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新しい私に出逢う服。-#1 俳優 川島鈴遥-

「Kota Gushiken」を纏う

コウタグシケンのイエローのニットベストを着て立つ川島鈴遥

Image by: FASHIONSNAP

コウタグシケンのイエローのニットベストを着て立つ川島鈴遥

Image by: FASHIONSNAP

新しい私に出逢う服。-#1 俳優 川島鈴遥-

「Kota Gushiken」を纏う

コウタグシケンのイエローのニットベストを着て立つ川島鈴遥

Image by: FASHIONSNAP

 新しい服に袖を通したときに感じる小さな喜び、美しい服を纏ったときの高揚感、いつもとは違う装いに身を包んだときの新たな自分に出逢ったような感覚──ファッションには、着る人の心にときめきや楽しさを、時には何かに立ち向かう強さや自信を与えてくれる、そんなささやかで大きな力がある。では、これから何色にも染まりゆく可能性を秘めたフレッシュな若手俳優が、個性と感性豊かな次世代を担う日本ブランドと出逢ったとき、そこには一体何が生まれるのか。

 俳優自身が心惹かれた一着を通して新たな自分に出逢いときめく瞬間を、ブランドのアトリエを舞台に撮り下ろすファッションストーリー。第1回は、芸歴10年以上の実力を備えドラマ・映画問わず活躍している俳優 川島鈴遥が、着る人の個性に寄り添い人間味を引き出すブランド「コウタグシケン(Kota Gushiken)」を纏う。

イエローのニットベストを着てアトリエの床に座る川島鈴遥

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アトリエの棚に並んだ赤系の毛糸
イエローのニットベストを着てアトリエの床に膝立ちする川島鈴遥
イエローのニットベストを着て本棚の前に座る川島鈴遥

「普段の自分とは遠いのにどこか近い」川島鈴遥が出逢った“新しい私”

 今回選んだコウタグシケンさんの服は、見た瞬間に「これだ」と感じたというか、自分が着ている姿をパッと想像できたんです。普段黄色はあまり選ばないのですが、だからこそ惹かれたし「この服を着たらワクワクするだろうな」と思いました。オーバーサイズのニットベストをワンピースのように1枚で着るというスタイリングも、自分では想像できなかったので新鮮だしとてもかわいくて。実際に着てみたら、普段の自分のスタイルとは遠いのにどこかナチュラルな素の自分に近いような、すごく不思議な感覚になりました。

 普段の私はそんなに頑張らずに着られる楽な服装が好きなので、シンプルでカジュアルなファッションが多いです。以前は、自分が人からどういう印象を持ってもらいたいかという基準で服を選んでいましたが、最近は自分が好きな系統やその日の気分を服に投影して、「こうありたい」というイメージを想像して選ぶようになりました。

 ファッションの撮影とお芝居での表現は、実は私にとってはあまり違いがないんです。お芝居をするときも演じるのは結局奥にある“自分”なので、纏っているのが役でも服でも、自分がそこに素直に存在していればいいと考えていて。だから、今日の撮影でもあまり深く考えずにフォトグラファーさんとお話ししながら、その瞬間に自分の中から出た自然な感情を大切にした、素直な表情や姿を引き出してもらったように思います。

イエローのニットベストを着て横断歩道を渡る川島鈴遥
建物の隙間から見える空とビル
イエローのニットベストを着て駐車場に佇む川島鈴遥の後ろ姿
イエローのニットベストを着てガードレールに座る川島鈴遥

「等身大に近い俳優」川島鈴遥の現在地

 今はまだ、悩んだり不安になったりしながらお芝居をすることもあるのですが、役柄としても、破れない殻や壁を抱えてもがきながらも強く明るく生きていくような人物の役を任せていただく機会が多くて。これからいろいろな経験をすると価値観も変わり、きっとどんどん違う自分になっていくはず。でも、私はそういった変化も含めてその時の自分自身を常に役に投影しながら出していく、そんな“等身大に近い俳優”で在りたいと思っています。

 最近は、初の本格的な舞台「神話、夜の果ての」にも挑戦しました。舞台は、結末が決まっているものを毎日繰り返し演じるのですが、日によって物語の入りの感情から全く違ったりもします。そんな中で、日々自分の中の違いを認めながら“決まった結末”に対して少しずつ変えてアプローチをしていくという、前の日と今日と次の日で異なる自分を受け入れることができた経験は、これからの成長に繋げていきたいですね。

イエローのニットベストを着て横断歩道の脇に立つ川島鈴遥
電柱と木、神社の入口

 なりたい人間像は、“自分らしくいられる人”。自分の中に揺るがない芯のようなものを持っていたら、人からどう見られるかに囚われず、もっと楽しくオープンに生きられるようになるんじゃないかなと思うんです。ファッションや趣味も含め、誰かから影響を受けるよりも、自分の「好き」にちゃんと敏感になってそれを大きな声で「好き」と言える、そんな自分らしさを持った人になりたいです。

 今の私はまだそれを見つけている最中なのですが、最近は一人で家で水彩画を描いたり、音楽に合わせて自由にダンスを踊ったりしています。どちらも元々は触れてこなかった分野なので苦手だと思っていたものの、いざやってみたらすごく好きで。人に見せられるほど上手いわけではないですが、自分の中では「好き」なので大事にしていきたいなと思っています。でも、絵を描き始めるとつい夢中になってしまって、夜寝られないというのが最近の悩みです(笑)。

イエローのニットベストを着て木の前で笑顔を見せる川島鈴遥

川島鈴遥 | Ririka Kawashima
 2002年生まれ。栃木県出身。2010年にドラマ「特上カバチ!!」でデビュー。以降大河ドラマ「八重の桜」などに出演し、幼い頃から女優として活躍。2019年に公開された、オダギリジョー初監督長編映画「ある船頭の話」でヒロインを演じ、第34回高崎映画祭最優秀新人女優賞を受賞。2022年公開映画「ぜんぶ、ボクのせい」(松本優作監督)ではヒロインを務め鮮烈な印象を残す。近年では放送NHK「仮想儀礼」、舞台「神話、夜の果ての」に出演するなどドラマ・映画問わず活躍中。
公式インスタグラム

コウタグシケン(Kota Gushiken)
 イギリスのセントラル・セント・マーチンズ(Central Saint Martins)ファッションデザインニットウェア科卒のデザイナー 具志堅幸太が手掛けるニットウェアブランド。「人間のためのニットウェア(knitwear for human beings.)」をテーマに、音楽・映画・アートなど多様なジャンルに興味関心を持つデザイナー自身が、日常生活の中で触れたものや考えたことなどから着想を得たコレクションを展開。ファッションとファッション以外のものの間を行き来するようなものづくりを行っている。「TOKYO FASHION AWARD 2024」を受賞。
公式インスタグラム

川島鈴遥 出演情報
・アニメ映画「めくらやなぎと眠る姫」日本語版
公開日:2024年7月26日(金)全国ロードショー
原作:村上春樹
監督:ピエール・フォルデス

・マイナビ50周年記念オリジナルWEB映画「ミライヘキミト。」
配信:2024年8月16日(金)〜全4話を毎週配信スタート
監督・脚本:ウエダアツシ
配信ページ

Massive Gradation School Vest 10万8900円/コウタグシケン

photo: Naoya Matsumoto, styling: Kota Gushiken, hair & makeup: Takae Kamikawa | 
creative direction: Mina Jokoji, text & edit: Erika Sasaki (FASHIONSNAP)

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