2010年開催)。日本代表選手団が着用する公式スポーツウェアをデサントが担当することが決まり、新しいダウンジャケットの開発がスタートしました。

 ダウンの特徴は、空気を貯め込む層を作り、外気を断熱する保温性。しかし一方で、水に濡れると潰れてしまい、保温性を失ってしまいます。開発の壁となったのが、雨や雪の多いバンクーバー特有の気候でした。

 従来、ダウンジャケットを軽量に保ちつつ中綿の偏りを防ぐためには、生地を縫製してキルト加工しダウンパックを形成します。しかしこの方法だと、ステッチから水が侵入しやすく羽毛が濡れてしまう。加えて、ミシン目からダウンが抜け落ちやすいという欠点もありました。

 そこで、「軽量性」や「羽毛自体の品質」に焦点を当てていた開発から、「着る人にとってのダウンジャケットの弱点は何か」を見つめ直すアプローチに転換。「これまでのコンセプトを覆すユニークなダウンジャケットをつくりたい」という想いから、「雨や雪にも強い防寒ウェア」をコンセプトに掲げて2007年に開発がスタートしました。

  

東北の職人の手から生まれた

撥水性の高い素材を熱接着ノンキルト加工し、ダウンパックを生成

 課題となっていたステッチをなくすため、縫製ではなく特殊な熱圧着技術を採用。ステッチを排除しながらもキルト加工のようなダウンパックが実現しました。袖など縫製が必要な箇所には裏面にシームテープ加工を施すことで、防水性と耐水性を高めています。

 加工技術に加え裁断やダウン詰めなど、ダウンジャケットを作るために必要不可欠な技術が集結していたのが、岩手県旧水沢市(現奥州市)のデサントアパレル水沢工場でした。開発を初めてから翌年の2008年には、「職人の手から生まれるハイテクダウンジャケット」として、国内でも珍しいダウンジャケットの一貫生産体制で製造を開始。ここで誕生したのが「水沢ダウン」です。工場の名前がそのまま名称になりました。

 その後もアップデートを重ね、2010年にはバンクーバー五輪日本選手団に提供。防寒性と防水性を兼ね備えた一着は、業界にもインパクトを与えました。2012年には、水沢ダウンが一つのプロダクトからカテゴリに発展。「デサント オルテライン(DESCENTE ALLTERRAIN)」として展開を開始しました。”オルテライン”はオール(all)と、地形という意味のトレイン(terrain)を組み合わせた造語です。

 デサントのものづくりのエッセンスを凝縮したコレクションとも言えるオルテラインの根底にあるのは「特定の年齢層や、特定のシーン、領域を敢えて考えず、かつ流行に流されない真のモノづくりは何かということに取り組む」。デザインコンセプトは「Form follows function」(デザインはすべて機能性に従事したものである)。初期から変わらず、全ての工程で経験豊富な職人の手によって作られています。

 

どこが違う?水沢ダウン

 熱接着ノンキルト加工でステッチを排除したことによってミニマルなデザイン。温度調整が可能なハイスペックでありながら、シティーユースとしても合わせやすいスタイルです。中綿は基本的にダウン90%フェザー10%で、定番ラインの表地は撥水性のある「DERMIZAX® MICRO STRETCH」や「DERMIZAX® FLEXILE MATTE 4WAY」といった機能素材。裏地には、光を熱に変換し保温性能を発揮するデサントオリジナル素材「HEAT NAVI」を使用しています。

 水沢ダウンの多くのモデルに搭載されている「デュアル ジップ ベンチレーション(DUAL ZIP VENTILATION)」は、フロントジッパー部分が2列になっていて、その間のメッシュ生地によってジャケットの外から空気を取り込み、衣服内にこもりやすい不快な熱や湿気を逃がす役目があります。

フロントジップ部分にデュアル ジップ ベンチレーションを搭載した「シャトル」(写真上)と「マウンテンマニア」

 「マウンテニア」や「ストーム」には、フード部分に「パラフード」システムが搭載されています。これは、雨や雪など悪天候下での着用を考慮し、フード口にパラジップを採用したもの。フードを使わないときにはパラジップを閉口することでフード内の水や雪溜まりを防ぎ、使用する時には素早く開口することが可能です。

フード口にパラジップがついたパラフードシステム

 フード部分の工夫は他にも。定番モデル「シャトル」などには、Boaテクノロジーによって開発されたクロージャーシステム「Boaシステム」を搭載。フードの裏部分に取り付けられているダイヤルを回すだけで好みの締め付けでフィット性を高めることができます。

フード裏部分にBoaシステムを搭載しているシャトル

 「ストリーム」の表地に施されている細い溝が特徴のラインは「ストリームライン テクノロジー(STREAMLINE TECHNOLOGY)」。雨天時に水の流れをコントロールする役目で、ポケット部分に水が流れるのを抑制し、フード部分は水滴の落ちる方向をサイドに流すことで視界を確保します。

ストリームの前面に施された細かい溝のSTREAMLINE TECHNOLOGY

  

4つの定番モデル

 水沢ダウンは、各モデルによって素材や特徴が異なります。定番モデルは以下の4つ。

 

■マウンテニア

「マウンテニア」Image by: DESCENTE ALLTERRAIN

商品名:マウンテニア(MOUNTAINEER)
参考価格:税別10万円

 「マウンテニア」は、快適性と機能性を追求した水沢ダウンのハイスペックモデル。雨や雪など悪天候下での着用を考慮し、フード部分にパラジップを採用した「パラフード」システム、フロントジッパー部分に「デュアルジップベンチレーション」を搭載。表地には「DERMIZAX® MICRO STRETCH」を、裏地には「HEAT NAVI」を使用しジャケット内を快適な温度に保ちます。

 

■アンカー

「アンカー」Image by: DESCENTE ALLTERRAIN

商品名:アンカー(ANCHOR)
参考価格:税別7万8,000円

 水沢ダウンの初期モデル「アンカー」。フロントジッパー部分に「デュアルジップベンチレーション」を搭載。表地には4WAYストレッチ素材「DERMIZAX® MICRO STRETCH」、裏地には「HEAT NAVI」を採用したベーシックモデルです。

 

■シャトル

「シャトル」Image by: DESCENTE ALLTERRAIN

商品名:シャトル(SHUTTLE)
参考価格:税別8万8,000円

 軽量モデルの「シャトル」。表地に4WAYストレッチ素材「DERMIZAX® MICRO STRETCH」、裏地には「HEAT NAVI」を採用し、フロント部分に「デュアルジップベンチレーション」、フード部分に「Boaシステム」を搭載。国内外のアワードで受賞しているもです。

  

■ストーム

「ストーム」Image by: DESCENTE ALLTERRAIN

商品名:ストーム(STORM)
参考価格:税別11万8,000円

 嵐の名を持つ「ストーム」は、悪天候での着用を考慮した作り。前身頃とフードのストリームライン テクノロジーが特徴で、雨水の流れをコントロールします。表地には4WAYストレッチ素材「DERMIZAX® FLEXILE MATTE 4WAY STRETCH」を採用。「デュアルジップベンチレーション」「パラフード」システムが搭載されています。

■デサントオルテライン:公式サイト

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