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 「フィーニー」デザイナー秋元舞子・「プロダクトトゥエルブ」デザイナー川瀬正輝

Image by: FASHIONSNAP

「山と街を繋ぐ存在に」フィーニー秋元舞子×プロダクトトゥエルブ川瀬正輝がアウトドアブランドを始めた理由

 「フィーニー」デザイナー秋元舞子・「プロダクトトゥエルブ」デザイナー川瀬正輝

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 「フィーニー(PHEENY)」デザイナー 秋元舞子と、「プロダクトトゥエルブ(Product Twelve)」デザイナー 川瀬正輝が、アウトドアブランド「ピーピーシーイー(P.P.C.E)」を始動した。そのきっかけとなったのは、ふたりが趣味で楽しんでいる登山やハイキングだという。ファッションデザイナーが新たにアウトドアブランドを手掛ける意図や意義とは。また、デビューコレクションのアイテムに込められた、デザイナーならではのこだわりとは。

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初めて体験した登山の醍醐味

⎯⎯おふたりが登山やハイキングを始めたきっかけは?

秋元舞子(以下、秋元):もともと自然は大好きで、年に4回も沖縄に行くくらいの「海派」だったのですが、写真家の根本絵梨子さんの展覧会で見た山の景色が素晴らしく、自分でも直接体験してみたいと思い、3年ほど前に始めました。今は海も山も両方楽んでいます。

川瀬正輝(以下、川瀬):僕も自然は好きだったのですが登山などの経験は特になくて、秋元さんに誘われたことがきっかけで始めました。誘われたタイミングも良かったですね。岐阜県の山育ちなんですが、東京での生活が長くなり、生まれ故郷の環境が恋しくなっていた時期だったので、すんなりと始められました。

秋元舞子

秋元舞子

川瀬正輝

川瀬正輝

⎯⎯登山の醍醐味は?

川瀬:年齢を重ねると、新しいことを体験する機会って減ってくるじゃないですか。山ではこれまで味わったことがないことに遭遇したり、山の先輩たちに色々なことを教えてもらったり、初めての体験がたくさんあって楽しいです。

秋元:山で出会う人って、本当に優しい方が多くて。いつも「ありがたいね」「楽しいね」って言いながら登っています。

川瀬:自分たちが初心者だからこそ、教えてもらったことが身になっていく感覚が楽しい。1年目は膝が痛くて大変でしたが、最近は平気になりました。そういう自分の身体的な成長を感じられるのもいいですね。あと、山の後のサウナは最高です(笑)。体を動かした後だから、ご飯も本当に美味しいんですよ。僕らはお酒をあまり飲まないので、動いて、美味しいご飯を食べる、というのも楽しみですね。

「フィーニー」デザイナー秋元舞子と「プロダクトトゥエルブ」デザイナー川瀬正輝
山荘飯島
山荘飯島

⎯⎯インスタグラムのストーリーズを拝見していると、川瀬さんはかなり頻繁に山に行っているようです。

川瀬:僕が以前から手掛けているプロダクトトゥエルブは、基本的に街での着用を想定しているのですが、どこまでフィールドを広げられるか試してみたいと考えていました。登山はそのテストも兼ねているのですが、仕事と遊びの境界線がないということも、ハマった理由のひとつかもしれません。

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既存のアウトドアアイテムは「自分らしくなかった」

⎯⎯登山を始めた頃、秋元さんはどのようなブランドのアイテムを着て登山をしていたのですか?

秋元:それが、どんな服を着ればいいのか全然わからなかったんです。アウトドアブランドの服を色々試したりもしたのですが、どれもしっくり来なくて。特に、シルエットに違和感があり、「自分らしくない」と感じることが山に行く上でのハードルになっていました。

展示会場

会場ではふたりが愛用するアウトドアグッズも展示


川瀬:登山中って、ものすごく会話するんですよ。普段、何時間も一緒にいて話し続けることって、そうそうないですよね。山を歩いているときに思いついたことを話し合うことで、アイデアが溜まっていったんです。

秋元:「ああいうのが欲しいよね、こういうのが欲しいよね」という何気ない会話から、「じゃあ作ろうよ」と。すごく自然な流れで始まりました。

川瀬さんが着用していたシューズは「アルトラ」

⎯⎯新ブランド「ピーピーシーイー」のコンセプトは「街と山の境界線をなくす」ことだそうですね。

川瀬:僕らは、登山家やアウトドアブランドへのリスペクトを常に持っています。その上で、ピーピーシーイーで僕らが目指すのは「山と街の中間」。そのふたつのシーンを繋ぐ「媒介人」のような存在になれたら嬉しいなと思っています。僕らがこれまで手掛けていたブランドは街が主軸でしたが、ピーピーシーイーはもう少し山に寄せて、街と山を50:50にするような感覚。具体的には、雪山のような過酷な環境ではなく、夏の北アルプスくらいまでなら対応できるようなウェアです。

秋元:私たちは10年以上自分のブランドをやってきているので、服作りについてはプロだという自負があります。例えば、伸縮性の高い生地は、その機能を損なわないように縫製方法にフラットシーマを採用するなど、生地とパターンと縫製を計算して作っています。そういったこだわりは随所に詰め込んでいますね。街の延長線上にある感覚で、もっと山を近くに感じてもらえたら嬉しいです。私たちが日常で着ている服でも、山で使えるものって意外と多いんですよ。

秋元舞子

⎯⎯ピーピーシーイーの運営は、おふたりにとって趣味の延長という側面が強いのでしょうか?

