プロデューサーの内藤結葉さんとディレクターの山内健太郎さん
Image by: FASHIONSNAP.COM

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人気企画「パリコレ学」はどう生まれた?キーマンたちに聞く裏話<2.ディレクター:山内健太郎&プロデューサー:内藤結葉>

プロデューサーの内藤結葉さんとディレクターの山内健太郎さん
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 TBS系列で放送中の「林先生の初耳学」内の1コーナー「アンミカ先生が教えるパリコレ学」。"パリコレ"デビューを目標にタレントでモデルのアンミカさんが先生となり、モデルの卵(=学院生)たちのパリまでの道のりと現地での挑戦を追った人気企画です。企画は反響を受け、第1シーズン放送終了後まもなく第2シーズンがスタート。この半年間、第2期生の切磋琢磨し成長する様子がお茶の間に届けられました。そんな「パリコレ学」のカメラに収まりきらなかった裏話について制作陣、出演者など関係者にインタビューします。第2弾は現場を指揮するディレクターの山内健太郎さんとプロデューサーの内藤結葉さん。

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「パリコレって何?」からのスタート

ーそれぞれの番組内での肩書き、役割を教えてください。

山内:僕はチーフディレクターという肩書きです。何人かいるチーフディレクターの中の一人で、初耳学1時間の放送全体の指揮を取ることもありますし、パリコレ学も担当しています。パリコレ学では台本を作るほか、講師の選定、アンミカさんや講師陣との打ち合わせなど様々なタスクを任されています。ただ台本といってもほとんどセリフは書かれていなく、流れのポイントが書いてある進行表のようなものですが。

内藤:私はプロデューサーラインです。主な仕事はアンミカさん、学院生のスケジュール調整や細かな連絡。あとは講師陣や特別ゲストのキャスティング、企画でやりたいことに対して予算にはまるように調整、管理しています。

放送作家の堀江さんから企画が上がってきて「パリコレ」をテーマにすると聞いた時、率直にどう思いましたか?

山内:1期の夏のオーディションの時にたまたま手伝いで現場に入ったんですが、その流れでディレクターを任され現在に至ります。最初はいつものように番組内の一企画としか考えておらず、正直「パリコレって何?」という感じでした(笑)。

内藤:そもそもパリコレに詳しい人は制作チームにはいませんでした。知識がゼロではないですけど、ファッションとかパリコレに関してはド素人。いざ現場に行ってみたら、本当に背が高くて顔が小さい子たちが集まっていて「あ、本気でパリコレ目指すんだな」とそこで実感しましたね。テレビ業界でもめったに見ないような次元の違うスタイルの子たちが揃っていたので、よくこれだけ集められたな、って。

©️MBS

ー撮影を進めていく中で苦労はありましたか?

内藤:当初はファッション業界特有の専門用語が全然わからなかったですね。

山内:聞いたことがないワードが出てきたら恥を承知で講師の方に聞いてました。でも正直「コンポジ」とか「キャスティング」ってどういったものか一般の方もわからないと思うんですよね。なので僕らと同じように、視聴者も回を重ねる毎に一緒に学んでいってもらえるような番組になるよう、そこは意識して作るようにしています。

内藤:あと、業界用語的なものはアンミカさんがさりげなくフォローしてくれていますよね。

山内:そうそう。VTRは大体20分くらいなんですが、その長さに対してナレーションの量は異常に少ないんです。なぜかというと、アンミカさんや講師の方々が説明してくれているから。テロップに頼らず、かつ説明的になり過ぎなかったので、制作側としてはすごく助かりましたね。

努力の裏側は映さない、「現場が全て」

ー現場の雰囲気はどんな感じなのでしょう?

山内:あまりテレビっぽいロケにしたくないっていうのがあって、キュー(合図)は出さないようにしていたんですよ。リアリティーや緊張感を求めていたので、カメラを回していないかのような演出を意識しました。だからとても静かな現場だったよね。

内藤:本当に静かでしたね。気づいた時にはカメラが回っているという。

山内:本当に緊張感が張り詰めていて。僕も様々な現場を経験してきましたが、テレビでは珍しいことです。



内藤:学院生に与える情報も極力最小限に留めていて、ロケでは集合場所と持参してほしい物くらいしか知らせないんです。本来ならデザイナーさんのブティックや事務所集合にするんですけど、場所をあえて別のところにしてロケが始まるまで誰が来て何をするかわからない状態にしています。

ー情報を極力与えないことで緊張感を持たせていたんですね。他にも撮影中気を使ったことはありますか?

