「エムエム6 メゾン マルジェラ(MM6 Maison Margiela)」は、2023年春夏コレクションをミラノ・ファッション・ウィーク期間中に発表した。舞台となったのは、ミラノのコンサートホールであるカリプロ財団公会堂。会場に入ると、客席にオーケストラのセットが設置され、ステージ上に来場客のシートが用意されている。これはバレエの通し稽古をイメージした風景を、同じ舞台上で見ることができるという仕掛けだった。
その稽古の題材になったのは、イーゴリ・ストラヴィンスキー(Igor Stravinsky)の最高傑作である「春の祭典」。生贄の少女が倒れるまで踊り続けるという、前衛的な音楽と振り付けで知られる作品だ。ショーでは、音楽家のウラジーミル・シャル(Wladimir Schall)による指揮により、オーケストラによる生演奏を披露。演奏がスタートすると、バレエダンサーに扮したモデルたちが客席から登場した。
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バレエの練習着にヒントを得たアイデア
ファーストルックは、黒いレザーのドレスコートの上に、キャミソールを折り曲げて重ねているのがポイント。このアイデアは、ショーを通して多用されており、ウィメンズモデルはコルセットのように、メンズモデルにはカマーバンドのようにスタイリングされている。
またバレエのレッスン着からヒントを得たウェアも目を引く。レオタードのようなボディースーツをはじめ、ボレロやアームウォーマーなどの小物使いが特徴的。カットソーやボトムスには、穴あきのダメージ加工を施していたり、白いリブニットは包帯のように裾がほつれていたりと、美しいパフォーマンスの裏に隠された、過酷なトレーニングを表現しているようだ。
機能性も抜群の「サロモン」コラボ
さらに「サロモン(SALOMON)」とのコラボレーション第2弾も披露。ポケットの付いたショート丈のランニングベストや、スニーカーソールになったニーハイブーツなど、スポーツブランドの機能性が加わったユニークなアイテムがそろう。
足元は、トゥシューズを再現したスクエアトゥーのフラットシューズが、ピンクやブラックなどの色合いで登場。またジャージー素材のストッキングと一体化したオープントゥーのロングブーツなども特徴的。
バッグは、ストラップがリボンになったバレエシューズそのものを象ったバッグなどもアイキャッチだ。また折り紙のような形が特徴的な定番バッグの「ジャパニーズバッグ」は、サテン素材、ミニトート型など、様々なバリエーションを展開。スタッズ付きのチョーカーやベルトもコーディネートのアクセントになった。
今季はジェンダーの異なるモデルを起用し、オールジェンダーで誰もが好きなように着用できるという提案。バレエを題材にエレガントな美しさと、タフな強さの2つの側面を日常着に表現してみせた。
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