秋元:ビジネス的なことを考えていないわけではないですが、趣味の割合が大きいですね。フィーニーもそうなんですが、判断基準は「自分が着るかどうか、自分が好きかどうか」だけです。

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川瀬:純粋な動機の方が、作っていて楽しいですからね。僕はプロダクトトゥエルブのほうは結構ストイックにやっていますが、ピーピーシーイーは遊びの部分も大事にしています。

アイテムに込められたデザイナーならではのこだわり

展示会場
展示会場
展示会場

⎯⎯今回発表したファーストコレクションのアイテムについて具体的に教えてください。まずは、秋元さんが着用しているジャケットから。

秋元:「プリマロフトアクティブ」という素材を使っています。この素材を知ったことで、私の生活は大きく変わりました。メッシュ状で薄いのにすごく暖かくて、登山で汗をかいても湿気を外に逃がしてくれるので、快適な状態がずっと続きます。私はテニスもするのですが、そういった運動時にも最適です。軽くてコンパクトになるし、すぐに乾くので、旅行にも必ず持っていきますね。パッキングもすごく楽になりました。

秋元舞子
秋元舞子

⎯⎯デザイン面でのこだわりはありますか?

秋元:この素材を使ったアウトドアウェアは他にもありますが、プルオーバータイプが多くて、こういうフルジップタイプはあまり見かけません。あと、やはりシルエットにはかなりこだわっていますね。サイズは1、2、3と展開していて、私が身長155cmでサイズ1、川瀬が170cmでサイズ2、175cm以上の方にはサイズ3というイメージですが、ユニセックスで着られるので、女性がゆるっとサイズ2を着るのもおすすめです。

秋元舞子

⎯⎯続いて、川瀬さんが着用しているメリノウールTシャツについてお願いします。

秋元:ふたりとも音楽が好きなので、古着のバンドTシャツのような雰囲気で、手持ちの古着とも合わせやすいようにデザインしました。特にこだわったのはムラ染めで、プリントをしてから染めることで、プリントがはっきりしすぎない、こなれた風合いになるように工夫しています。こういうアプローチは、ファッションデザイナーだからこそできることかなと。私は天然繊維が好きで、メリノウールのアイテムもたくさん着てきましたが、この生地が一番薄くて軽いので、気づくといつもこれを手に取っていますね。

川瀬正輝
展示会場
展示会場

⎯⎯ウエストポーチはコラボレーションアイテムなんですね。

川瀬:仙台のギアメーカー「プラットフォルム(PLATFORM)」とのコラボで、既存の「スペアポケット」というモデルをベースに、オリジナルのメッシュ撥水生地で作っていただきました。このポーチは一枚の布からできているんですが、他のアイテムも要素の過不足がなく、まさに「レス・イズ・モア※」な哲学を感じるんです。デザイナーの方にお会いしたときに、作っているものとご本人の人柄がすごく一致していると感じました。

※建築家ミース・ファン・デル・ローエが唱えた、余計な装飾を削ぎ落とすことでかえって美しさや機能性が向上するという概念

秋元舞子

⎯⎯ブランドをきっかけに登山に興味を持つ人もいるかもしれません。初心者がハイキングをするのにおすすめの山はありますか?

川瀬:僕が山のことを語るのはおこがましいですが、初心者視点で言うと、僕らが最初に登った大菩薩嶺(山梨県にある標高2057mの山)はおすすめです。百名山の一つですが、散歩に近い感覚で歩けるので、暖かくなった5月頃に行くと気持ちいいと思います。

⎯⎯ブランドの今後の目標を教えください。

秋元:長く続けられるように、無理はしたくないと思っています。そのときどきの自分たちの気持ちを一番大事にして、やりたいことをやっていきたいです。自分たちがワクワクしたり、楽しいと感じたりする気持ちは、着てくれる人にも伝わると思うので。

川瀬:自分たちで実際に使ってみて、フィードバックを繰り返してより良くしていくことは大事にしたいです。実は2年前からいろいろなテストを繰り返していて、それが今回のコレクションに繋がっています。楽しみつつも、そういう真摯なものづくりの姿勢を忘れずに取り組んでいきたいですね。

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