Fashion 次世代の担い手たち

【連載】次世代の担い手たち - vol.5 PEIEN 伊澤直子 -

伊澤直子
伊澤直子
Image by: FASHIONSNAP

 次世代を担う若手ファッションデザイナーたちの歩みを辿る「次世代の担い手たち」。第5弾は2015年に伊澤直子が立ち上げたウィメンズブランド「ペイエン(PEIEN)」。中国で生まれ、文化ファッション大学院大学(BFGU)でファッションを学んだ伊澤直子が語るファッションの難しさとは?

伊澤直子
1983年中国生まれ。北京服装学院を卒業後、来日。2009年に第4回ファッションクリエーター新人賞国際コンクール入選。2009年にJFAファーデザインコンテスト入選。2011年に文化ファッション大学院大学ファッションデザイン科を卒業し、国内のアパレル企業勤務後、2015年にブランド「ペイエン」を立ち上げる。

PEIEN 2017-18 AW collection

中国から日本へ、劣等感を感じた学生時代

−出身は?

 中国です。今は結婚して日本の名前で活動していますが、本名はオウ エンと言います。

−当時は何に夢中になっていましたか?

 絵を書くのが好きで小学校3年生から高校生までずっと油絵を描いていました。小さい時からしゃべるのが苦手で、どうやって自分を表現するのかを考え、行き着いた先が油絵だったんです。高校は普通科でしたが、グラフィックを学びたいと思い北京服装学院のグラフィックデザイン科に進学しました。

−北京服装学院時代に服は作らなかったんですか?

 主にビジュアル作りなどを学ぶ学科だったので作りませんでしたね。その後色々と悩んだんですが、卒業して北京のスタジオに就職しました。ただ就職して半年後には日本の留学を決めてしまったんですが(笑)。

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−なぜ日本に留学しようと思ったんですか?

 祖父が日本で仕事をしていた時期があり、よく話を聞いていたので日本という国に憧れていたんです。留学することを決めましたが、当時はファッションの学校に行くとは決めていなくて、日本語学校に通っている時にデザインの勉強を続けたいと考え美術大学に願書を出したんです。でも受からなくて、どうしようと悩んでいたときに知り合いの先輩から文化ファッション大学院大学(BFGU)の先生を紹介してもらい、手紙を書いてみたんです。それで一度面談してくださって、色々アドバイスを頂き自分を俯瞰視できたんですよね。北京ではパソコンをツールにクリエーションを続けていましたが、自分の気持ちや感情を表現するには具体的に何かモノを作るほうが良いのではと考えるようになりました。当時は三宅一生さんや山本耀司さんを知っているくらいでファッションの知識はほぼゼロ。「大丈夫ですか?いきなり大学院に入って」と先生もすごく心配していましたが、試験に受かってBFGUに入学することができたんです。

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−ファッションの勉強をせずにいきなりBFGUに入る人は珍しいですね

 私みたいな経歴の人は本当にいなかったです。大学院に入ってからはそういう無知な自分がとても恥ずかしくて、劣等感がずっとありました。ただ1年生の時に授業の一環でパリに行ってファッションショーを見て心の底から感動したんです。その経験からウジウジしてても仕方ないと思うようになり、コンクールに積極的に作品を出したりするようになりました。

−どういった賞に応募したんですか?

 第4回ファッションクリエーター新人賞国際コンクールと、JFAファーデザインコンテストに応募し、有り難いことに入選を頂けました。賞を貰えてから少しずつ自信もついてきましたね。

−在学中、ビジュアルの評価は高かった?

 デザイン画の成績は良かったですね。ちょっと抽象的で変わっていたのが良かったのかもしれません。

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−デザイン画はどんなことを考えながら描いているんですか?

 嗅覚や触覚など、五感を意識しながら描いています。日常生活の中で感じたあらゆる知覚をデザインに活かしています。

−BFGUを卒業した後は何を?

 国内のOEM会社に就職し、企画やデザインを担当していました。会社に勤めている時に旦那に出会って結婚し、子供ができたので産休に入りました。そうすると「このまま安定した仕事を続けるのもいいけれど、それで果たして大丈夫なのか?」と考えるようになって。自分のためにもう一回チャレンジしてみたいと思い、「ペイエン」を立ち上げることを決めました。家族の支えがないとできないことだと思いますし、もし結婚してなかったらブランドを始めることはできなかったとも思います。

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