Fashionmasterpiece

ショーツ誕生から100年、プチバトーが発明した「プチ・キュロット」のストーリー

プチバトー 1920/1930年の広告 Photo by: Poupées à découper, années 1920 / 1930, dessin de Germaine Bouret

 ショーツの誕生から2018年で丸100年。フランスを拠点とする「プチバトー(PETIT BATEAU)」が「プチ・キュロット」と呼ばれるショーツを開発し、1世紀に渡ってカッティングや素材を工夫しながら、子どもから大人まで世界中の人々に届けてきました。今や定番となったプチ・キュロット(ショーツ)の歴史を紐解きます。

プチバトーとは?

 1893年、フランスのシャンパーニュ地方にある紡績の街・トロワに、ピエール・バルトンが自社工場を創業したことがプチバトーの始まりです。当時はウール素材が主流でしたが、1912年にコットン素材の白いTシャツを送り出し人気アイテムとなると、ピエールの息子でもあるエティエンヌ・バルトンが、兄弟のアンドレとグザヴィエと共に、1920年6月19日に「プチバトー」を商標登録しました。

 プチバトーとはフランス語で"小さな船"という意味で、ピエールの妻・ジェルメーヌが子どもたちに口ずさんでいた「ママン、水の上を走る小さなお船にはあんよがあるの?」という童謡の一節にちなんでつけられました。ブランドロゴも、このエピソードに由来して水の上を走る小さな船をイメージしています。

En vogue dans la nouvelle vague.jpg

Publicité, années 1920, Studio SNP, dessin de Magd Herest

ショーツの歴史

■プチバトーの発明

 プチバトーがショーツを発明したのは1918年。当時の子どもたちは、下着としてウール製のロングパンツ型キュロットを履いていました。それは着心地が悪く、動きにくかったようです。そこでエティエンヌは、脚部分をカットすることを発案し、脚のないキュロットが誕生。エティエンヌは2013年から一部の「子供向けキュロット」を「プチバトー」と呼んでいました。

戦時中は工場の稼働を中断していましたが、1918年に再開すると、製品番号400番の「プチ・キュロット」は、子どもたちだけでなく母親からも歓迎される存在に。以来、ショーツの原型として発展していきます。

La premi較e culotte 1918 et celle de 2008.jpg

La première culotte de 1918 «L'Originelle»
et la culotte d'aujourd'hui «La Culte»
© Tous droits réservés

■進化するショーツ

 プチ・キュロットの誕生時は、現在のボクサーパンツのような形でした。さらなる機能性と機動性を求めた結果、足ぐりの切り込みを深くしたデザインに進化。着心地の良さを高めるため、ウエスト部分には洗濯に強いBateaulasticを採用し、1935年からは生地の編み方を、「2×2」よりもしなやかでソフトな肌触りとなる「1×1」のリブ編みを採用しました。

1枚のプチ・キュロットを作るには

 プチ・キュロットの品質の基盤となっているのが、厳密な検査をパスした長繊維のコームドヤーン。紡ぎ直したコットン糸を、18ゲージの丸編み機で長さ数キロメートルのリブ編みのコットンニット生地に。約1,680本の針と60個の円錐ボビンで編まれていきます。一度保管された後、洗いをかけるか染色工程へ。それらを専門の職人が乾燥し、生地をリラックスさせることで安定処理。様々なタイプに加工していきます。

 ウィメンズのプチ・キュロット1枚は2.4kmの糸で作られ、重さは約40g。変わることがない製造工程は、以下の6段階。2分28秒の作業です。

クロッチ(股布)付け→コルタージュ(細い帯状のニットベルトを足ぐりに縫い付ける)→前身頃の縫い付け(片方の脇)→「ウエストバンド付け→もう片方の脇の縫い付け→最終点検

 糸の段階から最終製品まで43のチェックポイント、15人の手を通過して製品に。ニッティング職人の養成は3年、縫製職人の養成は3〜5年。プチ・キュロットは、毎年世界で約470万枚が販売されており、小さな子どもから大人の女性まで幅広く愛用されています。

豊富なバリエーション

【オリジナル】

 誕生当時のハイウエスト型で、足ぐりの切れ込みがより深くなったデザイン。2018年に登場した100周年記念アイテムでは、最初のデザインが踏襲されつつ、ウエスト調節するためのリボンの代わりにボタンのディテールが追加されました。20ゲージの丸編み機で、裏編み2目と表編み2目が繰り返された「2×2」リブ編みを使用しています。

マリニエールオリジナル.jpg

オリジナルにマリニエールのストラップを施した100周年記念アイテム

【カルト】

 プチバトーの白いプチ・キュロットといえば「カルト」が定番型。2000年には形と素材に変更が加えられました。ニットベルト、ピコステッチ、前部の小さなリボン飾りなど、プチバトーを象徴する仕上げを再現しています。生地は18ゲージの丸編み機を使った「1×1」リブ編みです。

petit122202_008-thumb-660x440-788272.jpg

カルトの100周年記念アイテム

【アンファンティーヌ】

 フリル付き軽量キュロットは、2007年からプチバトーのキッズコレクションの定番。「アンファンテーヌ」の2018年春夏コレクションでは、1970年に誕生したミラレ模様で飾られています。生地は細かく編むことができる24ゲージで編まれた「1×1」ライトリブ編みを使用。

ミラレアンファンティーヌ.jpg

アンファンティーヌにミラレのストラップを施した100周年記念アイテム

■プチバトーの定番"ストライプ柄"

 プチバトーには、船乗りの服から生まれた「マリニエール」や、色の違う糸で1メートル中に1000本のストライプを編み上げられた「千の縞」という意味を持つ「ミラレ」など、ストライプにゆかりのある商品が多くあります。2018年発売のアニバーサリーコレクションでは、「オリジナル」にマリニエールが、「アンファンティーヌ」にはミラレのストライプが施されました。

ストレッチコットンミラレ.jpg

ミラレが施されたストレッチコットンショーツ

PETIT BATEAU:公式サイト

【関連】プチバトーのショーツ「プチ・キュロット」が誕生100周年、記念アイテムが登場

【特集】名品・定番
手帳ブランド9選 〜ほぼ日からスマイソンまで〜
クリエイター・デザイナー向けの高機能ワークチェア8選
雨の日やアウトドアを快適に、レインウェア専門ブランドまとめ
ドクターマーチンのブーツ
ワークパンツといえば「ディッキーズ」
高機能ワークチェアの代表格「アーロンチェア」とは