■「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が理想の靴?ティンカーが思い描くスニーカーの未来とは
―「エア マックス」が生まれて今年で29年。現在、世界的に巻き起こっている"スニーカーブーム"についてどう思いますか?
とてもクレイジーですね(笑)。どうしてこうなったか分からないですが、スニーカーを欲しいと思う人が増えていることは個人的にはとても嬉しいことです。「エア マックス」に関しても通常このくらい古いデザインになれば勢いが色褪せるものですが、前にも増して人気が出ている。冬にパリを訪れましたが、すごくおしゃれな人達が「エア マックス 1」を履いているのを見て、ポンピドゥセンターに着想を得て生まれたランニングシューズがハイファッションに受け入れられ、パリでも履かれているということに驚きましたし、感動しました。
―スニーカーに求められるものは?
私の仕事は"フューチャリスト"のようなもので、未来を考えるという要素が大きいんです。これまでもそうですが、先の10年後を考えながらデザインを生み出していくという姿勢で続けてきました。スニーカーカルチャーが途絶えるという事はないと思いますし、新しくてクールなプロダクトが求められ続けるでしょう。一方で私たちは新しい素材やイノベーションを探求し続け、これからも色々な人に受け入れられるようなもっと良いモノ作りが求められると思っています。
映画「バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2」に登場した未来のスニーカーを忠実に再現「2011 NIKE MAG」
―ティンカーが思い描く"理想のスニーカー"とは?
私は単に屈曲性があり、軽いだけではなく、存在感を感じさせないようなスニーカー作りをこの先のゴールにしています。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の構想と似ていますが、例えばスポーツをしている時には反発性があり、ストリートで友達と履いている時にはリラックスしたフィットになるように、行動に合わせて自動的にフィッティングが変わるシューズが理想ですね。
―"理想のスニーカー"の完成の目処はたっていますか?
残念ながら、今はまだあまりたくさんのことが言えないのです。いつまでにできるかもまだまだ未定の段階です。ただ、本当にすごく難しいプロジェクトではありますが、心から楽しんで取り組んでいますよ。
■ティンカー・ハットフィールド(Tinker Hatfield)
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