
【アーリーエイジングケア特集】「髪と夢は、あったほうがいいですから」——OCEAN TOKYO代表・高木琢也の言葉は、冗談のようでいて、髪の変化に備える大切さを突いている。肌のスキンケアは早くから始める意識があっても、髪や頭皮はいつから、何をすればいいのかわからない。ツヤやまとまり、うねり、ダメージ、薄毛……自分では気づきにくい悩みだからこそ、早めに向き合いたい。カラーやパーマは本当に悪者なのか。シャンプーは強く洗うほどいいのか。髪と頭皮のために見直したい日々の習慣を聞いた。
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高木琢也/OCEAN TOKYO 代表
1985年7月生まれ。早稲田美容専門学校卒業後、都内サロンでの勤務を経て、2013年9月にOCEAN TOKYOを立ち上げる。設立後9年で渋谷・原宿・大阪・仙台・神戸など12店舗を展開。美容師としては、「月間技術売り上げ1200万」を記録したほか、日本武道館でのヘアショーに最年少で出演。「ホットペッパービューティーアワード」全国メンズヘアスタイル部門では2万超の作品の中から2017年、2018年、2019年と3年連続日本一に選出。サロンワークに加え、業界紙での撮影や、テレビCMへの出演など幅広く活躍している。
OCEAN TOKYOとは?
OCEAN TOKYOは、2013年に高木琢也氏が立ち上げた、原宿や表参道を中心に展開するヘアサロン。10代・20代の男性を中心に支持を集め、メンズヘアやトレンドを意識したスタイルに強みを持つ。
目次
将来薄毛になるかどうかは、予測できる
⎯⎯近年、「自分らしさ」という価値観が重視されるようになっています。ヘアカラーやパーマなど、ヘアデザインを自由に楽しむ人も増えているのでしょうか。
増えていると思います。特に男性は、以前よりヘアスタイルの自由度が上がりました。ピンクや金髪、シルバーなどの髪色やパーマも、珍しいものではなくなっています。
OCEAN TOKYOを立ち上げた2013年頃は、黒髪や茶髪など、比較的ナチュラルな髪色が中心でした。今は、単に髪を明るくするだけでなく、色を加えて髪で遊ぶ人が増えたと感じます。

⎯⎯ヘアカラーを楽しむ人が増える一方で、髪のダメージや頭皮に関する相談も増えていますか。
近年、美容に対する意識が全体的に高まっているので、頭皮を気にする人も伴って増えていますね。「自宅でもケアしたい」という人は、以前より多いと思います。
女性は、ツヤやまとまり、うねりのなさなど、きれいな髪の状態を保つことを気にする方が多いと思いますが、一方で男性は薄毛を心配している方が圧倒的に多い。ツヤやまとまりは二の次という印象です。そして、実は将来薄毛になるかどうかは、ある程度予測できるんですよ。
⎯⎯それは、どうやって?
大体髪を触ったら分かります。わかりやすい指標として例えば、もみあげだけ髪質がチリチリしているとその確率が高まる。あとは、遺伝も大きいので、長男の場合は母方のおじいちゃんが薄毛かどうかもヒントになります。次男は父方の遺伝を受け継ぐ場合がありますね。
もちろん、これはあくまで美容師としての経験に基づく目安です。今は、必要に応じて薬を使ったり、頭皮環境を整えたりすることで、進行を遅らせる選択肢もあります。気になるなら、早めに相談したほうがいいと思います。
STOP! “ゴシゴシ洗い
⎯⎯薬以外では、どのようなケアが大切ですか?
頭皮を清潔に保ち、血流を促すことです。頭皮マッサージや湯船につかることもよいと思います。ただそれ以前に、日常の悪習慣を見直すことが大切です。
⎯⎯例えばどんなことがありますか?
シャンプー時に、髪や頭皮をしっかり洗おうとしてゴシゴシと洗う人、いますよね?これは良くないです。頭皮への負担が大きいので避けましょう。
シャンプーは泡で汚れを落とすものなので、指で強くこする必要はありません。目安としては、子どもの力で洗えるくらいのやさしさで十分です。
⎯⎯“爽快感”から力を入れて洗う人も多いように思いますが、良くないんですね。
その爽快感と引き換えに頭皮への負担がついてきます(笑)。ほら、Tシャツを雑巾のようにゴシゴシ洗うと、首元がよれたり、生地が傷んだりしますよね。不思議なことに洋服ではそんなことしないのに、自分の髪や頭皮になると途端に強く洗ってしまう。衣類を扱うように髪もやさしく、きれいに洗う意識が大切です。

⎯⎯汗や皮脂が気になり、朝晩シャンプーをする人もいます。これも良くないですか?
基本的には1日1回で十分です。汗をたくさんかいた日などは2回洗っても構いませんが、毎日朝晩洗う必要はありません。
朝、セットのために髪を濡らすのは問題ありません。汚れを落とそうとして強く洗うのではなく、お湯や水で流す程度にして、洗いすぎないことが大切です。
「オーバドライは“ほぼない」 きちんと乾かして
⎯⎯そのほかに注意すべき習慣はありますか?
半乾きのままドライヤーを終わらせてしまうことです。特に夏場は、乾かしている途中で汗をかくので、やめてしまいがちですよね。暑い場合は、冷風や冷水で体を冷やしてから、髪は最後まで乾かすことをおすすめします。
髪の表面には、うろこのようなキューティクルがあります。髪が濡れるとキューティクルが開くため、そのまま寝たり、帽子をかぶったり、タオルや枕でこすったりすると、目に見えないところで表面が剥がれていきます。そうすると髪の表面が傷み、毛が少しずつ細くなってしまうんです。だから、洗髪後はできるだけ早く乾かし、濡れた状態で摩擦を受ける時間を短くすることが大切です。