山内:現場で存在感を消すということですかね。学院生との向き合いに関しては僕らディレクターたちは一切関与せず、プロデューサーに任せていました。それこそ僕は学院生とは一切私語をしないと決めていました。現場では笑うこともないので、完全に怖い人だと思われているじゃないかなと(笑)。

ーかなりの徹底ぶりですね。

山内:アンミカさん、特別講師の方と学院生が対峙している緊張感のある空気を撮りたかったので、安心できる人が現場にいないほうがいいなと。結果それが良かったと思っています。

内藤:アンミカさんと学院生との距離感にも気を使っています。カメラを回していないところで同じ空間にいられないよう、楽屋の階を分けたり。とはいっても、放送ではカットしていますが撮影後は学院生たちの質問タイムが始まって、みんな1つでも多く質問しようとがっつくんです。特に門田(※両シーズン出演した学院生の門田玲)は講師陣にも駆け寄るなど、熱がすごい。こちらが離そうとしても最後駆け寄っていっちゃうほどでした。

山内:僕は学院生とほとんど喋ったことがないんですけど、一回だけ皆を集めたことがあって。学院生には日記をつけてもらっていたんですけど、ある子が「オンエアで私全然映っていない」と書いていたんですね。初期の頃は皆そこを気にしていたので「オンエアを見てどうこうっていうのは思わないでくれ。現場が全てだから」と伝えました。普段の練習を撮ることもないので、完全に現場至上主義。でもそれってパリコレと一緒というか、モデルの仕事って現場が全てだと思うので、そのスタンスを貫きました。

内藤:後半の方ですけど学院生の足を見ると、絆創膏だらけでボロボロなんですよね。「どうしたの?」って聞くと「ウォーキングの練習で足マメができてしまった」と。個人的には感動したんですけど、それを放送で流すことはありませんでした。マメができたからといってプラスの評価にならないですからね、モデルの世界では。

予測不可能なパリでのロケ

ー山内さんは学院生から怖がられていたとのことですが(笑)、何か心温まるエピソードがもしあれば教えてください。

山内:卒業式の回のロケが終わって、一人の学院生が僕のところに来たんです。「山内さんにどうしても聞きたいことが1つあって.....」と言われ「何?」と聞いたら、「なんで髪の毛染めたんですか?」って(笑)。たわいもない質問なんですけど、そんなことも聞けない雰囲気だったんだなってその時思えたんです。2ヶ月くらい前に髪の毛を染めたんですけど、その間学院生はずっと聞けなかったんだなと。なんとも居た堪れない気持ちになりましたね。

ある意味成功ですね。お2人は第1シーズンで実際にパリにも行かれました。本場のパリコレを目の当たりにしてどうでしたか?

内藤:それこそパリの中のごく一部でやっていると思っていたら、パリの街全体でやっていて規模感に驚かされました。おかげでパリ中を駆けずり回ることになりましたが(笑)。

山内:赤坂だけでやっていると思っていたら港区全体でもやってたみたいな(笑)。規模が違いますよね。あと現場では、海外モデルの堂々とした佇まいに圧倒されましたね。皆おしゃれで音楽聞きながら、余裕がある中でショーの準備をしていて。僕らももちろんそうですが、小野寺(※第1期合格者の小野寺南友)も初めてなんでそんな余裕は全くなかったんですよ。そういうところをずっと見てきたので、ショーで堂々と歩いたのを見たときは感動しました。

ーロケも日本とフランスでは勝手が違いますよね。しかも何が起こるかわからない予測不能なシチュエーションでの撮影でもあります。

内藤:台本が全く作れませんからね。こちらが望んでる画が撮れるという保証もないですし。とりあえず小野寺と行って、パリの所属事務所を決めるところから始めました。小野寺も相当プレッシャーを感じていて、キャスティングの連絡を待っても一向に連絡が来ない時は、撮れ高を気にして泣き出しちゃったり。何も撮れないという状況もありえたので、本当にどうなるのか予測がつきませんでした。

第1シーズンのパリでの撮影

山内:どういう放送にしようか考えながらロケをしているんですけど、スケジュールがどんどん変わるので、想定のしようがないんですよ。帰国してからは疲労からかパリへ行ったスタッフが倒れてしまって。僕は幸か不幸か大丈夫だったんですけど、その代わりに5キロ痩せました。それほど僕らも追い込まれていたんでしょうね。終わった途端息つく間もなく2期のオーディションのロケが始まったので、かなり大変ではありました。

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