⎯⎯乾かしすぎてパサパサになる心配はありませんか?
見てきた限り、オーバードライ、つまり乾かしすぎている人は、ほとんどいません。「乾かしすぎかも」と思っても、実際には問題ないことが殆どです。 途中でやめずに、最後までしっかり乾かしてください。
ちなみに、前髪など、うねりやすい部分は最初に乾かすとセットしやすくなります。濡れている髪のほうが形を変えやすいため、後回しにすると、その間に乾いて形が固定されてしまいます。
解きたい誤解 「カラーやパーマは悪者」
⎯⎯世間的にはヘアカラーやパーマが「頭皮にとって良くない」「薄毛につながる」という印象があります。
カラーやパーマをしたからといってそれが原因になるわけではありません。薬剤は以前より進化していますし、施術後のトリートメントも進歩しています。
もし、それでも不安ならこの(私の)髪色を見てほしい。これを見たらわかるだろうという感じ(笑)。14年間、週に1度カラーとトリートメントをして髪色を保っています。実際に見てもらえば分かると思いますが、これだけ定期的にカラーをしていても薄毛にはなっていません。人気の俳優さんでも2週間に1回ほど髪を染めると聞きます。けど別に、薄毛やヘアダメージは気になりませんよね?

⎯⎯髪や頭皮のエイジングケアサインに早く気がつくには?
自分では頭皮を確認しにくいので、信頼できる美容師に定期的に見てもらうのがおすすめです。同じ美容師に継続して見てもらえば、変化にも気づきやすくなります。
「自分の髪や頭皮はどうですか」と、率直に聞いてみてください。美容師は、乾かし方やケアの状態もある程度確認できます。
⎯⎯髪のことよりも意外と世間話ばかりをしていました。
接客が大切と言われるし、まあそうなりますよね。ただオーシャンのメンバーにはまず髪の話をするようにと伝えています。美容師は髪の毛の専門家なので。
病院へ行ったら、医師に体調を診てもらい、必要なことを聞いて帰りますよね。美容室も同じで、単に世間話をする場所ではなく、髪について相談する場所でありたいと思っています。
⎯⎯自宅でのケアと、美容室でのケアにはどんな違いがありますか?
自宅では、髪の乾燥を防ぎ、状態を維持することが中心です。美容室では、傷んだ髪の内部に成分を補い、最後に表面を整えるケアをします。
巻き寿司のように、髪の内部に栄養を入れ、最後に外側をきれいに包むイメージです。美容室でケアをしても、表面の保護は少しずつ落ちていくため、自宅でトリートメントを続ける必要があります。自宅と美容室、両方のケアを続けることが健やかな髪につながります。
⎯⎯何から始めればいいか分からない人へのアドバイスをお願いします。
難しく考えず、まずは「やさしく洗う」「きちんと乾かす」。この2つから始めてください。
髪と頭皮は長く付き合うものです。お気に入りの服を丁寧に扱うように、自分の髪や頭皮も、もっと大切に扱ってほしい。難しいケアを始める前に、基本的なことを見直してみてください。髪と夢は、あったほうがいいですから。
高木さんに聞きたい 一問一答
⎯⎯赤髪にした理由は?
初めてテレビに出る時に、もう一生こんな機会はないだろうと思って、目立つ色にしたんです。そしたらこの赤髪キャラクターが浸透してしまって。憧れて赤髪にしてくれる子もいるから、戻そうにも戻せない(笑)。本当は黒髪にしたいんだけどね。

⎯⎯シャンプーのシリコンを気にされる人もいます。シリコンの有無についてどう考えていますか?
ノンシリコンが髪に良いという考え方もありますが、すべての人に当てはまるわけではないと思います。シリコンには、ボリュームを抑えたりする効果があります。日本人は欧米人に比べて髪が太く、ハリやうねりがある人も多いので、ノンシリコンのシャンプーを使うと、髪が硬くなり、まとまりにくくなることがあります。シリコンがすべて悪いわけではなく、自分の髪質に合ったものを選ぶことが大切です。
⎯⎯オーシャントーキョーのシャンプーはどんな特徴がありますか?
髪の補修成分やケラチンなど、髪と頭皮のケアに必要なものを重視しています。シャンプーに一番コストがかかる部分が、容器。ここをあえて既存の容器を使うことで、中身にコストを割いています。広告やデザインも自分たちで行うことで、コストパフォーマンスも追求しています。あ、ちなみに9月に新作を出します。

⎯⎯髪はあった方がカッコいいですか?
カッコいいかは価値観によりますね。ただ、髪があると骨格補正ができるのでそこは大きいかな。あと逆にスキンヘッドとかは、毎日剃ったりと手入れも大変ですし。まあ、究極はそれぞれのご気分で。
最終更新日:
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